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駒子の備忘録

観劇記と乱読日記、愛蔵コミック・コラムなどなど

高田郁『八朔の雪』(ハルキ文庫)

2010年01月02日 | 乱読記/書名は行
 神田御台所町で江戸の人々には馴染みの薄い上方料理を出す「つる家」。店を任され、調理場で腕を振るう澪は、故郷の大坂と江戸の味の違いに戸惑いながらも、天性の味覚と負けん気で日々研鑽を重ねるが…書き下ろし連作時代小説。

 料理と人情、江戸の世話物、はっきり言って鉄板のネタです。しかし朝の通勤電車の中で、読んでいて私はボロ泣きしてしまいました。わかっちゃいる展開なのに、美しい、愛しい、悲しい…とてもよくできていると思います。
 別にハーレクインのようにシンデレラストーリーにならなくてもいいんだけれど、お医者の先生と謎の浪人ふうのお武家さまとが、ヒロインを取り合うシリーズ続巻をぜひよろしくお願いしたいところです。
 女友達がそこに絡んでも可(^^)。でも、これ見よがしではない、けれどロマンスを期待させるキャラクター、人間関係がきちんと描けているところはほめていいところだと思うのです。
 著者は宝塚市出身で、漫画原作者としてデビューしたあと、小説家に転身した人のようで、生年が公表されていませんが、私とは同世代なんじゃないのかな。そういう点もついつい期待してしまうポイントかと思います。書店チェックして、次の巻も抑えなければ…
 ところでこういう世話物も宝塚歌劇で見たいなあ…史実もいいけど、藤沢周平とかやっているわけですからね、ぜひ。
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