草莽隊日記

混濁の世を憂いて一言

政治は清流ではなく通説を重んじなければならない

2024年03月02日 | 三国志
 政治とは権力闘争でもあります。権力を手にしなければ、何一つ実現しないからです。中国の『三国志』を読むと分かりますが、いくら劉備が漢の再興を願おうとも、それは絵に描いた餅でしかありません。悪く描かれている曹操は徹底したリアリストでした。
 魏蜀呉のうちの魏が残ったのは、曹操が清流に与せず、気ままな通説を大事にしたからといわれます。きれいごとを言って偏屈な政治を行ったのでは、天下を治めることはできないからです。
 岸田首相という政治家は、清流でもないのに、しきりに自分がクリーンであることを強調します。自ら墓穴を掘ったのはそのためです。そして、権力を維持するためには、誰でも利用しますが、誰一人信用しているわけではありません。曹操のように、劉備の義兄弟の関羽に対してがそうであったように、敵陣営の者であろうとも、才能があれば、味方に引き入れるという度量は持ち合わせていません。
 その一方で、岸田自民党が憎い余り、最近では高市早苗さんまで、批判する人たちがいますが、それもまた料簡が狭すぎます。曹操のように懐が深くなければ、国の政治を動かすことができません。
 ことさら清流をスローガンにする政党は、政治を理解していません。政治家はいつの世にあっても、劉備よりも曹操を目指さなくてはならないのです。最終的に国家国民が幸福になり、世界が平和であればよいわけですから。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする