河童メソッド。極度の美化は滅亡をまねく。心にばい菌を。

PC版に一覧等リンクあり。
OCNから2014/12引越。タイトルや本文が途中で切れているものがあります。

2762- ブルックナー8番、ズービン・メータ、ベルリン・フィル、2019.11.21

2019-11-21 23:34:18 | コンサート
2019年11月21日(木) 7pm サントリー

ブルックナー 交響曲第8番ハ短調 ノヴァーク版第2稿(1890) 17-15-28-24

ズービン・メータ 指揮 ベルリン・フィル



2-2-2-4-2-2-2-c1
5-5-5
6-3-4-4-8-c3
2-2-2-8-3-2-2-c3

約85分、手綱から解放されたスペシャリスト集団の自由度マックス・サウンドは稜線キワキワの離れ技、やっぱり、底無し能力オケでした。ひと時の峻烈を追うことのないブルックナーは横広モーメントの連続で実質音幅に正比例しているかのようなもので、揺らして合わせて、この余裕。悠然としたブルックナー・サウンドに心からしびれました。一昨日の川崎公演の締まり具合とはまた別の味わい、このふところの深さ。

2760- ドン・キホーテ、エロイカ、メータ、ベルリン・フィル、2019.11.19

アダージョのABは、Aが2パーツ、Bも2パーツというのがよくわかるもので、ABABA計10回があっという間に過ぎ去る。なんだか、完璧な建築物件でも見ているかのようだ。
滴る3回目Aの経過句のコクが増し、しっとりしなやかにコーダの潤いへ。湯気でもでそうな楽章でした。第九同様、ここにあってよかったな、の第3楽章ですね。ブル9も同様。色々と思い浮かぶ絶品演奏でした。

終楽章は展開部と再現部が珠玉のような充実度、ここはすごかった。音楽の盛り上がりがくっきりと鮮やかに。
長めで変幻自在、たくさんのエレメントが複雑に絡み合う展開部をメータがゆっくりと極みの棒でほぐしていく。充実の展開。
提示部よりさらにスケールの大きい響きの共演となった再現部。大伽藍のコーダの先取りだ。蝋燭炎の狼煙から一転、全インストゥルメントでの一斉強奏。メータは何事もなくスルッと入る。圧巻の既出主題の重なりに、終楽章コーダではなく作品全体のコーダと知る。強烈に空高く聳え立つ最高峰の作品と極みの再現演奏。悶絶しました。

ベルリン・フィルの音はマッシヴで大砲級の威力。なみいる綺羅星のスペシャリストプレイヤー達が鳴らしきる絶対演奏ブルックナーに隙無し。
サラはワグチュー。ドール連中と結構な距離、音色が同質で極めて注意深く練り上げられているプロフェッショナルな色彩の味わいが濃い。アンサンブルの妙はいたるところに見られましたね。

ブルックナー8番、満喫しました。
おわり

8番の保有音源は99個です。
















2761- ベートーヴェン6番、7番、ヤノフスキ、ケルン放送響、2019.11.21

2019-11-21 22:18:57 | コンサート
2019年11月21日(木) 2pm コンサートホール、オペラシティ、初台

ベートーヴェン 交響曲第6番ヘ長調Op.68田園  11-11-6+3+8

Int

ベートーヴェン 交響曲第7番イ長調Op.92  14+7-9+8

(encore)
ベートーヴェン 交響曲第8番ヘ長調Op.93第2楽章  4

マレク・ヤノフスキ 指揮 ケルン放送交響楽団


平日午後の公演。最近はこういうのがたまにある。国内オケでも割と流行ってますからね。これで夜はベルリン・フィルを聴くのでスイッチが要る。

馴染みのあり過ぎるヤノフスキがケルンと来日。ベートーヴェンの6番と7番を並べる、あまり見ないプログラミング。音の出の遅れを好まないヤノフスキらしいラッシュな快演でした。
田園の第1,2楽章はさっぱりでしたが、3楽章になってオケが目覚めて活力がでました。ケルン放送響はドライでやや埃っぽい印象がこれまであったのですが、お目覚めオケは明るくて艶やかパワフルでエネルギッシュ。心象風景が眼前に迫る演奏で、田園らしい揺らぎを越えていってしまった感があるけれども、元気もらえました。ヤノフスキの棒さばきはワーグナーでもなんでも変わらずすっきりとお見事ですね。

後半に置かれた7番。ヤノフスキ棒の真骨頂だろうね。遅れ無き音。淀みなき音。回転する律動。パワフルな猪突猛進。16型であれだけ回るとすごい迫力。オーケストラ・サウンドを聴く醍醐味。音浴びですね。まあ、これだけ迫力のあるベト7、膨らみも感じるんですね。キンキン言わず、今出ている音、しっかりと吟味されたプレイだったかと思います。
6番7番、お見事な内容でした。

アンコールは8番の第2楽章。なかなかいい流れ。6番7番ときて8番全部でもよかったかなと、贅沢なわがまま。順序としては合っていそうだ。

ヤノフスキのレベルハイなバトンテクニック、信念や主張、考えがそのまま乗り移っているようで、このような棒はなかなか見られない。あらためて凄さを実感しました。ありがとうございました。
おわり