駒子の備忘録

観劇記と乱読日記、愛蔵コミック・コラムなどなど

宝塚歌劇宙組『バレンシアの熱い花/HOT EYES!!』

2016年12月16日 | 観劇記/タイトルは行
 梅田芸術劇場、2016年11月18日15時半(初日)、19日12時、16時半。
 森のホール21,23日14時、18時。
 神奈川県民ホール、26日14時、27日15時。
 福岡市民会館、12月3日14時、18時、4日15時。
 宝山ホール、11日12時、16時(千秋楽)。

 19世紀初頭のスペインは、侵攻して来たナポレオン・ボナパルトに王位を奪われ、彼の兄ジョセフがスペイン王として即位したことで、各地で反フランスの声をあげる民衆が蜂起し、政情は不安定であった。バレンシアの領主・ルカノール公爵(寿つかさ)はレオン将軍(松風輝)に謀反の動きがあるとの情報を受ける。同じ頃、前領主の嫡子フェルナンド・デルバレス大尉(朝夏まなと)がマジョルカ島の駐屯地より帰国し、レオン将軍を訪れていた…
 作/柴田侑宏、演出/中村暁、作曲・編曲/吉田優子、寺田瀧雄、河崎恒夫。1976年初演、2007年に再演(同年の全国ツアーでも上演)された演目の三演。

 梅田初日雑感はこちら、松戸日記はこちら、横浜日記はこちら、福岡日記はこちら
 一昨年去年も楽しかった宙組全国ツアーですが、今年も本当に楽しかったです! 
 千秋楽の鹿児島・宝山ホールは35列ほどの客席がすべて一階席で、通路も四本あり、ショーの客席降りでは客電をかなり明るくしてくれて、スポットライトが追いきらないスターもよく見えたし向こうからも満面の笑みの我々がよく見えたろうという、素晴らしい環境でした。もちろん地元でその日初めて観る方、他組ファンで初めて観る方も多かったとは思いますし、そういう方にはもしかしたら歌詞をかき消すくらいの手拍子や歓声は迷惑だったのかもしれませんが、それでもそれを押し切ってみんなを巻き込み一体化し多幸感に浸らせるパワーがあった回だったと思います。まぁ様のショースターっぷりが炸裂したコンサートのようでもあり、本当に今の宙組でコンサート公演が観たい!と改めて思わせられました。
 旅公演は体力的にもしんどいことが多いだろうけれど、誰ひとり欠けることなく無事に千秋楽まで完走してくれてよかったです。みんなたくさんのことを得たのではないかと思います。
 何より嬉しかったのは福岡で削げて見えていたあっきーの頬が戻っていたことで、珍しく二日続いた休演日も熊本の学校訪問などで忙しかったようではありますが、ちゃんと食べて多少はゆっくりできたのかなとか思うともうそれだけで感無量でした。この学年までまったく経験がなかった全ツを一昨年から三年連続、本当によくがんばったと思います。ジェローデルも素敵だったしベルチェは私には苦戦して見えたけれどそれもいい経験だったと思うし、それを踏まえて今回のどんぴしゃのお役を射止めたのなら本当にがんばった甲斐があったというものですし、私も好きで勝手に追いかけていっただけだけど多額の交通費をかけた甲斐もあったというものです!
 改めて、お疲れさまでした、おめでとうございました! たくさん観られて嬉しかった楽しかった!!
 バウ組が千秋楽を迎えたらすぐにタカスペのお稽古でしょうか、そしてクリスマスイブは大劇場公演集合日ですね。『王妃の館』、まだ原作小説を読めていませんが、これまた楽しみです…!

 さて、では、全体の総括的に、まずはお芝居のキャラクター個々とその生徒さんについて。
 主人公のフェルナンド・デルバレス侯爵、まぁ様。バレンシアの前領主の嫡男で、父の不慮の死により爵位を継いだのだと思われます。軍では大尉。父の死は政治が絡んだ暗殺で、刺客はすぐに捕らえられて処刑されたものの黒幕や実情はわからないままで、失意のうちに故郷を離れマジョルカ島に赴任し丸二年の間一度も帰郷しなかったところ、レオン将軍の手紙で呼び戻されるところから物語は始まります。
 暗殺の黒幕が父のあとに領主になったルカノール公爵だと知って、復讐を誓い一計を案じる…というのがこの物語の主軸です。それ以前の彼はおそらく、単なる貴族の御曹司であり快活で明朗な好青年であり軍務を果たす真面目な男であり、おそらくは家同士がまとめた婚約者マルガリータ(星風まどか)を大事に慈しむ、要するに可もなく不可もない、なんということもない人間だったのでしょう。それが、復讐に立ち上がり、本物の恋に出会い、腹心の友を得て、青春を燃やし、そして別離を経験し大人になったところで終わる…という、これは少年の通過儀礼の物語なのでした。
 で、ぶっちゃけ、女にとって息子が父親の復讐を果たすとかなんとかってホントどーでもいい話だと思うんですよ。男性は大好きなモチーフだと思うんだけど、女性はもっと現実的だから、復讐が何も生まないことを知っている。だからこのお話は、その設定からして、第3場までの展開あたりまででもう結末が読める、実は出落ち感があるお話なんですね。だけど柴田先生はそれを宝塚歌劇としてきちんと成立させている、その手腕がすごいと思うのです。柴田先生は女々しい話を描いているから女性観客にウケているのではなく、こんな男性的な構造の物語を女性の心にも響くように描けるから素晴らしいのだ、と私は思っているのでした。
 ですが、脚本が立ち上げたキャラクターに血肉を通わせるのは役者です。まぁ様は素晴らしかったと思います。本来の持ち味が明るく快活で優しくてチャラそうなので(笑)、「素のフェルナンドの生真面目で融通が利かない部分」をうまく演じ、「ルカノールを油断させるために遊び人のバカ息子を装う部分」は地でいって(笑)、けれど何事にも本当は真剣で誠実で真摯に向き合っているのだ、ということはしっかり伝わる、素晴らしい演技であり役作りだったと思います。
 フェルナンドとイサベラ(伶美うらら)の出会いについては描かれていませんが、フェルナンドがイサベラに対して感じたのはその美貌に対する一目惚れだったのかもしれないし、そんな美貌にもかかわらず飾らず素直で温かい人柄に魅力を感じたのかもしれません。少なくとも、遊び人の偽装のためにイサベラを利用した、というようなことはまったく想像させない、なんらかで本当に心が動いてしまったんだろうなと思わせられていたところが何よりいいなと思いました。これはまぁゆうりの芝居の相性の良さもあったかもしれません。どんな理由があるにせよ女を一方的に利用するような男は主人公として受け入れられづらいですからね。まぁ様フェルナンドには真心が見えました。
 フェルナンドが自分の仮面を見抜いたイサベラに改めて感服し、けれどそれ以上のことは問わない優しさと賢さを見せてくれたときに、彼は改めて彼女への愛情を感じ、それで真情を告白してしまったのでしょう。その際にマルガリータの存在を告げることは、嘘がつけない不器用さでもあり、嘘をつかない誠実さでもあり、はたまた将来に関しては社会的に責任が取れないという表明の卑怯でもあるとも取られてしまうと思うのですが、私はこういういかにも現実の男性が取りそうな言動を男性キャラクターにさせるところも柴田脚本のすごさだと思うし、そこをけれど現実の男性以上の魅力を乗せて演じてみせるからこその男役だとも思っていて、私はまぁ様フェルナンドのこのくだりにはけっこう泣かされました。「けれど君への想いに変わりはない!」という叫びに、説得力がちゃんとあったと思いました。
 男ってホント単純で近視眼的だから、たとえばロドリーゴ(澄輝さやと)もそうだけれど、ルカノールを倒したらその結果いろんなことが本当はどうなるのかってことをちゃんと考えていなかったりするんだと思うんですよ。イサベラのことも、今はちゃんと好きは好き、でもその先のことはそのときにまたちゃんと考えよう、くらいに思っていたんじゃないでしょうか。ルカノール刺殺から一夜明けて、ラモン(真風涼帆)にエル・パティオにはもう来ないのか、みたいなことを言われて初めて、事態に気づいたようなところがフェルナンドにもあったのではないかしらん。だからとりあえず「まあ、そのうちにな」なんて濁す。ラモンにイサベラを頼むと言いつつ、そのあと本当のところどうすべきなのか自分がどうしたいのかもよく考えられていなくて、そんなところにイサベラの方から訪ねられてしまう。フェルナンドがイサベラをお城の中に誘うのは単なる時間稼ぎで、彼だって彼女が頷くとは思っていなかったのでしょう。でも彼女がこうまできっぱりと別れを告げてくることは、彼には予想外だったのではないかしらん。ホント男ってどうしようもない生き物なのです。
 現実の世界だったら、イサベラみたいな女はフェルナンドみたいな男の囲われ者としてしばらくは暮らしていき…ってなこともあるんだと思うんですよ。でもこれは柴田ロマンであり宝塚歌劇です。女性キャラクターの方が常に清く正しく美しいのです。イサベラは去り、フェルナンドは残る。
「私のイサベラも…死んだ」は青春の墓標ってことです。自分の心の一部も死んだのです。あとはつまらない大人になって、マルガリータと結婚し跡継ぎをもうけ侯爵家を盛り立て、おそらくはバレンシア領主になりスペイン独立のために奔走するのでしょう。成功し、名誉もある種の幸福も得るのでしょう、けれど心の一部は死んだままなのです。そこからはドラマにならない、だから物語はここで終わるのです。
 ときには涙をボロボロこぼして、天を仰ぎ立ち尽くすまぁ様フェルナンドの孤独…素晴らしいラストシーンだと毎回思いました。

 下町の酒場「エル・パティオ」の踊り子イサベラ、ゆうりちゃん。黒塗りも映え、さらに痩せてスタイル絶品になって、本当に「美しいは正義」とはこのこと!というビジュアルでした。
 でも彼女の素晴らしさはそれ以上にハートがあるお芝居をすること。素の素直さ、人の良さ、温かさ優しさに裏打ちされた、なんとも「いい子」なイサベラ像が本当にチャーミングでした。
 役作りとしては、もっと暗く貧しい育ちを臭わせるような、ヒターノだと虐げられ夜の女だと差別される屈辱をバネにするかのようにして花咲く、強かさな美しさ…みたいなものの方がふさわしかったのかもしれません。そしてウメちゃんのイサベラはその方向だった気がします。持ち味としてももっと野生的かつ理知的なものがありましたしね。そういえばウメちゃんのイサベラは、ラモンを幼なじみ、同郷の頼れる男、家族みたいなもの…としか思っていないにしてもやることはやっているみたいな空気があった気がしますが、ゆうりイサベラとゆりかラモンだとそれはないかなって気がしましたね。ゆりかラモンはゆうりイサベラを本当に大事に愛しているから手が出せない、みたいな。そしてゆうりイサベラはそんなラモンの自分への愛情のことはわかってはいるけれど、逆にそこに甘えて真剣に対応するのを避けているのを容赦してもらっているような可愛いらしさがある印象です。このイサベラは、たとえば極端な話をすれば、マダムの小部屋で枕営業とかはさせられていないのではないかしら…
 フェルナンドとの出会いは描かれていませんが、のちの台詞にあるように、イサベラは彼のことを単なる金持ちのボンボン、金ヅルとして見るようなことはせず、遊び人の様子が仮面であることに気づいてまず興味を持ったのかもしれません。やがてその仮面の陰から窺える素顔とその寂しさ、復讐への暗い情熱に惹かれ、身分違いと知りつつも一歩踏み出してしまったのでしょう。恋多き女、という風情がない分、純粋でまっすぐ、未来のない恋に飛び込んでしまった…そんな空気がありました。恋の甘させつなさを描いた幻想場面のふたりの無重力リフトの素晴らしさは、近年のリフト史に残るものだと思います!
 あとその前の、古い恋の歌のくだりね! フェルナンドが脚をかけた椅子に移るのはいいとして、ときにはその腿にしなだれかかったり、うっとり見つめたり、胸に手を当てる乙女ポーズしたり。甘やかされ飼い慣らされゴロニャンしているにゃんこにも見えたゆうりちゃんのイサベラの可愛らしさ、本当に本当にプライスレスでした!
 そもそも作品そのものが主役カップルの恋よりも男役三人チームの活躍に焦点が当てられているようなところがあるので、イサベラはヒロインとしてはそんなに出番は多くなく、実は大きな役とも言いがたいくらいなのかもしれません。でもその短い小間切れの出番でのお芝居がどれも本当によかったです。ラモンに甘えて抱きついてしまうところも、仕方ないと思うんだよね。アレをヒドい女だズルい女だと責めるのは、世知辛い気がしますよ…
 ラスト、互いの体の形を確かめ合うように激しく、また互いに互いの体の感触を染みこませようとするかのように掻き抱き合い、そして離れて、ふたつ折れになって泣いて泣いて、走り去っていくイサベラは本当に哀れで悲しくて、そして何より美しかったです。
 でもやはりこのゆうりイサベラにはこの恋の記憶は重すぎて、このあとラモンと幸せになれるようには見えなかったかな…またまったく別の出会いに恵まれて幸せになってくれることを祈らないではいられません。ラモンは…ありさフラスキータ(瀬音リサ)がいるから! ホラ!!(^^;)

 「エル・パティオ」の歌い手ラモン・カルドス、ゆりかちゃん。私はヤンキー萌えとか不良萌えとかがあまりなくて、幼なじみ属性にもあまり惹かれないのです。それは家族以上にはなれないしなんなら恋人以上に大事な家族になり得てしまうわけでとにかく恋とは違うものになってしまうだろう、としか思えないので。だから単純にキャラクターとしてロドリーゴの方が好みなんですけれど、ラモンみたいなキャラクター、ポジションの方が好きって人が多いことも理解しています。アンドレとかが人気あるのもそこだと思うし。ツッパリのボス(表現が古い)が雨に濡れた子犬を拾ってたらキュンとするよね実はけっこういいヤツなんだよね、みたいなのですよね?
 で、ゆりかちゃんって、まあ中の人はホントあっきー以上に意外にもゆるくてホント「ゆりかちゃん」って感じなんだろうけれど(ホントのところはもちろん存じ上げませんが)、「真風涼帆」となると「え? オトコでしょ?」って万人がなる希有な個性のスターだと思っています。熱い、濃い、凜々しい、雄々しい、男らしい。だからラモンに本当にピッタリ。話としては下手したらロドリーゴの方が美味しい役に見えかねないところを力業で二番手役にきっちり持ってくる、華と実力があるスターだよなと本当に感心しました。
 イサベラとは同じコミュニティに生まれ育った幼なじみで、小さいころから家族のように育っていて、でもラモンの方はずっとずっとイサベラのことが好きで守ってあげたりちょっかい出したりからかったりプレゼントあげたりいろいろいろいろしてきていて、でもイサベラからは家族愛以上のものはもらえなくて男女としてはフラれ芸みたいなものがもうデフォルトになっちゃってて、ラモンもなかなか脈がないのがわかっているからそうやって笑いにごまかしているんだけどでもラモンの方はいつでも本気で真剣で本当にイサベラを愛していて、でもじゃあ力ずくでものにしちゃうことを考えるかといえばそんなことはなくて、本当に彼女に惚れられたいと思っていて彼女の幸せを願っていて、とにかくずっとそばで見守っている、熱く強いハートの持ち主なワケです。うん、惚れるねフツーなら。でもそばに育っちゃうとダメなんだよ多分、残念!
 ロドリーゴとの決闘騒ぎではなんといってもローリング平手打ちがカッコいいんだかおもしろいんだかでホント毎回ワクワクしました。てか当てたら許さんゆりか!とかは念じていたけどね(^^;)。あそこで「兄貴ィ!」とか囃し立てる闘牛士ガヤたち、ホント可愛かった。ラモンはエル・パティオのヒーローでありアイドルなんだよね。
 おそらく下士官として従軍したことはあってそのときレオン将軍の指揮下にいて、だからまあ確かに「同門と言ってもいろいろある」なんだけど、とにかく腕も立つし男気あるしイイ男なワケです。それになんといってもありさパイセンに惚れられてるんですからね、なかなかナイよ!
 『メランコリック・ジゴロ』を待つまでもなく、星組でぽやぽやしていたころからえもいわれぬユーモラスさがあるというかコメディセンスがあるとは思っていましたが、小部屋で「♪バレンシアのために」を歌うくだりの三人の腕組み場面のおもしろさ、ホント毎回たまりませんでした。でっかい人が真ん中で責め立てられてるのがホントに可愛いんだよね。あとホントにこの三人がみんな違ってみんなイイ。千秋楽のオーバーアクションも素晴らしかった!
 もうひとつのユーモラス場面、セレスティーナ侯爵夫人(純矢ちとせ)に対して畏まりすぎて言葉使いがおもしろくなっちゃうところと、そのあとの駆けつけてきたマルガリータとフェルナンドの間の空気を読まないところも、毎回絶品でした。千秋楽ではまぁ様がなかなかつっこまないものだから
「イヤ俺は! …イエわたくしは! …わたしは…自分から…自分自身で…旦那に…自分で…」
 とかホントいい感じにしどろもどろになっちゃってて、なんならせーこもちょっと笑っちゃってて、まぁ様が「よくがんばったな!」って切り上げるというヒドさ(アンタが溜めたくせに!っていう、ね)! 爆笑でした。
 続くマルガリータとの場面では、いつもの「おやおやぁ?」みたいな顔から、両手挙げて(片方怪我してるのに!)目に翳してでも指の間から覗いて事態を見守ったりして、ゆいちぃ執事が咳払いしながら扉を離れて部屋の真ん中まで呼びに来るくらいで、これまた「俺、帰るよ!」にまぁ様が「気をつけて行けよー、ちょっと長かったぞー!」ってつっこむという、爆笑展開でした。そのあとちゃんと歌ったまどか、エラかったよ!!!
 この、ラモンがマルガリータの存在を知っても、あるいはロドリーゴがイサベラの存在を知っても、ふたりともフェルナンドを責めたり彼から離れたりしないのは、相身互いみたいな男同士のなれ合いというのもあるけれど、やっぱりフェルナンドの生来の真面目さ、誠実さをふたりがちゃんと理解しているからなんだろうな、と思います。あんなお嬢さんがいるのにイサベラに手を出したのか、なんてフェルナンドに怒ったりしないラモン、いいよね。
 そして彼だけが「瞳の中の宝石」をひとりだけで歌う。ハモってくれる相手がいない。でもだからこそ聴かせてくれました。歌もそれこそ星組時代からしたらホント良くなったよね…!
 あとはラモン、お願いだから、このあとも遠慮せず城を訪ねてロドリーゴを誘ってあげてください! しつこいんでしょ!? しつこくしていいから!! 隅っこで泣いてふさいでグズグズしていてもムリヤリ引っぱり出して! でないとあの人ホントにダメになっちゃうと思うから…そしてまかあき展開してください、需要あると思うんだよね…!!(脱線)

 ロドリーゴ・デ・グラナドス伯爵、我らがあっきー。と、その初のお相手役、シルヴィア・ルカノール侯爵夫人ららたんに関してはあとに回しまして、マルガリータまどかちゃん、レオン将軍の孫娘にしてフェルナンドのフィアンセ。清らかな少女。
 何度も書いていますが私はこのキャラクター、ないしこのポジションのキャラクターが本当に大好きで、そして今回のまどかは本当に現時点でのベストまどかだったと思うのですよ。ヘンに背伸びをさせられたりニン違いのものをやらされたりしていなくて、でもこの役を妙なぶりっ子に見せたり必要以上のウザさを見せたりしてはいけなくてその難しさに十分応えていて、娘役力が上がったと思うんですよね。力量があるのはわかっているだけに、こういう経験、段階をちゃんと踏んで、ちゃんと育てていただきたい娘役さんです。
 公演後半はソロに拍手が入るようになって嬉しかったなあ。それからは率先して切ってましたけど(^^;)。でもショーの客席下りで間近で見たらお化粧はまだまだだったぞ…がんばれ!

 ルカノールすっしぃさん、りんきらでも観たかったけどとりあえずさすがではありました。夜会でロドリーゴの肩にただ置く手がもうそれだけで嫌ったらしいってホントどういうことなの!? 逃げてロドリーゴーーー!って叫ぶよねあそこは。私たち仲間内の妄想ではルカノールは兄嫁、つまりロドリーゴの母親に以前横恋慕しててでもフラれて兄に取られちゃってそれを恨んでいて、だから兄の死にもなんらか荷担しているんだろうし(ちなみにこの兄嫁は病死してそう…ロドリーゴめっちゃかわいそうだな!?)、シルヴィアのことも甥の恋人だと知っていてわざわざその父親に言いがかりつけて反逆罪でとっ捕まえて許す代わりにシルヴィアを娶り甥から奪ったんだよね絶対、となっています。前妻との間にも嫡子がないんだし他に養子にできる私生児がいるようでもないから彼が種ナシなんだよねなのにシルヴィアにプレッシャーかけてヒドい男だぜ! あと甥が苦しむのを見て楽しんでるんだよねうんそれはわかるぞ! あとルーカス(蒼羽りく)は絶対お稚児さんですよねすぐ呼びつけちゃうし地下まで探しに来ちゃうもんねホントいつも地下でどんなプレイをガクブル…(脱線)
 ルカノールの腰巾着その1、バルカ(凛城きら)りんきら。ちょっと役不足ではあったと思うのだけれど、素晴らしいゲスっぷりでした。ローラ(華妃まいあ)に平手打ちし返すときにあんなに振りかぶるなんて、ホント男の風上にも置けません。黒い天使に襲われて最後はラモンに止めを差されるところのへっぽこぶりも素晴らしかったです。
 腰巾着その2、カサルス(美月悠)さお。憎々しげな、一癖ありそうな、でもいかにも小者な悪役っぷりが鮮やかで、上手くなったよねえぇってこれまた感心しました。私はさおの声が好きなんですよねえ。あっきーに斬られるところはニヤニヤしちゃったわ、普段は大の仲良しなのにねえ。
 ところで「ルカノールにお気に入りの悪党ども」みたいな台詞の「に」がいいよね、「の」じゃないの。古風なの、ゆかしいの。
 ルカノールの近衛隊長ルーカス大佐、りく。私はたとえば『相続人の肖像』とか、りくのお芝居が本当にハートフルでもともと大好きでしたが、今回は本当に感心しました。こんな慇懃無礼な、アクの強い役をきっちり務められるようになっているとは…! 首実検にデルバレス邸に踏み込むくだりとかホント絶妙だし、ホルヘ(星吹彩翔)死後のドン・ファン(瑠風輝)もえことの殺陣は身体能力の高い者同士で本当に鮮やかで素晴らしい。その前のドン・ファンとの「別口ですよ、別口」の際にお財布を仕込み忘れていたことが何度かあったのは目をつぶろう!(笑) あと「馬鹿者! 両方だ」でちゃんと笑いが取れているの、ホント素晴らしかったです。あと歌わせなかったのも正解かと…(小声)
 そしてホルヘ、ルカノールの密偵。モンチの上手さは安定ですよねえ。シルヴィアに対する優しさも印象的でした。

 フェルナンドの母親にして前領主の妻、セレスティーナせーこも今さらながらに本当に上手かったです。女王役、怖く強い女の役はお手のものとなった感がありますが、今回の情愛あふれる母親役もとても素敵でした。ルーカスに踏み込まれたあと、フェルナンドが「母上、申し訳ありませんでした」みたいに謝るのが私は本当に大好きで、彼の育ちの良さ、家族に対してであってもきちんとふるまうお行儀の良さが窺えますし、彼をそう育てたのはまぎれもなく彼女なんだなと思いました。
 レオン将軍まっぷ―、退役後もなお尊敬され人望ある老伯爵。私はたとえば『Shakespeare』のウィルパパとかは声が軽くてあまり感心せず、老け役は無理なんじゃないかなと危惧していたのですが、今回のお芝居の陰の功労者だと思いました。本当によかった! フェルナンドがさっさと杯を開けちゃうことにむせるお芝居、ホント上手かった…!! ドン・ファンとデキてるかもしれないことには目をつぶります(ホント腐っててすみません…)。
 ドン・ファン・カルデロ、泥棒さん。いわゆる義賊なのかな、「親しくさせていただいている」将軍との出会いにはいったい何があったんでしょうかね? こんな影のタイクーンみたいな人相手に可愛げ見ちゃうワケですからね? それはともかく、もえこはがんばっていけれど、ホントはもうちょっと洒脱さを出すか、でなきゃ全然違うアプローチをして、ラストにホルヘの息子だと発覚したときの「ああ、なるほど」を求めるような若く青い役作りにする、とかでもよかったのかもしれないと私は思いました。期待のホープです、がんばれ!
 レオン将軍邸の執事アントニオ役の朝央れんがまた、いい存在感でいい仕事していて、正しい使われ方だと思いました。

 マルコス(秋音光)あきも、シルヴィアの弟。あきもにはやや役不足だったかもしれません。でもおっとりいい子っぽい空気が出ていてよかったです。レアンドロにナンパされたのか? イロイロ気をつけろよ!?
 そのレアンドロ(春瀬央季)、かなこ。尺の都合だとは思いますがホントになんにもしていないのにいいとこ持ってくのがホントかなこっぽいわ!(笑) レオン将軍にマルコスを紹介するくだりが親に新しい恋人を紹介するようなキラキラさ加減だとお友達が言っていて、以後もうそうとしか見えなくなりました(^^;)。あとホントにムダに美しいよね…!(ムダ言うな)
 しかし何故「君の友人のレアンドロ」なのか、という話にこれまたお友達たちとなったのですが、フェルナンドもロドリーゴもレアンドロも士官学校の同期だったりするんじゃないの? そんでレアンドロがフェルナンドを口説いて断られたりしたんじゃないの? そのときロドリーゴはまだポヤポヤしていてレアンドロのお眼鏡にかなわなかったんじゃないの? そんでロドリーゴがなんにも気づいていないようだったのでフェルナンドも黙ってて表面的には友人としてつきあい続けてきたんだけれどそこには温度差があって、それでこの台詞なんじゃないの? とかとか。なのでこのお話のあとレアンドロがお城にロドリーゴを慰めに行くとイロイロあぶなさそうなので、やっぱりラモンが遊びに行ってあげてください!!!
 バルバラ(花音舞)、きゃのん。エル・パティオのマダム。こういう役どころはお手のものですよね。上客ロドリーゴに対するあしらいが本当にわかるわーって感じで、上手かったです。
 フラスキータ、ありさ。エル・パティオの踊り子、ラモンやイサベラの仲間。「そんなラモンがいいのよ」も印象深く、祭りの場面でもいろいろ小芝居していましたね。このお話のあと、さてどうなったのでしょうか…
 ダンサー枠であいりちゃんとまりあちゃんがよく起用されていたのも、全ツならで楽しかったです。
 しーちゃんは博多座『王家』から考えたらちょっと残念でしたが、お祭りの場面のトリオの美声はさすがでした。
 ラモンの妹ローラはまいあちゃん、幻想の歌手も素晴らしかった! バルカに唾を吐くところは啖呵が最後までピリッとしないままに私には見えましたが、まあなかなか難しいんだろうな。
 りらはどこにいても可愛い、可愛いんだがホントに役がつかないなあ…がんばれー。

 下士官たちの台詞が日に日にクリアになり、小芝居が深くなっていくのには本当に目を見張る思いでした。酔ったあーちゃんの雑なキスの迫り方がおもろかったなあ…ナベさんやりりこも印象的でした。

 さて、では、最後にロドシル語りを。
 というか今回の作品の陰のMVPはシルヴィアららたんではあるまいか。ロドリーゴの元の(公式?には別れたことなどないのかもしれませんが)恋人、今はロドリーゴの叔父ルカノール公爵の後妻。マルコスの姉。
 ららたんシルヴィアのお芝居が素晴らしいからロドリーゴが引き立ち、ロドリーゴとシルヴィアのカップルが美しく立ち上がるからフェルナンドとイサベラ(とラモン、とマルガリータ)のせつなさが際立つ。そういう構造になっているなと思いました。
 新公ヒロインをやっているとはいえバウヒロイン経験はない下級生娘役としては、かなり大きなお役だったと思いますが、ららたんはできると思っていましたよ! しかしそれ以上に本当に本当によかった。あの声、あの吐息、あの風情、あの仕草、あの身のこなし。美しくたおやかで艶やかで可憐で、悲しそうで色気があって、たまりませんでした。
 だから、ロドリーゴがプンスカ怒っているのが冷酷に見えすぎない。彼もまたつらいんだな、と思える。シルヴィアのまとう空気を反映しているんだと思います。初めてのお相手役がららたんでよかったね、あっきー!(初めてのちゅーのお相手まぁ様はここではノーカンとさせてください)
 本当に、何があったか知らないけれど、ルカノールの口車にうかうか乗ったのかはたまた首都で学ぶということに一応の野心や功名心があったのか、はたまたシルヴィアとささいな喧嘩でもして我を張ってちょっと距離をとりたかっただけなのか、とにかく正式な婚約もせずマドリードに行ったロドリーゴが悪い。知ったときには遅かったのもしれないけれど飛んで帰ってきた感じでもないところ(ルカノールとシルヴィアの結婚がいつだったのかはよくわかりませんが、ロドリーゴの帰郷の直前という感じはしませんよね?)もロドリーゴが悪い。驚いたし怒ったし、でも叔父に正式に抗議したり問いただしたりできないのも、仕方がないとはいえ情けない。でもあきらめられずにスネてグレている。で、シルヴィアに当たるかのように冷たい態度をとってしまう。「叔母と甥」とか口では言いながらも本当は、そんな親族として心優しく温かい関係に収まる気なんかないのに。
「この頭を岸壁にでも~」というのはさすがに大仰な台詞なんだけれど、私は前楽で初めてああ、このときのこの感情に似つかわしい表現なんだな、と腑に落ちました。わりと前方ででも端で、という席からだと、「宝塚グラフ」のステージサイドなんちゃらみたいなページのような(定期購読していないものでタイトルが怪しくてすみません)横からの表情がよく見えて、向かい合ってしゃべっていたり一方が他方に背を向けていてでもその人はその背を見ている、みたいなお芝居での表情が実によく追えて、キャラクターの感情が手に取るように伝わったのです。個人的にはこの回がベストアクトだったかなあ。
 育ちがよくて、おっとりしていて、好きなこと以外にはあまり興味がない鷹揚さがあって、意外と頑固、というのが中の人の素の性質かなと思っているんですけれど、それがロドリーゴ像にも表れているんだな、と思いました。加えて、ちょっと傲慢そうだったり神経質そうだったりにも見えるんだけれど、それは演技とビジュアルから立ち上がるものなのかな。で、とにかくロドリーゴには、フェルナンドやラモンにはあるしなやかさ、柔らかさがなくて、頑ななところが特徴になっているキャラクターなんですね。その対比が素晴らしいし、まぁ様やゆりかちゃんと比べて言ったらやっぱりあっきーが硬い、いい意味でも悪い意味でもそうだと思う。剛の者、という意味ではなくてね。でもそのバランスが絶妙なんだと思います。
 そんな硬いロドリーゴが、シルヴィアに対してだけは溶けるワケです。溶けて甘えて、だから痴話喧嘩もするしスネてグレてるワケです。そこがいい。そしてららたんシルヴィアはロドリーゴにそうさせるのも納得の魅力に満ち満ちています。
 ふたりの「瞳の中の宝石」は、たとえばえりあゆお披露目『ベルばら』でチエテル特出回を観たときにも今宵一夜で「ああ、この”愛あればこそ”ってすでにここでしている歌なんだな」と思ったものでしたが、まさしくそれでしたよね。愛し愛される喜びを歌いあげるキラキラしい場面でもありますが、一度気づいて観るとららたんが本当に官能に震える演技をしていて、もうそうとしか見えないのですよ!
「♪瞳の中に宝石が見える」と歌いかけられて振り返って、柱プレイ(笑)からの頬を撫でられて…が、あっきーの指が優しくて美しくてエロい、ってのもありますが、それに反応するららたんがもう完全に陶酔していて完全にR-18。「♪紫のしずく」ってなんだろう!?てなもんですよ。で、「♪君こそ私のものだ」で後ろから抱き寄せられるわけですが、まさしくモノにされちゃっているワケですよ! きゃあ~あいいのかしらこんなものを生で観てしまって!!!
 それからするとあっきーが仕事しているのはロドリーゴだけのCメロ(「♪瞳の中に~」がAメロ、「♪愛している」がメロってことです)だけなのかもね(^^;)。でもこの短いパートが本当に素晴らしいよね、ロドリーゴにだけ与えてくれてありがとうございます!としか言えません。歌詞も短調のメロディも素晴らしい。苛まれた夜ってどんななの!?!?(逆上)
 とにかくそれ以外の部分は本当にららたんに照らしてもらって輝く月のようでしたよ…男にしてもらえたんだね…(ToT)
 あ、千秋楽のキスがものすごーく長かったのは罪輝さんのお仕事ですね! かてて加えてそのあと顔を見交わして微笑み合ったときに「はあっ」って吐息つきましたからね完全に有罪です。『エリザ』の「闇広」銀橋での吐息もたいがいだったけど、もう、もう…!
 どんなお稽古をして、どんな話し合いをして、どんな役作りをして臨んだのかなあ。入り出やお茶会がなくて話が聞けなくて残念でした。でも舞台写真のセレクトがほぼ満点で、それはホントに感謝したいです…私はららたん単独でも大好きなのだけれど、こういうことでもないと舞台写真なんかなかなか出してもらえないから、本当に嬉しかったです。
 シルヴィアはどんなふうにして亡くなったのでしょうね、ロドリーゴはそれをどんなふうにして発見したのでしょうね。毒をあおった? 身を投げた? 短剣で胸を突いた?
 遺書は残したのでしょうか。でもたとえそうしたものがあっても、ロドリーゴにはシルヴィアの心情が理解できなかったかもしれませんね。ハケ際のあのららたんのなんとも言えない表情を、ロドリーゴは見ていないのですからね…地下道から上がってきたときにそれはそれは大事そうに肩を抱き寄せた、それが最期だったのですからね。そしてシルヴィアは燃え尽くした思い出を胸に、ひとり死んでいった…ロドリーゴがこうまで頑なな人だからこそ、それでバッキリ折れてしまうことが心配でたまりません。
 だからこそ頼むラモン! 再三言うけどお城に遊びに行ってやってくれ! それかエル・パティオに引きずり出して自棄酒につきあってやってくれ! で、ロドリーゴが酔いつぶれたらお姫様だっこして送って帰って「星が綺麗だ…」ってやってくれ!(それは『ベルばら』) そんなまかあき展開ならうっかり薄い本を出しそうな自分が怖いです…シルヴィアが成仏できないかしら…
 幻想場面での笑顔や晴れやかなダンス、ルカノールを倒して迎えた朝の憑き物が落ちたような優しいおちつき、あれが本来のロドリーゴであり、シルヴィアが愛したロドリーゴなんですよね。それはシルヴィアの死によって再び曇らされてしまう。それをを晴らす新たな出会いが彼にもまた訪れることを、祈らないではいられません。
 でもホント、まぁゆうりのお芝居が本当に良くて、フェルナンドもうイサベラ追っかけていっちゃいなよ、マルガリータの面倒はロドリーゴが見るよラモンにはフラスキータがいるよと思ったときもあったよね…それはそれでアリだったとも思うんだけれどね…
 はあ、せつない。演出が古かろうと、ドラマツルギーとしてはやはり不朽の名作なのではなかろうか、と思う作品なのでした。復讐が何も生まず、因果は往訪し、青春は終わり「私のイサベラ」は死に、しかしそれでも人は生きていかなくてはいけないのだ…という人生の真実が描かれているから。それが甘くせつなく美しく、極上の宝塚歌劇として構築されているから。
 もともと好きな作品でしたが、このタイミングで、このキャストで見返せて、本当に幸運でした。ありがとうございました。


 ダイナミック・ショーは作・演出/藤井大介。
 ウィザード、ウイッチはすっしぃさんときゃのん。でもすっしぃさんはやはりダンサーだし、今の声今の歌い方で歌手として起用するのはしんどいと思います。りんきら、それか娘役ふたりにしてしーちゃんとかでもよかったと思うなあ…
 プロローグのみりおんポジション、レディ・アイはゆうりちゃん。最初の歌のキーがもんのすごく低かったのはご愛敬、「チャーミングアイズ、カモォン!」の呼び声がホントにどんどんイイ感じになっていって、もうヒュー!って感じでした。まぁ様との映りも本当にお似合いでしたね。
 ここではもちろんあっきーとまどかちゃんのカップルをガン見でしたが、片足上げて絡める振りでのまどかの太腿がホントいい感じでした。タンゴパートでは基本的にはキリッとクールに踊っているのに、ときどきお互いに笑顔を口元にひらめかせ合うのがたまりませんでした。
 ジャンピングアイズではみりおんポジのジャンピング・ドールはまどか。みりおんでは細すぎて貧相に見えかねなかったダルマ網タイツが、まどかの脚だともうバン!としててバッチリで、見応えありました。
 ここではあっきーはららちゃんとカップル、ニッコニコで可愛い! エビちゃんほどではなくても身長差もあるのもカワイイ! ロケットパートでは隣がりりこなのにもニマニマしました…!
 ダークアイズは美穂さんのところがせーこになって、あとはママかな。さおかなこは本当に全ツにいくつ鬘持っていったの?という多彩な美しさを毎度見せてくれていました。まぁ様の付け毛はずっとないバージョンでしたね。大劇場初期にはゆりかがかなりまぁ様に体重をかけていた振りも、今回は脚を絡める振りに変更されていて、負担は減って妖しさが増したのでよかったと思います。
 中詰めとっぱしのあーちゃんともえこの歌は、最後まであまりクリアにならず残念でした。エトワールのハーモニーはあんなに素晴らしいのになあ、キーが合わないのかなあ? ららとまいあではまいあの方が圧倒的にダンサーだと思うのだけれど、ららも千秋楽では肩とかすごく見せ方が上手くなっていて目を惹きました。いいぞいいぞ!
 ゆりかが娘役をはべらかし放題のあとはあっきーとしーちゃん、りくとゆうり、せーこの「め組の女」。いい感じにチャラくていい気になってる感があってホントよかったわー。でもしーちゃんともっと絡んだりハモったりもしてほしかったわー。
 まどかの「天使のウィンク」は正義! ここもみりおんではやや苦しく見えましたからね。アイドルチックなりんきらやかなこが絶品でした。
 からの、まぁ様の「アイ!」の掛け声が各地の地名になった「ダイヤモンドアイズ」(千秋楽では伴走を長く止めて、「みなさん今までありがとう」「ラスト・じゃじゃ馬イン鹿児島ァ!」でしたからね、ホントにコンサート会場と化した歓声でした)。かけるの代わりにモンチがこれまたダイナミックに踊っていて素敵でした。
 からの「キッスは目にして」、各地で「○○のみなさん、こんにちはー」と煽るまぁ様に応えるの、本当に楽しかったなあぁ…りんきらと笑い合うあっきー、よかったなあぁ…
 すみっコ5もホントいい気になっててよかったなあぁ…
 ジャガーの愛ちゃんのところに入ったりくはさすがのダンサーっぷりでした。焼きそば焼くのが上手そうなゆりか兄にお釣りの計算が駄目そうな弟りく、とかが想像できちゃって愛しかったよ!
 ここのリフトは若干重そうで、ああみりおんって素晴らしいんだな、と思いました。
 ここで美穂さんパートを務めたゆうりちゃんは本当に女神で立派でした。そこからのまぁ様ノクターン、裸足から靴になっても踊りのなめらかさ、神々しさは変わらず、素晴らしかったです。
 そこからのゆりか釣り場タイム! こちらも各地で「Tokyo City Lights」を地名に変えて、「♪罪に堕ちていくのさ」の振りも素晴らしく、いつでも会場全方位に投げキスして曲ギリギリに舞台に戻る…大スター様でした。
 ロケットボーイはそらからあきもに変わりましたが、体幹のしっかりしたダンスに毎回見とれました。あーちゃんがバリバリ決め顔してくるのも愛しかったですね。
 ゆりかが娘役をはべらかし、それを蹴散らすようにまぁ様率いる男役が現れ、そこから流れるように優雅な三組デュエダンに展開する…目が足りない! まいあカワイイ!! まぁ様のお衣装が白に変わって、紫グラデーションの3カップル感が減じたのは残念でしたが、あでやかなダンスで楽しかったです。一列になるときにまぁ様にいい笑顔を見せるあっきーがまたホントに可愛くってねえ…!
 エトワールはあーちゃんともえこの極上ハーモニーから。あっきーもセンターひとり降り、ありがとうございますありがとうございます(ToT)。でもゆうりちゃんとまどかはゆりかの前に降りるのは当然として、お衣装も完全にお揃いでもいいんだけど、一応学年も鑑みて同列上手下手の並びではなく、まどかが先、ゆうりがあとの降りでもよかった気はします。
 まぁ様の大羽根にはどの会場でもどよめきが起きて、誇らしかったです。カテコは初日は「めっちゃすっきやねん!」、千秋楽では「最高だが!」と方言シリーズでコールできて、本当に楽しかったです。拍手をいいとも切りして「めっ!」のポーズで締めるまぁ様の千両役者っぷりには本当に震えました。
 さんざんウダウダ言ってきましたが全ツにショーがあるのは正解だし、そういうときにダイスケショーはわかりやすくていいよな、と思いました。
 みんなもう翌日昼前には鹿児島空港で目撃されていて、観光もしないで帰るんだ大変だな、と話を聞くだけで涙目になりそうでしたが、また次の公演に向けて英気を養っていただければと思います。
 本当にお疲れさまでした、各地あちこちでバッタリしたらご一緒したりしてくださったお友達たちもありがとう! 理性チャック全開トークのために打ち上げに個室を予約したのに、スパークしたのは駅前の路上だったこと、忘れられません…!(笑)
 なんか書き漏らしていることもたくさんある気もしますが、とりあえず今回はこのへんで。





 
コメント (3)
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