今夜は孫のお七夜のお祝い。
娘は三日前に退院して、これからややしばらくはわが家へ長逗留して産後の肥立ち、体調の回復に努めます。
お七夜と言うことで身内が集まってお赤飯や尾頭付きのタイのお刺身などの祝膳を用意しました。
無事命名も終えて、やっと我が家族への仲間入りと言うところです。
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昨日の若者たちとの懇談会で印象的だったのは、どの人たちも結婚や子育てに前向きだったこと。
私が「二人目の孫が生まれたんだよ」という言葉に対しては「うらやましいです」という反応が多かったですし、お付き合いをしている彼女とも結婚や交際を真剣に考えていました。
中には、「実は私、先日入籍をいたしました!」とカミングアウトする者まで現れて、場が大いに盛り上がったのは間違いありません。
しかしながら、結婚のタイミングや仕事で一人前になってからじゃないといけないのじゃないか、といった思い込みや不安があって、どう決断したらよいか、ということへの迷いが伺えます。
さらには国家公務員となるともちろん転勤がつきまとうわけで、そのことへの不安や迷いも決断に影を差しています。
振り返ってみると、我々は職員研修などで、やれ「OJTだ」、「求められる人間像とは」とか、「信頼を得るために」などといった、求められる職業人としてのアドバイスはたくさんするのに、それ以前に「組織として職員が結婚したらどのようにサポートするか」とか、「結婚した相手が働いていたら共働きと仕事は両立するか」とか、「子育てについてどのような配慮がなされるのか」といった、具体的なことに対してはまずアドバイスをすることがないのではないでしょうか。
おそらく多分いまだに、そのような個別具体的な事例に対して細かな配慮事項が決まっているわけではないでしょう。
ただ今日、人事を預かる立場の私たちは、子育てや結婚に対しては最大限配慮しなくてはならないな、という制約をひしひしと感じています。女性が「出産・育児休暇を取りたい」というようなときはその他の人事は、無条件でそれを前提とします。
結婚や子育てなどの人生上の悩みや相談ごとについてはかなり入念に希望を聞き取るようにしています。
ただ、そうしたことに対して配慮しているというアナウンスが若者に対して十分になされているかと言うとそうではないかもしれません。これはこれから、組織を考える世代が十分念頭に置かなくてはならないことのような気がします。
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酔った勢いでの私のアドバイスは、「いつ結婚するかなんて悩んじゃダメ。先にまず事実を作ってしまう方が良い。それを前提にして次に仕事や転勤を上司と共に考えるという方が良いと思う」というもの。
「適当じゃないか」と言われるかもしれませんが、中国の古典である"大学"の要諦は、
"修身斉家治国平天下"と呼ばれるもの。その意味は、
修身 = 学んでわが身をしっかりと修め
斉家 = 家をなし(=結婚して子供をつくる)
治国 = 国を治め(るような仕事をちゃんとして)
平天下 = (そうすれば)天下は平和になるだろう
ということです。この順番こそが大切なものの順番なのです。
だから仕事よりも世間よりも、まずは我が身をしっかりと律し、そして夫婦相和して家庭を築く。その人生上の基盤があるからこそ、良い仕事もできるしその結果としての安定した社会が築けるだろうというのです。
若者たちよ、安心して結婚し子供を作ってください。
そこから先は人事担当者の腕の見せ所だし、なによりも、意図しない未来になっても、「それが運命だし人生だ」ということです(笑)。
そんな絶対的積極性さえあれば、大概の苦労は乗り越えられますからね。
さあ、若者たちよこれからのあなたたちの時代を年寄りは精一杯支えるぜ!