前川喜平はいかがわしい人間である。それをマスコミが持ち上げるのは、悪しき官僚と一緒の体質があるからだ。どちらも守旧派であり、所属する共同体の既得権益を守り抜こうとしているからである。そこで思い出されるのは、小室直樹が『危機の構造 日本社会崩壊のモデル』で述べた言葉である▼「エリート官僚は、軍事官僚も、行政官僚も、経済官僚も、すべて技術屋であり、信ずるものは技術だけである。どんな意味においても決断主体ではない。彼らがナショナル・リーダーとして決断を迫られれば当惑せざるをえない。このとき救いとなるのは、彼が所属する機能集団としての共同体である。この共同体は彼に自然のごとく所与にみえ、その機能的要請は神聖である」▼組織の機能的要請こそが絶対であり、それを変えようとする動きに対しては「本能的拒否反応」を示すのである。それがエリート官僚にとどまらずに、朝日新聞などのマスコミ関係者にもあてはまるのは、小室によれば「ほとんどすべての日本人の行動様式はこのタイプに造形されつつある」からだ▼安倍首相が目の敵にされているのは、決断主体としての政治を確立しようとしているからである。官僚組織の抵抗や、マスコミの反安倍キャンペーンは、それが許せないからだろう。安倍バッシングにはそうした根深い背景があり、だからこそ、安倍首相の忖度云々が大問題となるのである。
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