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北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

現代社会の疎開先

2020-02-18 23:39:47 | Weblog

 

 コロナウィルスの蔓延による影響が拡大してきましたね。

 東京マラソンは規模を縮小して一般参加を取りやめることになりました。

 また相次いで様々な人の集まるイベントが中止になり、天皇誕生日の一般参賀も中止と報道されました。

 コロナウィルスのヒトヒト感染も報告されてきて、人が集まることへのリスクが増しています。

 満員電車での通勤などは最も危険な状況と言えるでしょう。

 政府は「不要不急の外出は控えるように」という注意が発せられていますが、現代社会が人と会わないでいるというのはなかなか難しい。

 リモートワークで人に会わずに仕事をするというのは一つの解決方法かもしれませんが、すべての仕事がそのようにして行えるわけではありません。

 人同士の距離が短くて多くの人が集まっていることが効率性に繋がって、ビジネスをしやすいというのが都市の最大のメリットでしたが、それが逆に作用して、伝染性の病気が急速に広がりやすいというデメリットが浮き彫りになりました。

 リモートワークが可能ならば、なにも都市近郊にいる必要はなくて感染のリスクの低い遠隔地へ思い切り移っても良いわけです。

 さて、そうなるとどこへ行くのが良いのか。

 一言で田舎へ行けばよい、と言っても、普段から交流のある田舎をどれだけの都会人が持っているでしょうか。

 災害になったときの疎開先として自治体同士が協定を結んだりしている例は結構多くあります。

 早稲田商店街は、「震災対策疎開ツアー」として提携地域に毎月積立金をして、震災が起きたときにはそこに半年疎開させてもらうというプロジェクトを展開して、全国50地域と提携中と聞き及んでいます。

 こうしたいざと言う時に遠くで頼りになる場所を定めて、日ごろから連携を深めておくということが有効だということは分かっていますが、「さてではどこと?」となったときに、なかなかマッチングの相手が見つからないかもしれません。

 姉妹都市が結ばれていればそれも一つの縁ですし、それ以外にも地縁・血縁・人の縁を通じていくつかの町や地域と相互に交流ができていると良いでしょう。

 やるなら"今"です。

 津波や地震による停電の時も、「普段から備えをしておくことが大切だ」と思ったはずです。

 地域や自治体が行えなければ、個人でもできることはあるでしょう。

 危機を逆手にとって、未来への備えを意識して欲しいものです。

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上手にだまして

2020-02-17 22:36:20 | Weblog

 

 昨日まで苫前で、流雪溝での除雪を体験する雪かきツアーに参加していたというのに、今朝の札幌はまたまた雪。

 我が家の除雪は雪が無くならないので、とにかく敷地の一角に滞積するほかはなく、そこにもってゆくのは結構な重労働です。

 旅先でのイベントの除雪なら楽しいのに、家の雪かきは"仕方なくやる"辛い仕事になるのはなぜでしょう。

 「自らやりたい」と思うポジティブで楽しい仕事と、「嫌でもやらされる」というネガティブな辛い仕事の差です。

 昨日の流雪溝を使った除雪では、雪がどんどん流されて行って雪山がみるみるうちにボリュームを減らしてゆくのを見るのは、どこかゲーム感覚があって楽しくなってしまいます。

 

 でもいかに上手な雪山を作るか、というところに思いが至れば、実は家の除雪だって楽しくなるかもしれません。

 あるいは、時分の得意なところをちょっと格好をつけて見てもらいたい、という心理も有効かもしれません。

 男性ならば、女性に「すごい、上手ですね」なんて言われたら、ちょっとくらい疲れていても頑張ってしまいそうです。

「これが終われば美味しい〇〇がありますよ」と言われたらそれも頑張りたくなるモチベーションになるかも。

 今回の雪かきでは休憩時に"国稀の甘酒"が振る舞われたのですが、甘くて少し塩が入っていてとても美味しくいただきました。

 
 同じ作業をしていても、それを辛いと感じるか楽しいと感じるかは心の持ち様一つです。

 だとしたら楽しくやったほうが良いに違いありません。

 イベントや企画ものは、そういう要素をいかに上手にちりばめるかがカギでしょうか。

 「上手にだましてね」ってことかな(笑) 

 

 

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流雪溝ツアーとは、苫前町のプレゼンテーションだった

2020-02-16 23:59:57 | Weblog

 

 苫前町「冬の暮らし体験ツアー」の二日目。

 今日はいよいよ流雪溝に雪を投入する除雪体験です。

 昨日事前視察をしておいた現場に向かって、スコップ、ツルハシ、スノーダンプをもった20人を超える一団が、雪のない本通りを歩いてゆくのは壮観です。

 それでも昨日狙いを定めておいた少しは雪の塊がある場所に着くと、流雪溝の蓋を開けてそれぞれの道具で崩した雪の投入を始めます。

 私は昨年までの雪の状況を知らないのですが、今回の雪は暖気を受けて固まった部分が多く簡単には削れないのでいささか手ごわい相手です。

 今回私は、新潟県の浅野木工所から提供されている「カチ割ダンプ(中)」を持参してこの雪かきに挑みましたが、これが結構使えました。

 道内で市販されているスノーダンプの多くは先がプラスチックで、北海道の柔らかい雪用にできています。

 しかし今日のような一度融けかけて固まった雪には、ステンレス製の先金がついている本州仕様のカチ割ダンプが実に効果的。

 足で押し込むことで、スコップなどで一度雪を崩す手間をかけずに雪を崩し運ぶことができます。

 温暖化が進むと、北海道でもこうした道具が使われるようになるような気がします。

 それに自宅で普段やっている、「雪を移動させる除雪」ではなく「みるみるうちに雪が消えてゆく除雪」というのは結構新鮮で楽しく、やっているうちにゲーム感覚になってきます。

 除雪の仕方、ノウハウを確立させれば面白い運動にもなりそうですが、それは除雪マニアの私だけでしょうか(笑)

 さて、人数の割にはやはり雪が少なくて、作業は当初の予定通りスムースに進行。

 作業が終わるとやはり道路は通りやすくなります。

 集合写真を撮って今日の除雪作業は終了、参加者の皆さんお疲れさまでした。


      ◆


 作業後は、苫前のまちを知る次なるプログラムが用意されています。

 苫前漁港のダブルデッキを見学し、マイナス40℃の休息冷凍庫の中の寒さに驚き、ホタテの稚貝の作り方を教わります。

 昼食は地元の若者たちが用意してくれた、苫前産のホタテ焼き、カレイのから揚げ、そして地元産の茹でたて・焼きたてのミズダコに舌鼓。

 裏方で料理を用意してくれたスタッフの皆さんに感謝しつつ、小笠原君からの苫前で進められている持続可能な漁業の話に感心します。

 水産品をブランド化させるための一つのアプローチが"FIP/AIP"という考え方です。

 これは「漁業・養殖漁業改善プロジェクト(Fisheries/Aquaculture Improvement Project:略称 FIP/AIP)」というもので、認証取得可能なレベルまで漁業の持続可能性を向上するプロジェクト。

 一定のガイドラインをクリアした漁業ということが認定され、それを消費者が支持すれば、流通業界もそれを支え努力が評価や収入の増加につながるだろうという試みです。

 FIPは日本ではまだ6つのプロジェクトしか認定されていませんが、その5番目に認定されているのがここ苫前の「樽流し漁ミズダコ」です。

 苫前で漁業の最前線を教えられるとは。

 
 結局この「流雪溝を中心とした暮らし体験ツアー」というのは、ただの雪かき体験ボランティアなのではなくて、それをきっかけにした苫前のプレゼンテーションでした。

 最後は地元のコミュニティの問題なのですが、それに刺激と支援を与える外部とのつながりがあるとそれらは楽しみながら繋がってゆくのではないか。

 このような着地型ツアーを上手に生かしたまちづくりは、人口減少に悩む町に何かのヒントになるに違いありません。

 地方自治体の方も大いに勉強する値のある事業です。

 苫前漁港も良い釣りができるとか。これからも苫前での試みに注目していこうと思います。

 関係者の皆様、お世話になりありがとうございました。

 

 

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苫前町冬の暮らし体験ツアー初日は…雪がない!

2020-02-15 23:52:11 | Weblog

 

 苫前町での「冬の暮らし体験ツアー」に参加しています。

 このツアー、昨年までは「雪かきボランティアツアー」としていたのですが、今年からは「冬の暮らし体験ツアー」という形で、興味のある人への着地型ツアーという形にして、外からの人と苫前町が繋がっていくような仕掛けにしたいという目論見があります。

 そしてその仕掛けの中心にあるのが苫前町古丹別地区にある流雪溝。

 地下に河川の水を流して道路の雪を押し流してしまおうという都市のインフラです。

 そこで地区で処理しきれず溜まっている雪をこの流雪溝に流す作業を外部の人たちに手伝ってもらうことで、この地域との関わりをもつ人が増えてこの地域を「心のふるさと」のように思ってくれる人が増えないか、ということがこの調査の目標の一つでもあります。 

 今回の参加者は10名ほどで、午後に日程のオリエンテーションを受けた後で、流雪溝関連施設を見学して流雪溝への理解を深めます。

 その後で、古丹別地区で流雪溝への雪投入をするところを事前見学したのですが…「雪がない…」

 地元の方も「私もこの地に50年以上暮らしていますが、こんなことは初めてです」というほどの少雪で、流雪溝の近くにも雪がほとんどありません。

 それでも人の住んでいない家の前など、除雪がおろそかになっている場所をようやく見つけて、明日午前中の作業に向けての現場確認を終えました。

 いろいろと例年にはない条件になっていますが、まずは実際に流雪溝に関わってみましょう。

    ◆

 夜は、この活動の中心となっている青年たちやたりこの地域で様々な活動をしている方たちとの交流会。

 苫前は実は農業が豊かな町であることはあまり知られていません。

 さらに酪農、林業、漁業などにもそれなりの特色があって、美味しいものも揃っています。

 しかしここへきて実際に飲み食いをし、地元の方たちの話を聴いて初めてそれがわかったわけで、そうした実態はなかなか伝わらないのが現実ということでしょう。

 中の頑張りを外からの人たちと結びつけることでこうした現実を打開できるでしょうか。

 人は面白い人のいるところに集まります。

 苫前町って案外面白いところです。
 

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明日から苫前町の雪かきツアーに参加してきます

2020-02-14 23:56:13 | Weblog

 明日と明後日にかけて、留萌のまたずっと北にある苫前町で開催される「苫前くらし体験ツアー~冬編~」に参加してきます。

 簡単に言うと「雪かきツアー」。

 苫前町内の雪を流雪溝に流し込んだりして地元の冬の暮らしを体験するほか、地元の皆さんとの交流会も楽しみです。

 この事業は、国土交通省の『令和元年度雪処理の担い手確保・育成のための克雪体制支援調査』の一環です。

 その趣旨は、除雪を単なる地元仕事に留めずに内外からの協力者を迎え入れて手伝ってもらうことで、交流人口の増加により町の営みが支援できないか、ということでしょう。

 苫前には西大志さんをはじめ、街づくりに熱心な方たちがいるうえに西さんにはいろいろとこちらの事業にもご協力をいただいているので、その借りを返すという意味もあります。

 またこういう実践活動の現場を一度は見てみたいという思いもあったので、思い切って参加してみることにしたものです。

 流雪溝に雪を投入する作業があるということなので、先日新潟の朝の木工所からモニターを求められている特性スノーダンプを持参して参加しようと思います。

 日常とは違う雪かきを味わってみましょう。

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そうだ、スペインへ行こう!

2020-02-13 23:52:45 | Weblog

 ゴールデンウィークの後半に夫婦でスペイン旅行を計画中です。

 なぜスペインかと言うと、二つの条件が揃ったことです。

 一つ目は、現地バルセロナでガウディ建築を研究されている田中裕也さんという方と知り合いで、現地でご案内いただいて、観光よりももう少し深いガウディの世界を味わってみたいと思ったこと。

 アウトドア仲間の女性がバルセロナ大好きで、我々が行きたいと思った時期に現地バルセロナに先乗りして滞在しているということが分かったこと。

 スペインやバルセロナの詳しい情報を教えてもらえることが期待できます。

 それにヨーロッパのなかでもやはり食べ物がおいしいと言えば、スペインかイタリアか、と思っていたので、まずは現地に詳しい知人がいて心強いスペインに先に行ってみようと思った次第。

 コロナウィルスが蔓延しつつあって東洋人がヨーロッパに行くのは怖い気持ちもありますが、まあ予約だけは先行しておこうと思います。

「バルセロナも良いけれど、マドリッドもアンダルシア地方も良いですよ」と夢があふれる話が聞ける一方で、「とにかくスリや置き引きが多いから気をつけなくちゃだめですよ」という話を聞くと怖くなります。

  
     ◆


 ちょっと古い資料ですが、JTB総研が2016年に『シニアのライフスタイルと旅行に関する調査』というレポートをリリースしています。

 この調査では、主に団塊世代の上の世代を対象に、ライフスタイルや旅行・お出かけの実態を調べていますが、『レジャー頻度が減少に転じる境目は70歳ころ』『旅行の頻度が減る三大要因は①お金がない、②計画が億劫になる、③(ペースの合う)同行者がいない、の3つ』などの点を指摘しています。

 60歳を超えると何事も『あと10年』と思うようになりましたが、すこし冒険的な旅を意識して増やしてみたいとも思います。

 さて、どういう計画になりますやら。

 もしスペイン旅行経験のある方がいらしたらアドバイスなどよろしくお願いします。
 

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函館駅周辺の新しい商業集積"HAKOVIVA"

2020-02-12 23:39:32 | Weblog

 今日から明日は函館方面への出張です。

 函館駅周辺などはもうほとんど雪がなく、LEDのイルミネーションもちょっと雰囲気が出ないようです。

 函館駅周辺を散策していると、駅の向こう側に以前には見られなかった新しいホテルと、その低層部分に賑わいの商業集積があることに気が付きました。

 なるほど、高層の建物の低層部分に商業集積を作り、広場を囲むような配置というのは、賑わいを生み出す一つのパターンです。

 

 入り口に相当するところには浅草雷門のような大きな提灯が飾られていて、ここは写真スポットになることでしょう。

 
     ◆

 後でネットで調べてみると、これは"HAKOVIVA(ハコビバ)"という商業集積で、昨年の12月1日にオープンしたばかりだそう。

 なるほど、以前来たときは気が付かなかったわけです。

 「駅前横丁」という建物に入ってみると、内部は昭和レトロ風のまちなみができていて、そこにお店が軒を連ねています。

 あまり人通りが多くない中、海産物のお土産屋さんがあったのでそこの女性に「中国からの観光客が減ると大変でしょう」と言うと、「いずれ収まるでしょうから、それまでは忍耐、我慢です」とのこと。

 横丁のなかにはまだ建設中の部分もあって、「4月オープン予定」となっていたので、この4月には町並みも整うことでしょう。

 外に出てみると、横丁のあった建物の二階は近代的なフィットネスクラブがありました。

 コンビニなどもあって、賑わいと便利と写真映えする空間への試みが見られます。

 
 ホテルに戻る途中に、駅の南側を通りましたが函館朝市側は電気が消えていて暗く寂しい感じになってしまっています。

 函館駅周辺には大門地区の商業集積もあるわけで、函館駅周辺の賑わい地図にどのような変化がみられるか注目してみたいところです。

 
 

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小樽での講演会 ~ 小樽運河問題を社会学的に分析すると

2020-02-11 23:51:09 | Weblog

 

 午後から小樽市内でまちづくり講演会があるのに合わせて、娘や孫たちと小樽へ出かけました。

 お昼に小樽のすし屋横丁でお寿司を食べた後は、様々なお店が軒を連ねる堺町本通りを散策。

 小樽の買い物通りもちょっと見ない間にお店は入れ替わっているし、建物そのものも建て替えられていて、ずいぶんと変わったなあ、という印象です。

 ルタオパトスでスイーツとコーヒーで休憩した後は、私は家族と別れて今日のお仕事の講演会を聴くためにホテルへと向かいました。

 中国人は少なかったのかもしれませんが、雪まつりのシーズン故か、別な国からの観光客は多いように思いました。

 小樽は国際色がずいぶん豊かになっていました。 


    ◆

 
 さて、今日拝聴する講演会は法政大学社会学部の堀川三郎教授のご講演です。

 堀川先生は、学生として1984年に小樽へ来られて、当時話題になっていた小樽運河の埋め立て問題について地元の方からヒアリング調査を行ったことが縁で、それ以来33年間に亘って小樽市のまちづくりについて調査研究を行ってこられました。

 そしてそうしてまとめ上げられた学術論文が、なんと都市研究にかかる三つの学会、すなわち「日本都市計画学会石川奨励賞」「日本都市社会学会賞(磯村記念賞)」「「日本都市学会賞」を受賞されたのです。

 この授与対象となった学術論文は『町並み保存運動の論理と帰結 - 小樽運河問題の社会学的分析』というもので、ひたすら地元の関係者の声を聴き、背景に横たわる法律や行政手法を紐解いて小樽市議会での議論を逐一分析していくという気の遠くなるような作業の賜物です。

 そして今回のこの三賞同時受賞を称えようと、地元の有志が立ち上がり、小樽がこれまで歩んできたまちづくりの道を振り返りつつ、景観保存や小樽らしい観光の姿の模索、そして問題点などについて語り合う場にしようと開催を企画したのが今日の堀川三郎教授の小樽講演会というわけです。

 今回の講演会には、(公社)日本都市計画学会北海道支部からも名義後援を出させていただいた関わりもあって、私も参加してきたものです。

 ご講演は、小樽をフィールドとして調査研究を行うに至った経緯と調査の苦労、そこから見えてきたもの、そして現代の小樽が抱える問題など広範なテーマを扱っておられましたが、随所に笑いもあり楽しいお話でした。

 また今日の聴講者の多くは堀川先生とは何らかの関わりのある方も多く、高名な賞を受賞した堀川先生への祝意も多かったことでしょう。

 
 小樽運河はご承知のように、増え続ける交通量を捌くために小樽市が都市計画で運河を埋め立てて4車線のバイパス道路を建設しようと計画を立てたところ、それに住民が「待った」をかけて、住民と行政による反目そして妥協の歴史という都市計画上のエポックメイキングな事件でした。

 それまでの行政は、とにかく一度決めたからには絶対に実行するということがほぼ常識であったのに対して、住民が反対をしたことで「何のための道路か」「それ以前に小樽はどういう町であるべきか」と、語るべき問題がどんどん広がって大きな社会問題になった案件です。

 堀川先生は、「本来語られるべきはただの『道路問題』だったのではなく、『誰が社会の代表者か』『再開発はいかにあるべきか』『都市の在り方』など多層にわたるテーマを含んでいたはずなのに、それを道路問題だけで片付けようとしたことで答えが出せなくなった」と考えておられます。

 ただ同時に、あの運河問題は「ただの形を残せという懐古趣味だったのではなく、『変化を社会としてコントロールすること』を求めていたのだろう」と抽象化されました。

 そう理解することで、他の都市での似たような問題解決に資する一つの道筋に繋がることが期待できますし、学問として後世に生きる者が参考にできる形になったのです。

    ◆

 ただ堀川先生は、今の小樽に対して「それでいいのでしょうか。『終わりの始まり』が見えているのではないか」と問題意識を投げかけられています。

 それは一つには小樽の風景を支えていた歴史的な建築物が年々減少し、またその姿を変え、あるものは全く異質なものに替わってしまっていることをどうしようもなくしている現状に対する警鐘です。

 また、これまで培ってきた住民運動を記録し技術として後世に伝えるような形でストックとして残っていないという現実です。

 これらの問題を小樽市はどう考えてゆくのでしょうか。


 堀川先生の講演が終了して祝賀会が始まるまでの1時間の間に私はすぐ近くの会場で開催されていた「雪明かりの路」を見学してきました。

 

 このイベントもまた、当時の住民運動を率いた人たちの発案から始まったもので、「小樽をどうしたら良いのだろう」という問いへの一つの答えだったはずです。

 小樽のまちづくりを考える大変良い機会になりました。

 これからも小樽の姿に関心をもって、ときどきはお寿司を食べに定点観測を繰り返してゆくことにします。 

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運転中の金縛り

2020-02-10 23:44:12 | Weblog

 

 車を運転していて、アクセルから突然アクセルからブレーキに脚が移せなくなりました。

 頭では動かそうとしているのに、脚が動きません。いわゆる「金縛り」です。

 体質的に、寝ている最中に金縛りに陥ることは何度もありましたが、最近は珍しい。

 それに寝ている最中とか寝る寸前になることはあっても、起きている真っ最中になったのは初めてです。しかも車の運転中。

 金縛りからの脱出方法は慣れています。

 金縛りにあって体が動かなくなった時は、体の末端部分、とくに手の指の先に何度も力を出し入れしてとにかくそこを何とか動かせるように頑張るのがコツです。

 ほんの少しでも体の一部が動けば、そこからスーッと生気がよみがえって全身が動くようになる。これが何度も金縛りから抜け出した経験から得たコツです。

 しかしこの場合はアクセルを踏んでいる足ですから、足を動かさないといけません。

 足先に力を入れてブレーキペダルの方へ動くように何度も試みます。

(動け!動け!うごけー…)

 何度も力の出し入れを繰り返してようやく足が少しだけ動きそうに。

 そして「う…うごい…た!」

 ようやく足が動かせるようになり、最後にはブレーキペダルを踏むことができ…たところで夢が覚めました。

「ふー、夢かー、助かった…」

 思い返せば、運転中と言いながら景色も覚えていません。ただただ足が動かないのを何とかしようともがいていた記憶しかありません。

 夢で良かった、という夢オチの話でしかありませんが、例えば運転中に脳血管障害で意識が無くなったり体が言うことを聞かなくなるということがないわけではありません。

 今乗っている自家用車は、もう12年目の車で最新の車に装備されているような衝突軽減ブレーキのような先進安全装置はついていません。

 次に車を買うときは、そんな安全装置がついている車にしようとは思っていますが、まだ具体的に車を買い替える話があるわけでもない。

 運転中の安全と安心はお金で買える時代が近づいています。

 技術の進歩に期待しつつ、新しい車の購入を考えようかなあ。

 
  
 

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雪まつり ~ 今年は空いているかららくちんだ

2020-02-09 22:42:20 | Weblog

 

 札幌は雪まつりのさなか、掛川から友人夫婦が遊びに来てくれたので夜に歓迎の一杯飲み会をやりました。

 札幌は数年ぶりとのことですが、雪まつりの時期に合わせてきたのは初めてだそうで、雪の大雪像にひとしきり感心してくれました。

 しかし私は昨日大通会場を一回りしてみて、ちょっと大雪像の迫力が足りないかな、と感じました。

 今や定番となった夕刻以降のプロジェクションマッピングも、白い雪像を背景に映し出されていましたが、やはりちょっと物足りない印象。

 見慣れてしまった我々が悪いのか、それとも雪像を作る方たちの力量の問題か、いろいろと考えさせられました。

 作業を手伝ってくれている方たちが高齢化して、制作の力が落ちたのかなあ。ちょっと心配です。

  
 大通会場は予想通り、外国人観光客と思しき方たちの姿が少なく見受けられます。
 
(まあそれも仕方がないだろうか)とは思いつつ、「では一体いつになったら解放されるのか」と問われたらもう答えはありません。

 まあせめて札幌市民くらいは、お宿の料金など気にせずに世界からのお客さんをもてなすうえでのお手伝いくらいはしたいものです。

 道内でも久しぶりに冷え込んだ今日の朝。掛川の皆さんには旅を楽しんで欲しいものです。

 雪まつりは人に会う絶好の機会です。

 

 

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