私は神秘主義者ではない。予感や占いはほとんど信じない。しかしだれでもそうだろうと思うが、かなり説明しにくい出来事にぶつかった経験は私にも幾度かあった。早い話がこの老人である。この老人に出くわしたとき、同じ夜のうちに何か異様なことが私の身に起るに違いないと咄嗟(とっさ)に感じたのは、一体どういうわけなのだろう。もっとも私は病気だった。病人の感覚はとかく当てにならぬものである。 (本書6頁)
これこれこれがドストエフスキーの“外し”。どないやねん。
(新潮文庫 1973年10月発行 1984年12月16刷)
これこれこれがドストエフスキーの“外し”。どないやねん。
(新潮文庫 1973年10月発行 1984年12月16刷)