河童メソッド。極度の美化は滅亡をまねく。心にばい菌を。

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OCNから2014/12引越。タイトルや本文が途中で切れているものがあります。

1643- ヴェルディ、レクイエム、パオロ・カリニャーニ、読響、2014.6.12

2014-06-12 22:55:00 | インポート

2013-2014シーズン聴いたコンサート観たオペラはこちらから
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当公演は前の日に亡くなったラファエル・フリューベック・デ・ブルゴス氏に捧げられました。日取り的には、これは偶然の出来事です。当初よりこの公演は予定されており、加療中のブルゴスが前日無くなったことにより、ブルゴスにデディケートされました。
何しろブルゴスはこのオーケストラを169回も振ったということですから、尋常ならざる関係と言えます。最後に振ったのが2年前ということでメンバーにとって遠い昔の出来事ではない、本当に近くの出来事に違いない。この日の演奏は心なしか音色(ねいろ)も涙色。
いつもと違う音の色、フロントに4人の独唱、そして管弦楽、うしろに合唱がそびえ立ち、その天上からは、このオーケストラを169回振ったブルゴスの眼差しが注ぐ。ヴェルディが呼んだに違いない。最後の黙とうは全くの自然発生的行為で、突き刺すような静寂がホールを襲う。

カリニャーニという指揮者は2度目です。棒さばき良く、イタリアものを振りつくしているように見える。この曲もツボを押さえポイントをわきまえたもの。うるさくならず楽器の増加が音量の増加なのであってあまり気張らず、合唱のほうに神経がいっている。対して、独唱には割とそっけない。任せておけばうまく歌うだろうという感じですね。メッゾとバスが安定していて聴きやすい。ソプラノはギネス・ジョーンズ型のぶら下がり傾向がありますが健闘、難しい曲ですね。テノールは馬力が欲しいところです、体躯の関係で声の発声ポジションが他のかたと高さ的に少し異なるため、うまく溶けこまないようなところがあったように思いますが、ときおり黒光りする声はまさしくテノールですね。片鱗が出たというところでしょうか。
カリニャーニの棒は流れが止まるということはありませんが、流麗というわけでもなく、この曲に必要な熱がもっと欲しいところではあります。
総じていい演奏だったように思います。ありがとうございました。
おわり