2013-2014シーズン聴いたコンサート観たオペラはこちらから
2013-2014シーズン
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2014年6月28日(土)2:00pm サントリー
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シベリウス 夜の騎行と日の出 15′
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マーラー 交響曲第6番 悲劇的 25′14′17′30′
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ピエタリ・インキネン 指揮 日本フィルハーモニー交響楽団
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マーラーは大きな曲だがインキネンはきっちりもう一曲やる。昔風というより音楽への誠意、客への配慮を感じる。
シベリウスの曲は同じリズムが続き、時として煩わしさを感じるが、インキネンは刻みのリズムとは別にメロディーラインを丹念にすくい上げている(席が近いのでよくわかる)。
透徹美を強調するというよりはバランス重視です。ギザギザ進行している中に息をするようなラインが浮かび上がってきます。これはこれで味わい深い。愛着を感じているのを聴くことが出来ます。
曲の残り香のなか、近場でいつものしったかりぶりのフライング気味ブラの迷惑行為、これ、しったかぶりが癖に変化してしまっていて喉と耳が同化してしまっているのでしょう。注意しても理解できないというパターンのおじちゃん。同じようなケースでは、最後の音が鳴り響く中、拍手用の両手をセットアップし、終了寸前のところでパチパチ開始、冬場にこの癖の人の臨席に座ったことがありますが、なんて注意すればいいかわかりませんでした。知っている曲にはすべてこの癖が出ると思います、知らない曲ならこのパチパチのために予習してきていそうな感じ。
無くて七癖。他人にケチをつけるだけではお互いダメでしょうね。わが身を振り返る。この人に咳がどうにかならないか注意されましたから。
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後半のマーラー、終楽章で3回ハンマーが打たれます。自分の記憶では初めての遭遇ではなく、昔はハンマー3回の演奏会を何回か聴いた記憶あります。
オーケストラにとっては厳しい曲ですけれど、インキネンの表現というのは概ね気張らず自然な流れ。策を凝らした意味の無いいじりとは一線を画す品のあるものです。
このオーケストラにありがちな力任せ、気張ったところ、そのようなものが奥に引っ込みサラッとした肌触りが感じられる。ブレーキ色の無い演奏で、例えば、
第4楽章で徐々に上り詰めていって最後の劇的なエンディングにいたるところも、流れが自然で滑らか、ドラマティックなものをことさら強調するという話でもない。
巨大な曲ですがパースペクティブや派手さよりも、メロディーラインや構造を浮き彫りにした佳演でした。含み味が濃く長い演奏となりましたが一つ一つかみしめて聴くことが出来ました。久しぶりに騒がしくない6番でした。
ホルン群の幅広音で全体を包み込む安定感、ベースは切れ味が必要、チェロはもっと音が欲しい、最後のブラス強音パンパカパーのところで少しこんがらかってしまったのは体力不足か、など、もっとスキルの底上げが必要なのは言を俟たないが、全体表現には概ね満足しました。
ありがとうございました。
おわり