今日の夕方に時事通信が「自民、公明両党は、防衛費増額の財源について、歳出削減を優先した上で、不足分を増税で対応する方針を確認した」とネットで速報したのにはビックリした。
しかし、TBSでも同じような記事を流しており、ニュアンスはそれとは大きく異なっていた。時事通信がミスリードした可能性がつ強いのである。
自民党の麻生副総裁と公明党の北側副代表らが会談したのは確かだが、TBSは「来年度から5年の間に、まずは歳出改革や剰余金による活用を優先することで合意しました。それでも不足する分については、増税を選択肢とするとしています」と伝えているからだ。
さらに、協議後、自民党の萩生田政調会長は「来年、直ちに増税することは考えていない」と明確に言い切っているのである。
岸田首相は一昨日、防衛費の財源をめぐっては「来年度からの5年分について、現在の1.5倍以上にあたる43兆円とすることを指示したうえで、財源については歳出改革のほか、剰余金や税外収入の活用、税制措置など具体的な内容を年末に決定するよう指示した」と述べており、何も大騒ぎすることではないのだ。
国民の多くが防衛力の増強に賛同しており、それを水を差そうとするのが増税である。わざわざ今の時期にそれを持ち出せば、来年の統一地方選挙に影響しかねない。それを考えれば、自民党だって結論を先送りするのがベターなのである。
時事通信社といえばかつては保守系の立場であった。保守の歴史学者である平泉澄博士の『解説近世日本国民史』『少年日本史』はそこから出たのである。
戦後レジームに果敢に抵抗していたはずなのに、そこまで落ちぶれてしまったのだろうか。残念で残念でならない。