ポポロ通信舎

(旧・ポポロの広場)姿勢は低く、理想は高く。真理は常に少数から・・

『原発を拒んだ町』に学ぶ

2011年06月10日 | 研究・書籍

明日で大震災・原発事故から3カ月。この間、親族を始め私は会う人ごとになるべく「原発問題」の話題を投げかけてきた。大まかな傾向として、シニア世代より40歳未満の若い世代、また男性よりも女性たちの方が原子力に対しての危機感を持ち脱原発の志向が強いと感じた。

全国で初めて原発の住民投票を実施した新潟県巻町。「原発誘致ノー」を選択した巻町の運動を推進したのは、40代を中心とした若い母親たちであった。当初町議会の構成は22議席中、推進派16人であったものを、住民投票制定派(反対派)が12議席を獲得し逆転。うち上位3者が女性新人で占められたという。

前町長の変心、反対派のなかでの動揺で2議員が鞍替え(裏切り)、そして町長リコールなど、すさまじい町内を二分した闘いが繰り広げられた。漁業組合は東北電力からの漁業補償金約27億円で黙ってしまった中、さいごまで子どもたちの健康、緑を守ろうと願った広範囲な主婦をはじめとした看護師、保育士さんらの活躍が原発を追いやった。

1996.8.4 投開票 

反対12,478票(61%) 賛成7,904票(39%)

巻町は2004年に新潟市と合併したが、この時も住民投票を実施している。

「巻町のたたかい」は全国の地方自治体に多くの教訓を残している。住民の民意を問う、この原点を為政者は決して忘れてはならないと思う。

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原発を拒んだ町―巻町の民意を追う
新潟日報報道部
岩波書店
コメント (4)
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