北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

お酒にもドラマと物語がある ~ 新十津川町金滴酒造のお酒

2020-07-28 21:46:57 | フライフィッシング

 

 今日は挨拶営業回りで、四月以降コロナ禍のせいで全く回れていなかった留萌~深川~滝川方面へ行って来ました。

 官庁では今でも週に一日の在宅勤務があるために会えなかった方もいましたが、4月の人事異動で替わられた方にはそれなりにお会いできて意義ある営業回りでした。
 
 車で走り回っているうちに、新十津川町で北海道の老舗酒造の一つである金滴酒造さんの本店の近くを通りかかったので、ちょいと立ち寄ってお酒を見て回りました。

 お酒を見て回っていると、なんだかあまり上手ではない字で「金滴」と書かれたお酒とさだまさしさんの写真が目に留まりました。

「このお酒はなんですか?」
「これは歌手のさだまさしさんが揮毫してくださった字を使ったお酒です」

「さだまさしさん!?それはまたどうしてそんなことになったんですか」
「話せば長くなりますがよろしいですか(笑)」「ぜひ聞かせてください」


 そこでお店の方が語るには、明治22(1989)年に奈良県十津川村を豪雨が襲いそのために被災した村に住むことができなくなった住民2500人がこの地に入植したことが現在の新十津川町の始まり、ということは良く知られています。

 実はそのときに十津川村を離れて北海道へ入植しようとした人たちは一度神戸に立ち寄って、そこで神戸の皆さんに大変にお世話になったうえで北海道へと旅立ったというお話があったのだそう。

 そして神戸市が大きな被害を受けた阪神淡路大震災のときに、その復興を助けようと藤本義一さんやさだまさしさんらが声を上げて、親を亡くした子供たちの心のケアを行う施設を作るというので寄付を募ったのだそう。

 そのときに奈良県十津川村の人たちが「先祖がお世話になった神戸が大変だ。うちの村には良い材木がたくさんとれるから100年前の恩返しにそれを寄付しよう」ということになって、「浜風の家」などがその木材を使って建てられた。

 そういういきさつがあったのだそう。

 それをご縁にさだまさしさんは十津川村の観光大使になり、さらにその縁がつながって新十津川町の応援大使にもなってくださいました。

 そこで新十津川町とさださんとがつながって、その御縁が広がって今回金滴酒造のお酒のラベルにさださんが書いてくれた「金滴」という文字が使われたお酒を造って販売しているのだそう。

「お酒に物語があるというのが良いですね」
「うちの社長も、『売り物にはドラマと物語がある方がいいだろう』という方なので、今回はこのようなお酒を造ることになりました。どうぞご賞味ください」

 もちろん一本買わせていただきました。


     ◆


 面白がってさらにお店の中を見ていると、今度は汽車の車両を模したお酒の箱が目に留まりました。

「これはなんですか?」
「これは札沼線を応援するお酒ということで、車両のデザインを使う許可をJR北海道にもらうなどいろいろと手を尽くして作ったお酒なんです」

「そういえば札沼線は廃線になったんですよね」
「はい、それを賑やかに送り出してあげようと思ったのですが、このコロナ騒動で廃線になる時期がどんどん早まりましたし、コロナ禍の最中なのでイベントはそれほど盛り上がらずに終わりました」

「このお酒も残念でしたね」
「はい、でも今でもネット販売ではときどき『送ってほしい』というお客様がいるので、鉄道ファンの皆さんにはお世話になっています」


 聞けば、この由緒ある建物は7月26日に放送された高橋英樹演じる十津川警部が活躍する「西村京太郎トラベルミステリー 十津川警部のラストラン」でも、建物前でロケが行われ、しっかりドラマに映りこんでいるそうです。

 話題性たっぷりの金滴酒造のお酒。

 家でじっくり飲んでみることにします。


 

 

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