2018年9月14日(土) 7:00-9:10pm トリフォニー
オール・シュトラウス・プログラム
ドン・ファン 18
オーボエ協奏曲ニ長調TrV292 9+9+7
オーボエ、古部賢一
(encore、vn1-vc2-va2付きアンコール)
カプリッチョより 六重奏 4
Int
ティル 15
死と変容 22
上岡敏之 指揮 新日本フィルハーモニー交響楽団
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2018-2019シーズン初日(9/13,9/14)
オール・シュトラウス・プロ、充実の内容で心ゆくまで楽しむことが出来ました。
オーケストラの気力充実が目に見えるよう。いつもの柔らかい真綿のようなサウンド模様、今日は何か特に濃厚に聴こえてくる。
上岡は緩急つけつつも未練がましくなくて、潔い正面突破のタクト。その棒に乗り、ソフトアタックのブラスセクション、ビューティフルなブラスとウィンドのバランスハーモニー、弓と弦が呼応して吸い付く様なアグレッシヴな熱プレイ、等々、増して充実エネルギー満タンのスペシャルナイト。
最初のドン・ファンの入りはまるで何事も無いようにすごく軽く振り始める。息を抜くというか、肩に力を入れることが無くて響きどうしのぶつかり合いをじっくりと聴くことが出来る、実にコクのある開始。振り通りにオケから音が出ているようで、彼らの結びつきの強さ、信頼関係を感じさせてくれる。
このような気張らない演奏というのは音の響き合いのエキスをじっくりと味わうことが出来ていいもんですね。まあ、見ていると、こういった事を色々と積み上げていって、結果、ドン・ファン妙味を美味しく頂くことが出来て、本当においしかったですね。
かぶりつき席だとそういったところが手に取るようにわかる。
次はプリンシパルの古部さんのソロによるオーボエ協奏曲。
シュトラウスのコンチェルトはハードだと思いますけれども、何事もなかったようにやるのがプロの技なのか。メカニカルな機械からまろやか風味な音が情緒豊かに、この音楽表現、惚れ惚れしますね。ヘヴィーなプレイ、進むにつれて余裕の愛しむような歌が現れてくる。愛のプレイでしょうね。
上岡NJPのオケ伴が実に素晴らしい。指揮者のソリストコンタクトが申し分なくて息がパーフェクトシンクロ、NJPの伴奏は驚くべき美ニュアンス。
絶品のシュトラウス。
古部さんのアンコールは、オケメンを巻き込んでのカプリチョ六重奏。神経細胞が透けて見えるような美演。何も言うことは無い。
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後半はまず、ティル。
Njpはホルン首席がいまいち定まらない状況がずっと続いているのか、today’s principalは日高さん。まあ、余裕のニヤリ吹きですな。
ティルの進行は色あいやリズムなどが次々と変化していって聴いているほうも息が抜けない。山や谷、ウィット、明暗、いろんなことがぎっしり詰まっている。表現の音楽の味わい。
最後は渾身の、死と変容。なりふり構わぬ若さの音楽に深淵を見た。
まずはコンマスもじゃもじゃさんのなりふり構わぬやる気度が凄い、もの凄い熱プレイでした。かぶりつき席できいてますので音はよく飛んでくるし、その音、かなり強靭で艶やか。もちろんオケメンにも飛んでいっていると思うので、聴き合いながらの弦楽合奏は、より磨きのかかった圧倒的な演奏。ビッタしあったフレージングやハーモニーの見事なバランスを聴いていると、なぜか快感が走る。オーケストラを聴く醍醐味といったところだと思う。
尾根の縁から覗き込むような内容が色濃く押し出された演奏。深刻さと浄められた聴後感。たっぷりと味わい尽くしました。巨大な演奏でしたね。
お見事!
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上岡音楽監督が振るときはいつもあるアンコール。この日は残念ながらありませんでした。はじめてじゃないかな。
おわり