ある観光系組織で、釧路地域を紹介する冊子を印刷している、という話を聞きました。
写真も上手だし、文章もこなれていて割と読ませるような仕立てをしていて、なかなか良いと思っていました。
ところがこの組織はもうすぐ自動的に解散することになっているのだそう。
冊子はこれまで一年に二回発行しているのですが、解散が見えているので冊子をホームページなどで紹介することもままならない状況。
これまで作ってきた資産の継承もどうなるのか、無くなるようではもったいない話です。
◆
それにしても、今日まだ紙媒体での印刷だけでの情報提供が中心というのでは、なかなか情報の広がりは得られないだろうな、と誰しも思うのではないでしょうか。
かつて、「ワンソース・マルチユース」という言葉がよく使われました。
一つのコンテンツを、様々な媒体で何度も使おうという意味でしたが、今日は、紙での印刷をしなくてもネットでは出しているという方があたりまえになりつつあります。
版権の問題はありますが、最低は関係する自治体や観光協会など公的な組織が引き取ってそれぞれのホームページにPDFファイルで貼りつけるというのが常識的な対応だと思います。
◆
さて私は、今日の観光情報は、持って歩いてじっくり読ませるよりも、通勤時間にスマホでネットサーフィンの間に読んでもらえればよいというくらいで良いのではないかと思っています。
そうなると問題は、ネット上のコンテンツにたどり着いてもらうことで、興味を持ってもらえるようなキーワードをちりばめるか、普段からの繋がりでお知らせをするという方法などが考えられます。
しかしこれらのためには、訓練されていて、普段からの継続的な情報提供の癖がついていることが望ましいのですが、それらは実践で見に着く事がらです。
私は情報発信は「質と量をキープすること」が肝心だと思っていて、質とは内容の良さで、量とは定期的に発信するという事。ブログもおんなじですね。
そしてそうなると、こうした能力は、人事異動のある役所よりは、それらを専門とする外郭団体にこそ求められる能力と言えるでしょう。
要は意志と能力の問題なのです。
◆ ◆ ◆
情報発信は、するのが当たり前になっていないうちは「間違った情報を出して怒られたらどうしよう」とか、「継続して発信する自信がない」というようなネガティブな考えが頭をよぎりがちです。
しかし、まずはやってみて回数をこなすことで、「なんだこの程度のことか」と思えるくらいに自分のレベルを上げるしか答えはありません。
今書いている本の原稿にも、その当たりのことに触れた一節を用意しています。
情報発信の意志とは何か?情報発信のための能力とは何か?
この根っこをまずは抑えておいた方が良いですね。