河童メソッド。極度の美化は滅亡をまねく。心にばい菌を。

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OCNから2014/12引越。タイトルや本文が途中で切れているものがあります。

1783- 東京春祭、ワルキューレ、ヤノフスキ、N響、2015.4.7

2015-04-08 00:44:11 | コンサート・オペラ

2015年4月7日(火) 3:00-7:50pm 東京文化会館

ワーグナー  ワルキューレ

ActⅠ  63′
Int 30′
ActⅡ  83′
Int 30′
ACTⅢ  63′

(In order of voice’s appearance in concert style)
1.ジークムント、テノール、ロバート・ディーン・スミス
2.ジークリンデ、ソプラノ、ワルトラウト・マイヤー
3.フンディング、バス、シム・インスン
4.ヴォータン、バスバリトン、エギリス・シリンス
5.ブリュンヒルデ、ソプラノ、キャサリン・フォスター
6.フリッカ、メッゾ、エリーザベト・クールマン
7.ヘルムヴィーゲ、ソプラノ、佐藤路子
7.ゲルヒルデ、ソプラノ、小川里美
7.オルトリンデ、ソプラノ、藤谷佳奈枝
7.ヴァルトラウデ、メッゾ、秋本悠希
7.ジークルーネ、メッゾ、小林沙季子
7.ロスヴァイゼ、メッゾ、山下美紗
7.グリムゲルデ、メッゾ、塩崎めぐみ
7.シュヴェルトライテ、アルト、金子美香

マレク・ヤノフスキ 指揮 NHK交響楽団


2015.4.4に続き、神キャスト、2回目の公演。

タイミングはこの2回目のほうが少し長め、聴いた感触ではずいぶんと長めになった感じ。余裕のようなものでしょうか。

全体的には前回と同じ感想で、神キャストのワルキューレ、もはや満腹感を通り越している。

第1幕の冬扉からスミスとマイヤーの絡み歌は途方もなく素晴らしく、エンディングまで、この絶唱に寄り添うヤノフスキの多段階弱音コントロールはもはや言うべき言葉もない。

スペシャルな語りをこの日も聴かせてくれたシリンスと完全無欠のフォスターの親子愛には口を挟まないが、双子の禁愛は、クールマンのビッグな胸先三寸しだい。この世も神の世もクールマンの胸次第。
この5人のソリストたち白眉の至芸、この世のものとも思えない時を過ごしました。

神キャスト、

ローゲの炎からヤノフスキは確信的なテヌートにギアチェンジ、ごく控えめに終わる、次があるよと。

そして、
神かシリンスか、圧倒的。ぼう然と椅子に座り尽くすフォスター。

音が消え、完全真空エンド。

誰も声も拍手も何もない。唖然、そして、騒然へ!


字幕はカナ漢字変換が少し気になりました。聴く、聞く、といったあたりですね。

あと、日本語訳で頭韻を踏むような訳は無いのかと思ったりしますが、それは無いものねだりですね、いずれにしても言葉は先に押さえておきたいところです。ワーグナーでは特にそうでしょう。言葉への理解の努力がいります。
丸山真男のようになるかどうかは自分次第!だけれども彼の夢中感に至る雰囲気はよく理解できます。
それから、吐いているセリフとは別のライトモチーフが現れる多層瞬間、これはワーグナーならではの醍醐味ですけれど、コンサートスタイルではわかりにくいもの。ヤノフスキはライトモチーフを強調することにより絶妙に芝居風味をだしていたと思います。


昨年のラインゴールドのヤノフスキは今一つ引っ掛かりがありましたけれど、このワルキューレを聴いたあとでは彼のしたいところはわかりかけてきました。

腰のあたりに手を当てて、ステージ出入りする姿はすこし心配ですけれど、来年のジークフリート、第1幕3拍子鉄火場状態から正方形の4拍子に移り鉄の回転、必殺ジークフリート、ブリュンヒルデの目覚めから、最後の頂点の絶唱二重唱まで、ああ、もう、目に浮かぶわ。

おわり