駒子の備忘録

観劇記と乱読日記、愛蔵コミック・コラムなどなど

アイーダ・ゴメス スペイン舞踊団『サロメ』

2009年12月15日 | 観劇記/タイトルさ行
 オーチャードホール、2004年3月6日マチネ。
 古代ローマ時代、ガリラヤの地を支配するヘロデ王(パコ・モラ)は、元は兄の妻だったヘロデヤ(カルメン・ビリェナ)と再婚し、その連れ子サロメ(アイーダ・ゴメス)に魅了されていた。ヘロデとヘロデヤの結婚を不義の関係だと非難した洗礼者ヨハネ(ニコラス・マイレ)は王の館の牢に囚われていたが…演出/カルロス・サウラ、振付/ホセ・アントニオ、音楽/ロケ・バーニョス。

 二幕構成で、第一幕は『スペイン組曲』『アルマ・デ・オンブレ』などの小品のガラ、第二幕が『サロメ』の計3時間でした。

 第一幕では、紫の同系色の衣装を着た4人の女性舞踊手による『メンサヘ』と、男性舞踊手6人による『ソシエゴ』が気に入りました。スペシャルゲストのアントニオ・アロンソを呼んだ『アルマ~』は何故かピンときませんでした…手のひらの大きいおじさんだなあ、とかは思ったのですが。すみません…
 第二幕は…実は映画の方が良かったかも、と感じてしまいました。はっはつは。何故だろう、舞台もので、スクリーンの方がいいなんてちょっとありえないことなのに…

 映画を先に見ているから、でしょうか? 映画はちょっと不思議な作りで、お稽古場や出演者インタビューがドキュメンタリーふうに撮られているうちに物語のうちに突入する、というような構成なのですが、普通に話していたり稽古をつけているアイーダ・ゴメスは歳相応のおばさまなのに(しかし今回パンフを見たらふたつしか年上じゃなかった…がーん)、衣装を着けて物語の踊りを踊り出すと、10代くらいの王女サロメにちゃんと見える、というところがひどくおもしろく感じたんですね。踊りの撮り方もカメラワークなど工夫されていて、いい臨場感がありました。
 逆に舞台の方が平板に感じられてしまったというのは、なんという逆説的な皮肉でしょう…いい席だったんですけれどねえ。

 ヨハネは映画ではほぼ完全な禿頭で、そこが高潔な僧侶(?)っぽくてよかったのかと思っていたのですが、今回の舞台ではややお髪がありましたね。あと、ヘロデヤはホントにいかにもで、好きだなあ…

 しかしホアキン・コルテスのときもそうでしたが、スペイン人というのはサービス精神が旺盛なのか単なる疲れ知らずなのか余興がいちばん楽しい人種なのか、アンコールが長くて内容が濃くて楽しかったです。
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錦織健プロデュース・オペラ『セビリアの理髪師』

2009年12月15日 | 観劇記/タイトルさ行
 神奈川県民ホール、2004年2月22日マチネ。
 スペイン南部、セビリアの街。若い貴族アルマヴィーヴァ伯爵(錦織健)はひとめぼれした美女ロジーナ(この日は澤畑恵美)を追ってこの街にやってきた。ロジーナは彼女の遺産目当てに結婚をもくろむ後見人の医師ドン・バルトロ(志村文彦)に見張られている。それを知った伯爵は、昔の従僕で今は理髪師としてバルトロの家に出入りするフィガロ(大島幾雄)に助っ人を頼むが…作/ジョアッキーノ・ロッシーニ、原作/ボーマルシェ、台本/チェーザレ・ステルビーニによる全2幕のオペラ。音楽監督/現田茂夫、演出/今井伸昭、美術デザイン/天野喜孝。

 前からオペラには興味があって、CDのアリア集など愛聴していたのですが、このたびお誘いがあって、初めて全曲版など買い揃えて予習に励んだものでございました。
 ところが前日、諸事情により完全徹夜で観劇に挑みまして…せっかくお洒落もしたのに…ついつい音楽が心地よくこっくりこっくりと…(笑)
 だって字幕の位置が高すぎて、キャストの顔と両方いっぺんに観られないのがつらく、だんだん視線が定まらなくなってきて、でも曲はもう頭に入ってちゃってるから馴染んでいて気持ちよく…ああもう、すみませんでした。

 でも、生の舞台はやはり楽しかったです。それと、オペラ・ブッファだったからということもありますが、やっぱりもともとは庶民のものだったんだなという感じがすごくしました。
 特にロジーナが、清純なだけでないいい感じの「小娘」ぶりで観ていて楽しかったです。
 でも、次はド悲劇も観てみたいものだと思いました。
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岡崎京子『ジオラマボーイ パノラマガール』

2009年12月15日 | 愛蔵コミック・コラム/著者名あ行
 マガジンハウスマグコミックス

 新興住宅地を舞台にした、春子ちゃんと健一くんのボーイ・ミーツ・ガール物語。

 岡崎京子の作品は、私自身はこういう青春時代をすごした訳でもないくせに(余談ですが、青春時代と学生時代は決してイコールではないと私は考えています)、いつもいつも
「ああ、それっぽい青春だなあ」
 と思わせられます。
 春子が花柄のポットにゼツボー的になったり、マジメでおとなしぽかった健一がいきなり先生殴って学校やめちゃったり。アンハッピィ・バースディ・プレゼントしかり、ああつまんない下らないしかり、生きててよかったしかり。氏があとがきで書くように「礼儀正しくて好感がもてる」とはとても思えませんが、すごく愛している作品です。
 でもね、ひとつだけ。ラストシーンの最後のネーム。
「ホントにホント! ホント!」
 の台詞に続く言葉は、
「本当だよ」
 であってほしかったと思ってしまうのは、私が心弱いからでしょうか。ウソかホントかキスしているふたりの姿を描いていないだけに、
「本当だよ」
 って言ってほしいんです。だめかなあ、やっぱり。(2001.3.6)
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岡崎京子『私は貴兄のオモチャなの』

2009年12月15日 | 愛蔵コミック・コラム/著者名あ行
 祥伝社フィールコミックスゴールド

 短編集。装丁も素敵で、イカしてます。
 私自身はこういうラブ・ライフを送った訳でもないくせに、以下『ジオラマボーイ パノラマガール』と同文。
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