科学捜査の天才リンカーン・ライムのいとこアーサーが殺人の罪で逮捕された。自分はやっていない、とアーサーは主張するが、証拠は十分で有罪は確定的に見えた。しかしライムは不審に思う--証拠が揃いすぎている。アーサーは罠にかかったのではないか? そうにらんだライムは、刑事アメリア・サックスらとともに独自の捜査を開始、同様の事件がいくつも発生していることを知る…千兆バイトの闇に潜む卑劣な殺人鬼を追う最新作。
オーウェル『1984』がモチーフのような、デジタルデータのサイバーテロによるリアル殺人…みたいな今日的な作品でした。
しかし根底にある人間関係のドラマとしては、むしろ竹宮恵子『変奏曲』を思わせました。第二部の『カノン』の方です。
タイプのちがう従兄弟同士で、それぞれ実の父親とは折が合わず、父の兄弟の方と話が合う。そして自分の父と話が合う従兄弟を羨ましくも妬ましくも感じている、という…
そこが読ませどころでした。
原題は『The Broken Window』。
そのままではキャッチーさに欠けるので仕方がないとはいえ、安い邦題だな、と思っていたら、著者が提示したものだそうでした…失礼…
オーウェル『1984』がモチーフのような、デジタルデータのサイバーテロによるリアル殺人…みたいな今日的な作品でした。
しかし根底にある人間関係のドラマとしては、むしろ竹宮恵子『変奏曲』を思わせました。第二部の『カノン』の方です。
タイプのちがう従兄弟同士で、それぞれ実の父親とは折が合わず、父の兄弟の方と話が合う。そして自分の父と話が合う従兄弟を羨ましくも妬ましくも感じている、という…
そこが読ませどころでした。
原題は『The Broken Window』。
そのままではキャッチーさに欠けるので仕方がないとはいえ、安い邦題だな、と思っていたら、著者が提示したものだそうでした…失礼…