書籍之海 漂流記

看板に掲げているのは「書籍」だけですが、実際は人間の精神の営みすべての海を航海しています。

ドストエフスキー著 小笠原豊樹訳 『虐げられた人びと』 から

2010年08月23日 | 抜き書き
 私は神秘主義者ではない。予感や占いはほとんど信じない。しかしだれでもそうだろうと思うが、かなり説明しにくい出来事にぶつかった経験は私にも幾度かあった。早い話がこの老人である。この老人に出くわしたとき、同じ夜のうちに何か異様なことが私の身に起るに違いないと咄嗟(とっさ)に感じたのは、一体どういうわけなのだろう。もっとも私は病気だった。病人の感覚はとかく当てにならぬものである (本書6頁)

 これこれこれがドストエフスキーの“外し”。どないやねん。

(新潮文庫 1973年10月発行 1984年12月16刷)

「お米から炭酸飲料、自然な甘み 日本たばこ・大関が開発」 から

2010年08月23日 | 抜き書き
▲「asahi.com」2010年8月21日19時47分。(全)
 〈http://www.asahi.com/shopping/news/TKY201008210190.html

 日本たばこ産業は、清酒メーカー「大関」と共同開発した、米を原料とする炭酸飲料「二代目米づくり」(410ml)を、9月6日から発売する。国産の米粉に酵素を加えて糖化し、自然な甘みを引き出した。新たに乳素材を加えて、コクも向上させたという。希望小売価格は税抜き140円。

 これはうまそう。アルコール分のない「ぷちぷち」のような感じだろうか。興味津々である。
 GOPAN に心惹かれるのもそうだが、私はやはり麦よりも米党らしい。

封従徳 『天安門之争 「六四」的関鍵内情』

2010年08月23日 | 政治
 学生はいつも「次は何をする?」と言います。私は悲しくなります。目指すは「流血」なんて誰が言えます?政府を追いつめて人民を虐殺させる。広場が血に染まって初めて民衆は目覚める。それで初めて一つになれる。これを学生にどう説明するんです? (カーマ・ヒントン/リチャード・ゴードン監督『天安門』〔1995年〕における柴玲の発言)

 私は司令官でブラックリストに載っているから。政府に殺されたくはありません。私は生きたい。 (同上)

 この書は、柴玲の元夫による柴玲擁護である。離婚した夫がなぜ元妻の弁護をしなければならないかについては、昨日の譚璐美『「天安門」十年の夢』に、説得力のある推測がなされている。要は、自分の操り人形だった天安門事件前後の柴玲の弁護すなわち当時のおのれの弁護ということである。だがすこしは本当のことも書いてあるらしい。

参考:
 「変容する世界」May.07 2010 「<絶食宣言>」ほか
 「映画のメモ帳+α」2008.06.04 Wednesday 02:24「天安門(1995 アメリカ)」

(明鏡出版社 米国 1998年6月)