河童メソッド。極度の美化は滅亡をまねく。心にばい菌を。

PC版に一覧等リンクあり。
OCNから2014/12引越。タイトルや本文が途中で切れているものがあります。

2088- リスト、ワーグナー、シュトラウス、マーラー、クヌート・ショホ、2016.4.2

2016-04-02 23:35:24 | リサイタル

2016年4月2日(土) 7:15‐8:20pm ドームホール、北とぴあ

リスト
はじめは殆ど打ちひしがれて 2′
君はまるで花のよう 2′
ライン川、美しい流れの 2′
愛しなさい 4′

ワーグナー
ヴェーゼンドンク歌曲集より、天使、温室にて、痛み、夢  3′5′2′4′

シュトラウス
明日、ひそやかな誘い、万霊節、バラのリボン  3′3′2′2′

マーラー
リュッケルト歌曲より、
僕の歌をのぞかないでよ  1′
ほのかな香りを吸い込んだ 2′
sb(水飲みブレーク)
真夜中に 6′
私はこの世から失われて 4′

(encore)
リスト 全ての山々に  3′

テノール、クヌート・ショホ
ピアノ&通訳、江口真紀子


4人の作品を4曲ずつ計16曲、それにアンコール1曲、マーラーの途中で水飲みブレークで引っ込んだがそれ以外はぶっ通しで約1時間ロングのリサイタルでした。

ご本人は6時15分頃着で7時前5分ぐらいでもまだジーパン姿で小ロビーあたりに顔をだしていて、ホールのドアが開いたのが7時10分過ぎで、それまで待ちぼうけで、ざっくり開始。
システムに乗らない、タイムチャート無しのフランクなリサイタルで、これはこれでいいのではないかと、だんだん思えてくる。オーケストラやオペラ公演はきっちりとしたチャートがあると思われますが、必ず5分遅れスタートのタイムチャートを持っていそうな団体もあるし、まぁ、この日だけああだこうだという話でも無い。

ドームホールという妙なネイミング、150人規模のホールに聴衆は40人ぐらい。いわゆるセンターのところには席がないというこれまた妙な具合で、音響はまるで吸い取り紙で吸い取られてしまったのではないかと思われるぐらいデッド、というより響かない。まぁ、音楽用のホールではないと思うので、これは段取りの問題でしょう。声にはかわいそうなものでした。

といった周辺コンディションは横において。
身体の線と同じように細身の声ながら安定したものでした。ただ喉先から出ている音という感じで腹の底から一本芯が通ってのびてくる雰囲気は無い。時間をかけてからのスタートだとまた違っていたのかもしれません。そのような中で4人の作曲家の歌を相応に楽しむことはできました。気持ちを落ち着ける技のようなものを持っているのか、すぅーと作品の中に入っていっているようで、聴くほうとしてもコンセントレーションを高めて。
リュッケルトの真夜中に、曲想の変化や色模様がなかなか良かった。伴奏のピアノのこめたフレージングも素晴らしく良いものでした。
このお二方のプレイ、音楽はこのようなところから生まれるものかもしれません。
巷にあふれかえる、あっちよりこっちがよかった、これが今まで聴いたベスト、こういった陳腐な英雄崇拝とは別世界の時空、これはこれで味わいのあるもの。

ショホさんが歌う前にちょこっとお話をして、それを見事に通訳してくれましたピアノの江口さんはコレペティトゥア専門家という雰囲気で、なんだか鬼に金棒みたいな素晴らしさでした。このホールで、あれだけ香りを立たたせるのは至難の業のような気もしますが、なんだか、どっからでもおいで、そんな感じです。

ショホさんはCDを何枚か出していて、入り口前に並んでいました。それからプログラムパンフにフライヤーが挟まっておりまして、4月17日に原・マタイ受難曲の福音史家のところに名前があります。IMA HALLでの演奏会ですね。

おわり