道内のある地区の建設業者の社長さんと話をしていて、人手不足の深刻さを痛感しました。
それは、コンクリートポンプ車の運転手が足りなくなるという話です。
この話が出た地区では、今14人のコンクリートポンプ車の運転手さんがいるそうなのですが、もう高齢のために「辞めたい」という人も多く、それをなだめてなだめて、仕事に出てもらっているのが実情。
ところがいよいよ「もう辞める」という人が、一気に3人出そうだ、ということでこの地区ではちょっとした騒ぎになっているのだそうです。
そもそも生コンは、工場で一定の品質のものを作って、それをコンクリートミキサー車で現場まで運びます。
よく後ろのドラムをゆっくり回しながら走っているコンクリートミキサー車を目にしますが、あれは、生コンと骨材が分離しないように撹拌しながら走っているのです。
今日の話題の、「運転手不足」になりそうなコンクリートポンプ車とは、コンクリートミキサー車で運ばれてきた生コンを、現場で高い場所へ圧送する車のこと。
日本でコンクリートポンプ車を操作するには、コンクリート打設用車両系建設機械の作業装置の操作の業務に係る特別教育(講習)を修了していることが必須要件です。
資格はさらに、2級圧送技能士、1級圧送技能士、コンクリート圧送基幹技能者などがあり、現場によっては『1級圧送技能士でないと操作をしてはいけない』などといった規制をしている現場も多くなってきているといいます。
また、そうした資格以上に、狭い現場で的確に圧送用のブームを動かすのは職人技で、一朝一夕に育成ができる人材ではない、とも。
話の相手の社長さんは、「今は、現場に型枠工がいない、と言って不安がっていますが、型枠工がいても、生コンを型枠に入れるコンクリートポンプ車の運転手がいなくなりそうです。この世界は外国人では無理なので困ります」と嘆いていました。
どうやら人材不足も、単なる不安レベルではなく、どんな職業や資格者が何人必要で、それが今は何人いるのか、将来はどうなるのか、を細かく調査しないといけないような気がしてきました。
地方部は、労働力不足、人材不足で暮らしが支えられなくなりそうです。