自社の舗装材へのクレーム対応で、室蘭まで日帰りで行ってきました。
当社側のミスによる製品の不具合なので、まずは状況の確認と謝罪のための訪問でした。
一緒に行動しているスーパー営業マンのNさんとの車中の会話。
「クレーム対応の謝罪ってつまらない仕事だな、と思いませんか」と私。
すると彼は「私はクレームってチャンスだと思うんですよ」と言います。
「ほほう、なぜです?」
「だってまずは使ってくれたうえに、関心があるから駄目なところを指摘してくれているんじゃないですか。クレームを受けたらすぐに謝罪に行って相手に会えばいいんです。そうすれば向こうの不満を聴けて、『すぐ来たね』と逆に相手に好感を持たれます」
「なるほど」
「それになにより、これがきっかけになって相手との関係性が生まれます。何も関係のない人に営業に行くのは大変ですが、一度でも会話をしてこちらの顔と名前を売り込めるなら、次からは会うのも簡単ですよね。だからクレームは恰好のチャンスなんだと思いますよ」
そして大事なポイントは「タイミングを逃すな」ということ。
「クレーマーに会いに行くのでも、すぐに行けば良いものをなんとなく勇気が出なくてタイミングをずるずると先送りしていると、問題は解決しないまま泥沼化してゆくことが多いのです。何をおいても会って解決に向けた方策を探り実行する。それが一番なんですがねえ」
さすがに、飛び込みで製品を売り込んできた人の心構えは違います。
クレームと言うとやたら相手に会う事を怖がり、恐れる人もいますが、それを乗り越えたときには、そこにいるのは良い顧客でもあります。
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「まずは現場に立て」「そこにいる人に会って声を聴け」とかつて教えてくれたのは、掛川でお世話になった故榛村純一元市長さんでした。
「問題は現場にあるのだから、現場にいない人が頭の中で物事を想像して考えて解決できるものじゃあないよ。解決のための知恵は現場にこそある」
今回の室蘭も、相手の様子はさほどの事もなくダメで取り換えた製品も見せてもらえましたし、次につながる出会いでした。
営業の行く先がまた一つ増えたかな。