私の父には6歳年上の兄、すなわち私にとっての伯父が道東の地方都市にいます。
私もしばらく会っていないのですが、父も同じようにもう数年は会っていないはず。
伯父も父も高齢になりつつあるので、前回実家を訪ねた際に、両親に「ゴールデンウィークあたり、一泊で旅行がてら伯父さんに会いに行かないかい」と提案をしてみました。
もうあまり旅行にも出なくなった父も、「そうだなあ、ちょうどそんなことを考えていたところなんだ。じゃあ兄貴の都合を訊いてみるよ」と珍しく前向きな様子。
返事が来たら、宿の予約をしようと思っていたところ、今日になって父から電話が来ました。
「やあ、兄貴を訪ねる件なんだがなあ…」
「はいはい、いつになった?」
「それが兄が消極的なんだ。義姉さんの調子もあまり良くないのは知っていたけど、『お茶も出せないしなあ』ってな調子で、とうとう会おうとは言ってくれなかったよ」
「うーん、そうなの…」
「だから、今回の旅行はなしにしよう。ま、向こうさんにも事情があるんだろう。いろいろとありがとうな」
「わかりました。そういうことなら仕方がないね」
兄弟でも年月が過ぎそれぞれの生活が長くなると、互いの都合を合わせるのもなかなか難しくなっていくようです。
こちらが会いたいと思っても、会えないときは会えないものです。
逆に言えば、普段当たり前に会えていることがいかに貴重なことであるかを改めて感じます。
久しぶりの友や知人だけが一期一会ではなく、まさにその一瞬一瞬が一期一会なんですね。
会いたい人には会える時に会っておきましょうね、というお話。