官僚が持ち出した行政文書をネタに、小西議員が高市大臣を追及したことから、あえて小西文書という言い方をするが、それで今回判明したのは、高橋洋一氏によれば、あまりにもくだらない文章で、論評に値しないという結論である。
しかし、小西文書なるものが、いくら内容がなかろうとも、政治的意図をもって、立憲民主の小西議員がそれを利用したことが大問題なのである。その意味では、国民民主の玉木代表がその点を指摘したことは、核心を突いたコメントであった。
そうなると、もはや小西文書に関与した者に対しては、今後も同じようなことがないように、刑事告発をするのが筋である。まず行政文書と政府が認定したことで、国家公務員違反にあたるのはほぼ確実だ。さらに、ありもしないことが書かれており、虚偽公文書作成罪の可能性も否定できない。
もっとも重要なことは、元官僚の松井孝治氏が述べているように「個人的官僚経験では首相や大臣含めて政治家の発言を記録した議事メモを政治家に内容確認した記憶はほぼ皆無(審議会の議事録などは秘書官室に確認するが)。今はその手のメモもサーバー上の共有ファイルに保存すれば原則行政文書になる」という恐ろしい事実である。
官僚の手になる恣意的な書き方がまかり通り、それが行政文書として残されるのだから、たまったものではない。
私たちは小西文書をきっかけにして、この国を官僚が動かしている生の現実に接することになった。平時であれば、それも許されるかもしれないが、現在は有事一歩手前であり、反一勢力と官僚が結託するのは断固阻止しなくてはならない。もはや特捜が乗り出すべき事案なのである。