どうして民主党政権は真実を語らないのだろう。どうして逃げてばかりいるのだろう。細野豪志原発担当相は、福島第一原発について、年内の冷温停止に自信があるようだが、炉心がどこにあるのか、どうなっているのかも分からないのだから、これまで同様に目くらましであることは、国民の多くが見抜いている。だからこそ、民主党政権や東京電力のスポークスマンと化したマスコミに対しても、不信を持ち始めているのだ。あまりにも出鱈目な情報が流されることで、できもしない除染に一縷の望みを託して、避難を先延ばししている福島県民がいることを、一体どう考えているのだろう。絶望的で手の打ちようがないのであれば、それを正直に語ればいいのである。外国人献金問題や闇世界との結びつきを国会で追及されても、ふてぶてしい態度をとり続けている野田佳彦首相は、衆議院議員の任期一杯まで政権の座にあり続けたい一心で、その場しのぎの政治をしているのではないか。そこで統治能力がある政府であれば、果敢にリーダーシップを発揮するが、責任逃れと言い訳に終始するようでは、最悪の事態を招くことになる。カール・シュミットが書いているように「主権者とは非常事態についての決断者」(『政治神学』)であり、政治の真価が問われるのは、まさしく危機的な状況においてなのである。
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