江國滋「微苦笑俳句コレクション」の続編です。
江國さんはノートにこれはと思う句をメモしているらしい。で、その中からの紹介だそうです。
個人的には前作の方が楽しかったのですが、今回もバラエティがありました。
坪内さんの句が採られているのを発見。「大根の好きな夫婦になりました」。
余裕を感じる素敵な句ですね。奥さんとの温かな生活が感じられると思います。
俳句結社を主宰する方から一般の方まで、江國さんの選択は融通無碍。
声優の白石冬美さん。
「猫立ちて指揮者のように蝿を追う」白石茶子
好きな声優さんなので、この句に巡り会ってなんかうれしい気がします。冷静に考えると、前作の巻頭も白石さんだったのに、流して読んでいたようです。失礼しました。
情景が目に浮かぶおもしろい句ですね。たしかに猫ってそういう仕草をします。
やなせたかしさんのもあります。「この頃の漫画わからず日向ぼこ」
ここで槍玉にあげられているのはどんな漫画なのか。劇画ですかね? わたしも古い作品の方が好きですが。でも、当時の作品だったら、タイプ的に今ほどひどくはないと思うのですが。(これは、年をとったから思うこと?)
理解できないというよりもしたくない感じなのかしら。
結城昌治さんもあります。「着ぶくれてなほ痩せしかと問はれけり」
すごく痩せていた方なんだそうです。
そういえば、結城さんの本を手にとったことがないなあ。
始めの方は前作に比べるとキレが悪いと思っていたのですが、いやいや、冬以降に気になる句が多かったのです。
「火事跡に思はぬ数の蛇口かな」北村仁子
自宅が火事にあったのだとしたら、ひどい災難です。でもこの方は非常に冷徹な眼差しを持っている。苦境の中にも発見のある明るさを感じます。
「あんな子がもう一人欲し七五三」福森妙子
よほどかわいい子だったのでしょうか。それとも、かわいらしく装わせる自分のかいがいしさを、もう一度行いたいと感じたのでしょうか。この子はきっと女の子なんだろうと予想いたします。七五三の季語がいいですね。(冬の季語です……)
「初泣の乳吸ふくちになりゐたる」黒崎かず子
授乳前にもう口がそういえば形になっている。その態勢で待っているのですね。言われてみれば記憶にある場面です。子供の表情が目に浮かぶ。
江國さんといえば、癌を読んだ句が有名です。この言葉感覚こそが、俳人の面目躍如たるものでしょう。
微苦笑というテーマではありますが、俳句って堅苦しいものでもないのではないかなと思わせられました。
教科書的・芸術を気取るようなものではなく、だれもが気づいていながら表現しきれなかったものを言葉にしていく。
そして、思いもよらない切り口で現実を切り取ってみせるのです。
江國さんはノートにこれはと思う句をメモしているらしい。で、その中からの紹介だそうです。
個人的には前作の方が楽しかったのですが、今回もバラエティがありました。
坪内さんの句が採られているのを発見。「大根の好きな夫婦になりました」。
余裕を感じる素敵な句ですね。奥さんとの温かな生活が感じられると思います。
俳句結社を主宰する方から一般の方まで、江國さんの選択は融通無碍。
声優の白石冬美さん。
「猫立ちて指揮者のように蝿を追う」白石茶子
好きな声優さんなので、この句に巡り会ってなんかうれしい気がします。冷静に考えると、前作の巻頭も白石さんだったのに、流して読んでいたようです。失礼しました。
情景が目に浮かぶおもしろい句ですね。たしかに猫ってそういう仕草をします。
やなせたかしさんのもあります。「この頃の漫画わからず日向ぼこ」
ここで槍玉にあげられているのはどんな漫画なのか。劇画ですかね? わたしも古い作品の方が好きですが。でも、当時の作品だったら、タイプ的に今ほどひどくはないと思うのですが。(これは、年をとったから思うこと?)
理解できないというよりもしたくない感じなのかしら。
結城昌治さんもあります。「着ぶくれてなほ痩せしかと問はれけり」
すごく痩せていた方なんだそうです。
そういえば、結城さんの本を手にとったことがないなあ。
始めの方は前作に比べるとキレが悪いと思っていたのですが、いやいや、冬以降に気になる句が多かったのです。
「火事跡に思はぬ数の蛇口かな」北村仁子
自宅が火事にあったのだとしたら、ひどい災難です。でもこの方は非常に冷徹な眼差しを持っている。苦境の中にも発見のある明るさを感じます。
「あんな子がもう一人欲し七五三」福森妙子
よほどかわいい子だったのでしょうか。それとも、かわいらしく装わせる自分のかいがいしさを、もう一度行いたいと感じたのでしょうか。この子はきっと女の子なんだろうと予想いたします。七五三の季語がいいですね。(冬の季語です……)
「初泣の乳吸ふくちになりゐたる」黒崎かず子
授乳前にもう口がそういえば形になっている。その態勢で待っているのですね。言われてみれば記憶にある場面です。子供の表情が目に浮かぶ。
江國さんといえば、癌を読んだ句が有名です。この言葉感覚こそが、俳人の面目躍如たるものでしょう。
微苦笑というテーマではありますが、俳句って堅苦しいものでもないのではないかなと思わせられました。
教科書的・芸術を気取るようなものではなく、だれもが気づいていながら表現しきれなかったものを言葉にしていく。
そして、思いもよらない切り口で現実を切り取ってみせるのです。
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