くじら図書館 いつかの読書日記

本の中 ふしぎな世界待っている

「恋愛検定」桂望美

2012-03-15 05:42:52 | 文芸・エンターテイメント
タイトルだけみると、恋愛小説みたいですよね。「恋愛検定」(祥伝社)。
でも、桂望美ですから、ふっと外しがくるだろうとは思っていました。
ふはは、スーツを着た「恋愛の神様」が現れて、その人の恋愛力を量ってくれるんだってよ。四級からマイスターまであって、資格を持っている人は称賛される。お見合いや結婚でもアピールポイントになるし、コミュニケーション力があるとして昇進することも多いのだとか。
でも、上級試験を通ったからといってモテモテというわけではありません。お見合い相手が三級をもっているとか、持っている人とそうでない人で同じくらいの離婚率という場面も出てきます。
わたしとしては、この資格あんまりありがたくはないような気がするんですが。そもそも「恋愛力」とはなんぞや。結局そのときの人と添い遂げるわけではないんですよね。
さらに準一級まではおもしろく読んだんですが、その上の級のエピソードを忘れ果てています。読み直しましたが。
うーん、一級受験の女の子の人となりを考えるに、優秀な恋愛力をお持ちとは思えない。
基本的に恋愛が人生の第一義という人とは仲良くなれないタイプなんです。
で、前後して石神賢介「婚活したらスゴかった」(新潮新書)も読んだんですが、これがなんだか意外なほど共通点があるような。
こちらは四十代で離婚経験ありのライターさん。ネットだのパーティーだの、出会いを求めて参加するのですが、百人を越えて今も婚活中とか。
桂さんの小説の方は、当たり前のように若い男女しか登場しません。でも、どうなんでしょう。検定の受検資格に年齢制限はないよね。既婚なのに突然「落ちる」人とか、石神さんのようにバツイチの人も恋愛を求めることはあると思うのです。
資格をありがたがる(その資格を取ったときの相手とは破局していても)というのは、桂さんの諧謔なのかなと思いつつも、主人公たちにうまくいってほしいようなそうでもないような。
成就すればいい、というものでもないようです。実際に思いを告げたところで検定終了という人もいました。
でも、メールを送るのはやっぱりこの次で、なんて思っているとハズレのブザーがなったり。
知人にものごころついたときから彼氏がいなかったことはないという方がいて、遠距離恋愛、破局、失意でふらふら歩いているときに通りがかった男性が次の彼氏になったと聞いてあまりの凄腕ぶりにぶっ飛びました。
わたしは恋愛体質ではないと思うので、この検定には挑戦したくないですね。
でもさー、普通落ちても何度かチャレンジできるものでしょ、検定って。この場合可能性としてはどうなの? 違う神様が現れるの?