トランプ関税にどう対抗するかの議論が起きずに、悲観的な論調ばかりが溢れている。これでは日本の前途は真っ暗闇である。
吉本隆明がかつて「消費資本主義社会においては、政府がやるべき有効な不況対策はたった一つしかありません。それは、百貨店やスーパーといった小売り・流通分野など、消費にかかわる第三次産業が活発化するように、公的資金を投入することです。つまり。個人消費は刺激し、それを拡大させるしか手がないのです」(『超「20世紀論」下』)と語っていた。
内需のうちの約6割は個人消費だともいわれており、暴論と決めつけるわけにはいかない。しかし、吉本はその具体策については触れていないので、今私たちは自分で考えるしかないが、もっとも手っ取り早いのは消費税を下げることだろう。10パーセントから5パーセントにすれば、消費者マインドを刺激するはずだ。私のフェイスブックの友達である「はしもとかつじ」さんもそれを主張している。
もちろん、それは公共事業を否定することではない。個人消費が回復すれば、日本経済のパイも大きくなり、国土強靭化にも予算を回せるからだ。経済学者の意見ではなく、吉本のような今は亡き異端の意見にも耳を傾けるべきではないだろうか。