最近の世相は、故事が逆転した意味になっています。原発汚染では「国敗れて山河なし」。そして今政局は「急流、馬を換えず」が転じて「馬を換える」に。急流（難局）を渡るときは名馬をむやみに換えてはいけないの意味。それがあてはまらないのが、当世永田町事情なのでしょうか。
すでに死者１万５３１０人に達した大震災。しかしその復興再建は刻として進まない。それというのも後手の政策もさることながら福島第一原発事故の収束未解決状態が、まるでノドにつき刺さった鋭い骨のように取り除くことができないからだ。
政府が担うべき緊急課題は、人命に関わる「放射能被曝対策」と「情報公開」だ。人命ということでは拉致問題も急を要することで忘れてはならない・・。これらの対応で菅政権は合格点を出したとはとうていいえない。すでに昨秋の中国船尖閣ビデオのあたりでこの政権の寿命は尽きていたと思われるのですが。
大震災原発事故は、大きな国難だ。仔細を棚上げして与野党が一致して取り組むことが求められている。しかし了見の狭い自民党は挙国一致の「すくらむ」に応じなかった。もっともその前に、菅首相は本来ならまず身内の党内の小沢一郎氏の協力を得ることをしなければならなかった。党員権停止とかなんとかいって“座敷牢”に押し込めておくのでなく、緊急事態の“恩赦”で解いて、復興庁をつくるならその長に岩手出身でもある小沢一郎氏を充てるため内諾を得るような動きをするべきだった。小沢氏を縛ったままの菅氏の器のなんと小さいこと。
小沢一郎氏は、首相・総理への意欲は十分満ち溢れていると見える。ならば菅氏は、野党中心とした不信任案を受ける前に、同じ民主党内で小沢氏に禅譲（ぜんじょう、平和裏に有徳者に位を譲る）したら良いように思う。与野党からの要求で首相（名馬）が換えられるようなことにならないためにも。
解散総選挙の愚だけは避けて欲しい。全国選挙を実施する状況ではないし、無駄に国の財政を費やすべきときではないからだ。
もうすぐ国会は本会議、どうなることやら。。
【写真】名馬、ぐんまちゃんも動転
