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北川正恭氏講演会

(北川正恭氏講演会)

午後、S銀行の新春講演会で、浜松に会社のK氏と出掛けた。会場は浜松駅前の浜松名鉄ホテルである。講師の北川正恭氏はかつて三重県知事としてユニークな活躍をして知られている。と言いながら、北川氏の知事としての活躍を十分理解しているわけではなかった。演題は「トップの決断~持続可能な地域・組織~」である。

1944年生まれの64歳、自分より二つ年上である。S銀行の頭取の後に出てきて、銀行のお偉方がまた出てきたと勘違いしたほど、バンカーだと聞いても納得してしまうような風貌であった。

組織のトップは時代の転換期に当っては、日常的な改善ではなくて、非日常の決断をして、断固たる決意で事を進めなければならない。明治維新、敗戦後の復興期、そして100年に一度といわれる経済的な危機の今が、明治以降の三大転換期である。

敗戦後、日本のトップに立ったのは、現首相の祖父の吉田茂首相である。吉田茂が考えたことは、東西陣営の内、西側の欧米を選択して戦後復興をはかった。経済に重きを置き、軍備は軽くして日米同盟で補うと決め、一時は中央集権、傾斜生産方式で、少ない資源を集中的に活用して、復興をはかると決断した。その後、アメリカの援助とその後に起った朝鮮戦争の特需で一気に経済復興へと進む。その中では、吉田茂-岸信介と続くこわもての首相の断固たる政策遂行が大きな効果をあらわした。ついにプラザ合意という円相場の切り上げで一ドルは240円から120円さらに79円まで切りあがる。このプラザ合意は敗戦国の日本とドイツに、戦勝国が頭を下げた瞬間であった。

現在の危機に際して、麻生首相も安心できる年金や介護、医療などを維持しながら、子や孫にその付けを回さないために、決断をして政策を決めたら断固として推し進めることが必要である。どちらにしても三代続いて首相が国民の信を得ていない今の状態では何も出来ない。政策をマニフェストにまとめて早急に総選挙を行い、国民の信を得なければ、どんな政策も実行できないのが当然である。

もっともな話であったが、この講師は麻生首相にどのような決断を迫っているのだろうか。それについての発言が一切なかった。口ぶりでは消費税の増税を勧めているようにも聞こえた。

こんな風にまとめて書くとすっきりするけれども、講演はいろんなところに話が飛び、言いたいことを理解するのに難しい講演であった。

最後に県議や知事の時代の話になると、話が具体的でわかり易くなった。金を中央に握られている結果、地方役人は国の方ばかり見ていて、国の意向を絶対的なものとして、住民をそれに従わせることしか考えていない。県知事時代に言っていたことは、立ち位置を住民側に変えて、国に物申す地方役人になろうということである。

住民側も公からむしりとる事ばかり考えていては駄目で、私の努力と公の努力で、国の都合に引きずられない、自発的な持続可能な改革が出来るという。

北川氏は次期総選挙に打って出るのであろうか。
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