どうしてガイガー市場は日本製が少なく中国製が席巻しているのが不思議だった。放射線測定器を持参して中国旅行から帰国した人の話を聞くと、意外に中国国内の放射線量が高いのに驚いたという。中国には原子力発電所が27基ある。保有数では世界第7位。
放射線測定器の大衆市場では、中国製がその種類では圧倒しているがアメリカ製、ロシア製、ウクライナ製も目立つ。原発保有ではアメリカ104基(世界1位)、ロシア27基(4位)、ウクライナ17基(10位)・・。どうやら原発の数と無関係ではないように思えてきた。日本は例外、非常識。54基(3位)の原発立国であるのに同市場での種類は少なく福島原発事故前は、国民への普及は皆無に等しいほどであった。
中国製が多品種で数も多いのは、輸出ばかりでなく中国国内需要も高かったからではないだろうか。いずこも国策原発に関してはお上の発表はまゆつばもので信用ならない。そこで人々は健康面の自衛からも放射線測定器を活用し事実を自分の目で確かめていたのでは・・・。
石原伸晃発言は市民蔑視
石原伸晃議員(自民党幹事長)は「4~5万円の線量計は数値がまちまち。市民に線量計を測らせないようにしなければならない」と発言した。私はそれには同意できない。たとえ安価で精密度に欠ける線量計でも持っていたほうが自衛になる。このことは原発事故直後、福島県浪江町の避難例が物語る。
浪江町赤宇木の集会所には多くの人が集まって来た。「ここは自分が居た所よりも原発から27キロ離れているので避難する場所としては安心だと思った」。ところが、専門家の木村真三さんが測定したなら屋内で20ミリSv/時、屋外は80ミリSv/時と目が飛び出るような値を示した。つまり「逆避難」をしてしまったということに。(NHK・ETV特集)
もし避難した人の内で、誰か一人でも石原議員が嘲笑するような安物測定器でも所持して測っていたら、木村真三さんのかけつける前に別の行動なり、自主再避難をしていたかもしれないのだ。
私たちは熱が出た時に体温計を用いる。普通の人はこの体温計に正確性を求めるだろうか。仮に37度2であっても37度6であっても気にはならない。熱が有るか無いかの目安として体温計を使っているからだ。そのため病院は病院でまた測り直している。医療機関にとって精密さは必要でも、民間個人レベルでは、体温計にシビアな数値を期待する人はいないはず。それと同じことが放射線測定器にも当てはまると思う。
安くて劣る中国製ガイガーでも、無いよりは断然マシ!
中国は核保有国でもある。原発や使用済み核の管理等は果たして万全なのだろうか。放射線測定器が発達した裏側には、口に出せない民衆の不安が鬱積しているようにも思えてならない。
一方、日本は日本で国内に54基の原発がありながら、その立地周辺地域に住む人たちへの放射線測定器普及は決定的に遅れていた。情けない。「原発安全神話」がここでも害をもたらせていた。
環境から考えた脱原発論ですが、日本は地震国で人口密度の多い国であり、一番原発には向かない国としています。今更ながら言われなくても皆さんそう思っているでしょうが・・・
ただ、再生エネルギーでは原発の代替にはならないとの巷で聞く多くの説に反して、日本は地熱発電を柱に十分発電をやっていけると、非常に参考になる意見でしたので紹介させていただきました。
ビデオは30分強です。以下から無料放送中をクリックしてご覧になれます。
http://www.videonews.com/special-report/031040/002062.php
日本は世界でアメリカ、インドネシアに次ぐ第3位の地熱エネルギー大国なのですね。
TBSラジオの麻木久仁子のニッポン政策研究所でも取り上げていました。その時のメモも合わせてブログにまとめてみます。