ポポロ通信舎

(旧・ポポロの広場)姿勢は低く、理想は高く。真理は常に少数から・・

「消費税」調査リポート

2010年06月29日 | 経済
今回の参院選では、争点にはふさわしくないとはいっても事実上「争点」とされている「消費税増税」問題。
昨日に続きもう一度考えてみたいと思います。
税務を研究している友人のIさんよりの消費税関係のデータを以下、ご紹介します。納税者番号制度を導入など、まだまだ増税の前になすべきことあり、と感じます。
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1.消費税率(間接税率)は日本は高い方である。

*直間比率(個人所得課税負担率÷消費課税負担率) で見ると、
 日本は、米国はもちろん福祉大国より低く、消費税負担率が高い。
米国 2.03、デンマーク1.66、カナだ1.43、スウェーデン1.19、日本1.10、フィンランド0.97、
高い順に米国がトップで日本は福祉大国より低く11ヶ国中5番目なのです。
   (個人所得課税負担率は11カ国中最低)
*食料品の消費税は0%の国が多く、実質消費税負担率が低くなっている。
*日本の所得税の最高税率は給与所得にのみに適用され、資産性所得は分離され資産家には極めて低率。したがって最高税率を上げても給与所得者のみに負担が増え資産家には影響ない。

  総合課税と納税者番号制度による公平な課税がまず第一にするべきことです。

2.法人税は日本は必ずしも高くない。

*法人税率日米比較(法人税、事業税、住民税を含む)
 ニューヨーク45.95%、ロサンゼルス40.75%
 東京40.69%、日本標準39.54%
*法人税は、法人実効税率(法人税+法人住民税+法人事業税)で比較する必要がある。
 日本は、研究開発減税や租税特別措置などの政策減税を考慮したら高くない。
 住友化学;16・6%、キヤノン;34・6%、
 トヨタ自動車;30・1%、本田技研工業;24・5%
 パナソニック;17・6%、ソニー;12・9%、ブリヂストン;21・3%

前回の消費税分がそっくり高額個人所得者と高額法人の減税に回り、給与所得者はむしろ減給の憂き目に会い、消費不況にならざるを得なかったのが実態である。
(高額所得者は消費よりも海外投資に回るので日本の景気はよくならない)
もっと国民の間に、客観的なデータを開示して論議を起こすべきである。
◆個人所得課税負担率(対国民所得比、資産性所得課税を含む)
 日本は7.6%と1桁で11ヶ国で最低、他国は全て2桁
 これが日本の最大の特徴で問題なのです
デンマーク、スウェーデン、フィンランド、カナダ、イタリア、イギリス、ノルウェー、アメリカ、ドイツ、フランス、日本
 39.3%、  22.2%、   18.5%、   16.8%、14.4%、 13.5% 、 12.6% 、 12.0% 、 10.9%、10.3%、 7.6%
(財務省のデータ、日本08年、他国は05年)
※強制的に徴集する社会保険料は税として徴収すべきです、または所得控除を廃止すべきです(米国の税制)
所得控除のため社会保険料実納付額は所得に逆転しているのです。
▼個人所得課税が米国と同じなら税収は16兆円増になる、それで低所得者(課税最低減以下)には現金が支給されるのです(米国のEITC)
また食料品や医薬品には消費税がかからなくなるのです。
※16兆円増の根拠 
個人所得課税負担率をアメリカと同じ12.0%(日本7.6%なので4.4%増)にすれば単純計算で16兆円税収増になる、
(2008年の国民所得384兆円なので384×4.4%=16.8兆円となる)
※消費税率10%(+5%)に引上げても計算上の税収増は10兆円、だが景気へのマイナス影響は大きく税収増は期待できない(05年対90年比で消費税は5兆円増えたが逆に国税は13兆円減)
▼直間比率(個人所得課税負担率÷消費課税負担率)は高い順で米国がトップで日本は11ヶ国中5番目
米国 2.03、デンマーク1.66、カナだ1.43、スウェーデン1.19、日本1.10、フィンランド0.97、ーーー
福祉大国スウェーデンやデンマークよりも低い
これからも消費税増よりむしろ個人所得課税増が筋なのです、
※そもそも個人金融資産が1500兆円(うち現金と貯金は770兆円)もあるのに逆進性が高い消費税増が必要との意見は理屈に合わない
◆全ての所得を総合課税にすべきです。
日本では最高税率は給与所得にのみに適応され、資産性所得は分離され極めて低率なのです。
したがって最高税率を上げても給与所得者のみに負担が増え資産家には影響ないのです
個人所得税の最高税率(地方税を含む)は日本50%、米国47.6%(2001年まで50.1%、02年から45%、09年から現状)で現在では日本が高い、
だが日本では株の儲けや配当や金利や土地の売買での儲けなどの資産性所得税は分離課税しかも極めて低率、
例えば株の儲けや配当課税は10%(国税7%+地方税3%)と低率なのです。
米国では全ての所得は原則総合課税です。
▼納税者番号制度を導入すべきです、この制度が無いのは先進国では日本だけのようです、
個人情報保護を錦の御旗に日本は脱税天国になっており、おれおれ詐欺の温床にもなっており、年金問題もこの番号がないためです。
〓海外、食料品の消費税は0%!〓
消費税20%前後の国でも、食料品の消費税率は0%~5%程度です。
アイルランド :消費税21%でも、食料品の消費税は0%(無税)!
イギリス :17.5%→0%! メキシコ :15%→0%!
オーストラリア  :10% →0%! フランス :19.6%→5.5%
オランダ :19% →6% ポルトガル;19%→5%
ドイツ  ;17% →6%

■消費税21%のアイルランド国より、日本人は高負担。
 税収に占める消費税の各国比較
 日本22.7%  イギリス22.3%  イタリア22.3%  スウェーデン22.1%
法人税 「40%は高い」といいながら実は…
ソニー12% 住友化学16%
日本のトップ大企業の利益にかかる法人課税の実際の負担率が優遇措置によって30%程度であることが本紙の試算でわかりました。
日本経団連は現在40%の法人実効税率が高すぎるとし、減税を要求していますが、大企業が払っている税金ははるかに低いのが実態。
法人税減税の財源を消費税増税に求めるのは身勝手すぎます。
優遇税制で大まけ
平均3割
試算は大企業に対する優遇税制が一段と強まった2003年度から09年度の7年間を対象にしています。
経常利益の上位100社(単体)で負担率は平均33・7%でした。
財界は法人税の実効税率を25%に引き下げるよう政府に要求していますが、日本経団連の会長企業、住友化学が払っている法人課税の負担率はわずか16・6%でした。前会長の企業、キヤノンは34・6%です。
自動車メーカーでは最大手のトヨタ自動車が30・1%、本田技研工業は24・5%でした。電機ではパナソニックが17・6%、ソニーが12・9%。鳩山由紀夫前首相が大量の株式を保有していたブリヂストンは21・3%でした。
大企業は研究開発減税で大幅な恩恵を受けるほか、海外進出を進めている多国籍企業には外国税額控除などの優遇措置があり、40%の税率は骨抜きにされています。
法人実効税率は国税である法人税に地方税である法人住民税、法人事業税を加えた税率です。
この試算では、景気変動の影響を除くため各社の決算データから7年間の税引前当期純利益と法人3税の合計額で実際の負担率を計算しました。
銀行・証券・保険業と純粋持ち株会社は除きました。
日本経団連の税制担当幹部
「法人税は高くない」
「日本の法人税はみかけほど高くない」と財界の税制担当幹部自身が認めています。
阿部泰久・日本経団連経済基盤本部長は税の専門誌『税務弘報』1月号で、法人税について「表面税率は高いけれども、いろいろな政策税制あるいは減価償却から考えたら、実はそんなに高くない」との見解を表明。
「税率は高いけれども税率を補う部分できちんと調整されている」と説明しています。
 阿部氏はまた別の専門誌『国際税制研究』(2007年)で、大企業の実際の税負担率が高くない理由について二つの要因を指摘。
一つは、研究開発減税や租税特別措置などの政策減税。製造業では「実際の税負担率はおそらく30%台前半」。
もう一つは、大企業は「税金の低い国でかなりの事業活動を行って」いることから、「全世界所得に対する実効税率はそれほど高くない」。
そして、「他の国がもっと税率を下げてしまったので、調整が必要だというのは建前的な発言」だと、明かしています。(以上)

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