河童メソッド。極度の美化は滅亡をまねく。心にばい菌を。

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OCNから2014/12引越。タイトルや本文が途中で切れているものがあります。

2754- チャイコフスキー、ヴァイオリン協、リサ・バティアシュヴィリ、マーラー5番、ヤニック・ネゼ=セガン、フィラデルフィア管弦楽団、2019.11.4

2019-11-04 23:39:26 | コンサート
2019年11月4日(月) 4pm-6:30pm サントリー

チャイコフスキー ヴァイオリン協奏曲ニ長調Op.35  19-6+9
  ヴァイオリン、リサ・バティアシュヴィリ

(encore)
マチャヴァリアニ ジョージアの民謡 より Doluri 2

Int

マーラー 交響曲第5番嬰ハ短調  13+14-17-10+15


ヤニック・ネゼ=セガン 指揮 フィラデルフィア管弦楽団


百花繚乱、快刀乱麻、草木騒然、奔放自在、爆発爆演、スッキリ溜飲、ゴクリと舌鼓。タップリ2時間半。

ネゼセガンが棒を振ることなく始まったトランペットのソロ、太くて柔らかい導きの音。彼、メンバー表に無い方、ロドニー・マーサリス(たぶん)。
ジェニファーさん、長い3楽章はクラリネット列に移動、吹きまくる。抜群の安定感。チューバのキャロルさん、余裕ありまくり過ぎ。余裕のブラス・セクション。このラッパ陣の音は元が束みたいに太い。光り輝く音たちは拡散系ではなく内なる中心点に向かって一束になる。弦の威力もすさまじい。初楽章の副主題、コントラバスのピツィカートでホールが揺れる。あの栄光の時代が息を吹き返した。

振り返れば、バンクラプトからのリザレクション。2014年、2016年と来日を重ね今年2019年。えぐる、叩きつける、なんでもごじゃれ、解放の圧倒的演奏。スキルレベルは元のようになり、ネゼセガンとの息の合い具合も時とともに厚みを増した。今回の演奏はこのような流れの中、聴くほうとして喜びもひとしおでした。
ネゼセガンの蛇腹のようなオペラ振り。オーケストラの呼吸、3連符アウフタクト3つ目で必ず合わせてくる、この、オーケストラ呼吸。見事だ。

GM5、毎度ここだけは聴き逃すまいと耳を皿にする第2楽章の結尾の輝かしいファンファーレ、猛速ファンファーレが圧巻、さらに速度を増し、果ては何事もなかったかのように楽章を終える。クラクラする第1クライマックスに悶絶。もはや、ここで、今日の百花繚乱極美演を確信。
ジェニファーが吹きまくビッグな中間楽章、しびれました。静謐でオケの心の安定を示すアダージェット、中庸な遅さだろうね。音は、また、ジェニファーに引き継がれ次々と広がりを魅せていく終楽章は全てが展開部のようだ。ころがるロンド。太く輝かしいサウンドは更に厚みを増し、機動性が最高潮をむかえ、ウィンズが喜びの歌をしゃくりあげ、コントラバスがゴソゴソとサントリーの床を彫り、圧倒的なフル全総でホールが揺れ、フィニッシュ。
見事な演奏でしたね。



プログラム前半、リサのチャイコンが凄い。フィラ管の音を先取りしたかのような太くて艶やかな美音。カデンツァ、ソロが始まるとほぼヴァイオリン・リサイタル的な独奏のワールドがワーッと大きく広がっていく。本当の安定とマッシヴサウンドてこうゆうことをいうんだろうね。
聴いていくうちに独奏にひたすら耳を傾け始めてしまって、ソロのところだけ聴いていればいいかな、などともったいないことを思ってしまった。
フィラ管の滴るアンサンブル、回転するリズム、ソロをかき消さないバランス、ネゼセガンのコントロールも合わせて、みなさんの妙技にチャイコン満喫。GM5が控えているのに前プロのチャイコンで結構な満腹感でしたね。

充実ナイト、ミラクル・パフォーマンス、フィラ管。
ありがとうございました。
おわり