還暦を目の前にして、健康に心もとない身であるのに、私は已むに已まれぬ気持ちでキーボードをたたいている。友もリタイヤする年になり、未来に対する希望というよりも、今では漠然とした不安感の方が強い。ここ何ヶ月かは、日帰りでの上京も控えるようにしている。それだけに、本当は文学老年でいたいのだが、あまりにも世の中がデタラメなので、政治的なことがブログの中心になってしまう。それでも、最近は夜中にふと覚めると、虚無というか、目の前にある闇に言葉を失うことが度々だ。そんなとき私の胸に去来するのは、塚本邦雄、吉井勇、寺山修司といった歌人たちのことだ。三人三様であるが、心にしみわたる言の葉を、私たちに残してくれたからである。草莽というと、いかつい志士を連想しがちだと思うが、実際はそれとは裏腹で、繊細でたおやかな大和心なのであり、それを象徴するのが、塚本邦雄の歌なのである。
こころざし滅ぶ 處女(をとめ)の床の邊にわがわすれける朱鞘(しゅざや)のナイフ
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