くじら図書館 いつかの読書日記

本の中 ふしぎな世界待っている

「龍-RON-」村上もとか 四巻まで

2012-02-18 16:58:15 | コミック
物語とは、やはり「試練」を描くものですね。村上もとか「龍-RON-」(小学館)。いつか通しで読みたいと思っていたので、非常に満足しながら読んでおります。
今まだ四巻までしか読んでいませんが、古本屋で二十七巻までは買いました。(でも一冊欠け)
聞くと四十冊近くあるとか……。入手できるのかしら。
主人公の押小路龍が、「武専」に入学するところからストーリーは始まります。名家の跡取り息子に生まれながら、龍は将来は武道家になりたいと思っている。
そこで教師を務める内藤から、卑劣な剣だと言われた龍ですが……。
なぜタイトルが「RON」なのか。それは彼の出生の秘密と関わり、武道の天才的な能力もそこに起因する。衝撃を受けた龍ですが、それを肯定している。その姿を見て朝鮮人の男の子が心を開く。
わたしは、この作品を雑誌連載(父がもらってきた)で知ったのですが、もうその頃「てい」という女性との恋が周囲の反対から結実せずに苦悩する場面だったために、このあたりを読んでいないのですよー。
お坊ちゃん育ちで磊落な彼は、困難に合いながらも粘り強く立ち向かう。友情に篤く、いつしか同級生のリーダーとなっていきます。
突きという得意技をもちながら気が弱くていつも逃げることを考えている石川。頼れる友人黒川は、郷里の富豪から援助を受けて入学。冷静で技術の高い高階とのライバル関係もいいですね。
彼らと激しい稽古を繰り返しますが、先輩からの嫌がらせめいたしごきに弱音を吐く者も多い。龍は食事をおごったり家から出て下宿に一緒に入ったり。へこたれそうな友人たちも、そんな彼に励まされながら頑張りますが、龍はあることから柔道の四年生百鬼(なりき)から目をつけられます。
この苛酷な一年間がみっちりと描かれるのですが、進級して先輩というしがらみがなくなると「ていの日記」であっという間に上級生になってしまう(笑)。
男爵家の跡取りでもある龍の周りには、様々な力をもった人々が集まります。
印象的だったのは、特高の刑事が「安重根」について語る場面でしょうか。
安重根のお墓が市内にあるので。それから、ちょうど同じ日に春日ゆら「先生と僕」③を読んだら、伊藤博文の暗殺事件に関する漱石の思いが書かれていたことも。
そのほかには、「獣医ドリトル」(三巻まで)とか「図書館の主」②とか、「OZ」の完全収録版に書き下ろされた短編とかを読みました。井上きみどり「わたしたちの震災物語」についても、いろいろと考えることがあったのですが、それはまた日を改めて。

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