河童メソッド。極度の美化は滅亡をまねく。心にばい菌を。

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OCNから2014/12引越。タイトルや本文が途中で切れているものがあります。

2234- プルチネルラ、ナッツクラッカー、プロコフィエフ5番、上岡敏之、新日フィル、2016.12.6

2016-12-06 23:02:28 | コンサート

2016年12月6日(火) 7:00-9:20pm サントリー

ストラヴィンスキー プルチネッラ組曲  22′

チャイコフスキー くるみ割り人形 組曲Op.71a  22′

Int

プロコフィエフ 交響曲第5番変ロ長調  15′9′6′14′

(encore)
チャイコフスキー くるみ割り人形よりパ・ドゥ・ドゥ 5′

上岡敏之 指揮 新日本フィルハーモニー交響楽団


あえて音をぶつけていく、しり込みしない、腰の引けない音。上岡スタイルなのか。このオーケストラの意識を変えようという姿勢がよく見える演奏。プロコフィエフの空虚な響き、確信をもってプレイされた大胆な響きは聴きごたえ満点。空虚が空虚を呼び歯車的マシンのような運動が過熱してくる。プロコフィエフのユニークな音の運びを満喫しました。
思うに、新しく就任した指揮者は、オーケストラの新たなサウンドバランスを構築しようとしているのではあるまいか。音の大胆なぶつかり合いは、ダイナミズム的躍動感は結果であって、むしろパースペクティヴな奥行感覚を強く感じる。遠近的な奥行き感それに、先の展望、両方という意味合いで。
アンサンブルの立ち位置がすごく意識されている演奏で、例のモヤモヤの中とはいえ、有力パッセージは美しく流れる。一筋の線がうねって絡まっていく様は明確な意思表示的であって、また特有の芸風のおもむきでもある。
奥行感覚がよくわかる音場で聴くサウンドというのは大規模編成による音の饗演を浴びるオーケストラの醍醐味そのもの。
始まりのダークブルーな鬱的盛り上がりから最後の歯車運動まで出色の演奏でした。
それから、構成感、造形をご本人が強く感じながら振っていますね。各主題の切り分けが明快。混ぜこぜのパッセージでも主題のフレージングが極めて明瞭に現れる。この指揮者、全暗譜、全方位指示、完全掌握の曲なんでしょうね。フィナーレへの入りもきっちり一呼吸置くあたりもいいですね。

ひとつ、バックステージストーリーには全く興味ありません。
が、
自席からは色々と見える。苦虫を10匹ほどかみつぶしたようなプレイヤーさんがちらほらと、一体どうしたことか。いつも楽しくプレイする必要はない。でも、トップミュージシャンが自分の中で苦悩しまくっているときでさえ毎晩、違う客たちを幸せにしてくれる。そういったプロの姿を見せてほしい気がする。大変だとは思いますけれどもね。
ステージは、一段、高いところにあるわけです。

前半のプログラミングは、プルチネッラ全曲か、ナッツクラカー第2幕全曲だと、さらに聴き応えがあったように思う。まぁ、並べた気持ちはわかる。
ダンシングについては、ダンスが得意そうな欧米指揮者は踊らず、あまり得意そうでないジャパニーズ指揮者が極めてよく踊る傾向にあるのは、なぜか。
おわり