元朝日新聞の記者であった本多勝一の『中国の日本軍』に使われていた写真が、まったくの捏造であったことが明らかになった。そこでのキャプションでは「中国の婦女子を狩り集めて連れて行く日本兵。強姦や輪姦は幼女から老女まで及んだ」と書かれていたのである。実際は「我が兵士(日本軍)に援けられて野良仕事よりへかえる日の丸の女子供の群れ」の写真であったわけだから、反日もそこまで徹底すれば見上げたものである。本多の弁解によれば、中国側から提供されたのだという。そこで思い出したのがイザヤ・ベンダサン(山本七平)との論争である。本多の『中国の旅』のなかで、南京で百人斬りをしたとされる日本軍の二人の少尉について、AとかBとかの匿名にしていることに対して、山本は疑問を呈したのだった。事実を書き記したルポと言いながらも、実際は中国共産党の言い分を、そのまま文章にしただけであったので、少しは本多も後ろめたさがあったのだろう。そして、「戦争犯罪」として裁かれたその出来事に関しても、本多は自分の口で弾劾をしているのではない。「結果ははっきりしないが、二人はたぶん目標に達した可能性が高いと姜さんはみている」と書くことで、逃げ道だけは用意していたのである。山本が述べているように、中共に「ゴメンナサイ」と謝れば、二人称の関係となり仲良くなれる。そうした思い込みから本多は書き散らしてしまったのである。「戦争犯罪」であれば裁かれるのはいたしかたない。しかし、安易な空気に便乗して日本を貶めることは、断じて許されることではない。朝日新聞も本多も共通しているのは、安易な取材を行って事実を隠ぺいしたことである。ジャーナリスト失格であるのはいうまでもない。
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