北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

秋田湯沢の犬っこまつり~素朴な庶民の願い

2013-02-09 21:51:50 | Weblog

 今日は湯沢市で「犬っこまつり」に参加です。

 朝から湯沢では重たい雪がしんしんと降っていて、「ああ、雪国だなあ」という感じがします。

 この犬っこまつり、歴史は1600年代初頭、江戸時代元和(げんな)年間に遡ります。

 この頃このあたりには「白討」という大盗賊がおりました。この盗賊達、白昼堂々と人家を襲ったので、人びとはたいそう恐れていました。

 それを湯沢におられた佐竹の殿様(佐竹南家三代義種)が退治したというので、人びとは大いに感謝したと言います。

 そして再びこのような悪党が現れないようにと番犬を飼いました。それがいつしかうるち米の粉で犬や鶴・亀・銚子・盃などや料理を作って、旧正月(旧暦1月15日)の晩に、家の入り口に雪のお堂を造り、また窓や入り口にお供えをしてお祈りをしたのが犬っこ祭の原型と言われています。

 ちなみに、江戸時代中期に東北地方を旅して人びとの記録を残した菅江真澄が、天明5(1785)年の正月を湯沢で迎え、「小野のふるさと」という書に、犬っこまつりの古い様子が描かれているそう。

 曰く、「(1月)15日 けふは鳥追いなりといひもて、しら粥に、もちゐひ入れてくらふ。狗、猫、花、紅葉など、いろいろにいろどりたるかたしろを餅をもて作り、わりこに入れてわらべ、家ごとに持ちはこびたり。これを鳥おひくわし(鳥追い菓子)といふ…」

 どうやらこの祭の原型は、作物を食べてしまう鳥を追い払い方策を願うという庶民の素朴な願いを表したものが元々の意味のよう。

 今のような現代のイベントになったのは昭和39年頃から、と言われています。

 昔の話を聞くと、民俗学の授業を受けているようです。

  ◆   ◆   ◆

 さて、今年の犬っこまつりの会場は、は例年開催されている市役所の横の広場が新庁舎建設のために使えず、駅前広場に移されました。

 会場には雪像がたくさんある…と思いきや、全部が雪の神社と狛犬のようにそれを守る犬っこの雪像です。

 各雪像には制作者の名前が記されていて、市長賞に始まって様々な賞を受賞したプレートも飾られています。

 一番立派な雪の神社は、「犬っこ神社」で、開会式の後にはここで祭の安全祈願祭が行われ、私も玉串奉奠をさせて頂きました。

    ◆   

 まつりの会場では、姉妹都市として釧路の物産販売テントも出させて頂き、海産物を中心に売りさばいていました。

 人気があるのはサンマを糠で保存した「糠サンマ」と、それをピリ辛にした「ピリ辛サンマ」で、店頭に出せばすぐに売れてしまう状態でした。

「明日の分が無くなってしまうので、出し方に気を使います」とは販売のためにやってきた担当者の弁。湯沢の皆さんには、釧路の味を大いに味わって頂きたいと思います。

 秋田出張のお陰で、噂に聞いていた姉妹都市湯沢市の犬っこまつりが見られて良かったです。

 来週になると、今度は釧路市で「地酒を飲む会」というイベントが開かれ、湯沢からの皆さんをお迎えすることになります。

 どうぞお気をつけてお越しください。お世話になりました。

 

【斎藤湯沢市長さんと】

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