東京から引っ越してきた椿は、春休みに街で出会った一颯先輩を好きになった。一颯と「普通の幸せな恋」がしたいと、椿は手紙を渡して告白する。しかし、耳が聞こえない一颯は、そのことを知った椿を冷たく突き放し…
この2年ほど「別マ」で追っかけてまで萌え萌えで読んできた連載です。完結3回前くらいかな? もうすぐ完結、みたいなアオリが出たときには「うわっ、イヤいいんだけど、長すぎてぐだぐだになるより全然素晴らしいんだけど、でも潔すぎない!?」と動揺し、その後もお話がけっこうシビアに展開しているように思えたのでどんな最終話になるのか不安で泣きそうになり、いざ最終話を読んだらとても綺麗にまとまっていてでもできすぎで興醒めとかもなく本当にキュンとして感激して、うっすら泣いちゃいました。
トータルで見れば、長い目で見れば、そんなにものすごくよくできた歴史に残る名作、とかではなくて(すみません)それこそ「普通の」佳品なんだと思うのですが、そういうところもよかったです。私は初めて読んだ作家さんですが、過去に巻数のついたタイトルが二作ほどあるようなのでド新人さんではないようですね。オマケコラムもなかなか味があったので(ちなみにオマケ漫画もとてもよかった)、次回作にも期待したい漫画家さんです。
ちょっと前、主に青年漫画なんかで、いわゆる障害者をモチーフにした作品が続いたり話題になったりしたかと思いますが、この作品はそういうところに主眼がある物語ではありません。作者も当事者とかではないようだし、何か強い意識があってこの設定を選択したわけではないようでした。ヒロインもまた心臓移植の経験者という設定になっていて、「健常者じゃない者同志」という意味では「普通の」カップルの恋物語と同じ、と考えることもできるから、というのも、あります。
でも、ヒロインの椿には普通じゃない病気をしたことがやはり大きな経験で、だからこそ「普通の幸せな恋」がしたかったのでした。けれど一颯はそんなことを知らなかったので、そして未だに自分が耳が聞こえないこと、「普通」でないことに違和感を持っていたので、「普通に幸せになってね」と椿の告白を断ったんだと思います。これは、そういうところから始まる物語でした。
一颯の耳が聞こえなくなる前から、家がお隣で幼馴染みで友達で、それはずっと変わらなかった桜介にとっても、今や「優しいね」とか「親切だね」とか言われたりして、そういうことに違和感を持っています。そして今までも、今でも幸せだと思っていたのに、一颯に「今まで幸せなんて思ったことないよ」と言われて傷つく。だから、「普通に」幸せであろうとする椿に惹かれていくのでしょう。それ以前に一颯を想っているようなフリがあったときには「これでさらに同性愛も持ち込むのはハイカロリーすぎるのでは…」と思ったものでしたが、あの感情はむしろ、恋愛を知る以前の、一颯に自分を同化して想うようなものだったのかな、と思います。無口なせいもあって大人っぽく見えて、だから経験豊富で遊び人に見られる…という(笑)桜介ですが、きっと椿が初恋なんですよね。いじらしいし、せつないし、まぶしかったです。だからこその最終話…! 泣いたね。
どんな恋も、せつなくて、しんどくて、でも楽しくて、幸せで、そういう意味ではそれが普通であり、まただからこそひとつひとつの恋が唯一無二で特異なのでしょう。青春も、人生も…そんなお話でした。
椿のクラスメイトや部活の仲間、桜介のクラスメイトの男子なんかの、がっつりキャラ立てして話に絡むようなこともないし名前もほとんど出てこないくらいなんだけど、ちゃんと描き分けられているし存在している、って在り方がとてもよかったなと思います。それは椿の妹の梓も同様で、そして家族特に兄弟に病人がいることって子供にはとても負担で影響が大きくて見過ごせないことなんですけれど、それが最終話でああいう形で回収されていて本当に感動しちゃいました。誰もがカップルになったりまとまったりするのはできすぎですけれど、でもこの展開はよかったと思うのです…!
もちろん主人公たちのハッピーエンドっぷりもよかったです。遠距離恋愛ってやっぱり難しいと思うし、学生時代の恋愛と結婚ってまた別だろうと思うんですけれど、できすぎすぎずに(変な日本語で申し訳ありませんが、意図は通じると信じたい)綺麗につながって物語として綺麗に終えられて、これまた感動しちゃいました。6年ってすぐっちゃすぐだし、今の子はカタくて結婚が早いからな!(ババアな発言)
あとは1巻のカバーイラストが失敗していることだけが残念です…絵が固まっていない時期に描いたものなのか? 予告カットの流用なのか? キャラの顔が違いません? 作品の雰囲気を表しているとも言いがたい気がして…2巻が一番好きかな。あと、今は束がない、つまりこっそり割高なコミックスが増えているけど、これはきっちりページ数があるのも評価したい。やっぱ読みでが全然違うと思うんですよねー。でももう少なくなっていくんだろうなー、残念です。
この2年ほど「別マ」で追っかけてまで萌え萌えで読んできた連載です。完結3回前くらいかな? もうすぐ完結、みたいなアオリが出たときには「うわっ、イヤいいんだけど、長すぎてぐだぐだになるより全然素晴らしいんだけど、でも潔すぎない!?」と動揺し、その後もお話がけっこうシビアに展開しているように思えたのでどんな最終話になるのか不安で泣きそうになり、いざ最終話を読んだらとても綺麗にまとまっていてでもできすぎで興醒めとかもなく本当にキュンとして感激して、うっすら泣いちゃいました。
トータルで見れば、長い目で見れば、そんなにものすごくよくできた歴史に残る名作、とかではなくて(すみません)それこそ「普通の」佳品なんだと思うのですが、そういうところもよかったです。私は初めて読んだ作家さんですが、過去に巻数のついたタイトルが二作ほどあるようなのでド新人さんではないようですね。オマケコラムもなかなか味があったので(ちなみにオマケ漫画もとてもよかった)、次回作にも期待したい漫画家さんです。
ちょっと前、主に青年漫画なんかで、いわゆる障害者をモチーフにした作品が続いたり話題になったりしたかと思いますが、この作品はそういうところに主眼がある物語ではありません。作者も当事者とかではないようだし、何か強い意識があってこの設定を選択したわけではないようでした。ヒロインもまた心臓移植の経験者という設定になっていて、「健常者じゃない者同志」という意味では「普通の」カップルの恋物語と同じ、と考えることもできるから、というのも、あります。
でも、ヒロインの椿には普通じゃない病気をしたことがやはり大きな経験で、だからこそ「普通の幸せな恋」がしたかったのでした。けれど一颯はそんなことを知らなかったので、そして未だに自分が耳が聞こえないこと、「普通」でないことに違和感を持っていたので、「普通に幸せになってね」と椿の告白を断ったんだと思います。これは、そういうところから始まる物語でした。
一颯の耳が聞こえなくなる前から、家がお隣で幼馴染みで友達で、それはずっと変わらなかった桜介にとっても、今や「優しいね」とか「親切だね」とか言われたりして、そういうことに違和感を持っています。そして今までも、今でも幸せだと思っていたのに、一颯に「今まで幸せなんて思ったことないよ」と言われて傷つく。だから、「普通に」幸せであろうとする椿に惹かれていくのでしょう。それ以前に一颯を想っているようなフリがあったときには「これでさらに同性愛も持ち込むのはハイカロリーすぎるのでは…」と思ったものでしたが、あの感情はむしろ、恋愛を知る以前の、一颯に自分を同化して想うようなものだったのかな、と思います。無口なせいもあって大人っぽく見えて、だから経験豊富で遊び人に見られる…という(笑)桜介ですが、きっと椿が初恋なんですよね。いじらしいし、せつないし、まぶしかったです。だからこその最終話…! 泣いたね。
どんな恋も、せつなくて、しんどくて、でも楽しくて、幸せで、そういう意味ではそれが普通であり、まただからこそひとつひとつの恋が唯一無二で特異なのでしょう。青春も、人生も…そんなお話でした。
椿のクラスメイトや部活の仲間、桜介のクラスメイトの男子なんかの、がっつりキャラ立てして話に絡むようなこともないし名前もほとんど出てこないくらいなんだけど、ちゃんと描き分けられているし存在している、って在り方がとてもよかったなと思います。それは椿の妹の梓も同様で、そして家族特に兄弟に病人がいることって子供にはとても負担で影響が大きくて見過ごせないことなんですけれど、それが最終話でああいう形で回収されていて本当に感動しちゃいました。誰もがカップルになったりまとまったりするのはできすぎですけれど、でもこの展開はよかったと思うのです…!
もちろん主人公たちのハッピーエンドっぷりもよかったです。遠距離恋愛ってやっぱり難しいと思うし、学生時代の恋愛と結婚ってまた別だろうと思うんですけれど、できすぎすぎずに(変な日本語で申し訳ありませんが、意図は通じると信じたい)綺麗につながって物語として綺麗に終えられて、これまた感動しちゃいました。6年ってすぐっちゃすぐだし、今の子はカタくて結婚が早いからな!(ババアな発言)
あとは1巻のカバーイラストが失敗していることだけが残念です…絵が固まっていない時期に描いたものなのか? 予告カットの流用なのか? キャラの顔が違いません? 作品の雰囲気を表しているとも言いがたい気がして…2巻が一番好きかな。あと、今は束がない、つまりこっそり割高なコミックスが増えているけど、これはきっちりページ数があるのも評価したい。やっぱ読みでが全然違うと思うんですよねー。でももう少なくなっていくんだろうなー、残念です。
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