来月の参院選挙から投票年齢が18歳以上に引き下げられます。これは良いことですし若い新有権者の参加による好ましい結果が生まれることを期待します。
原発震災の起きた2011年9月の脱原発集会で制服向上委員会のリーダー、小川杏奈さん(当時高校生)が「子どものくせに、何も知らないくせにという批判もたくさんありますが、この原発事故は私たち中高生にもかかわる大きな問題です・・」とはっきり、世の中の動きに傍観者ではいられないと声にしました。そうです。ここに高校生の政治参加の意味があるのです。動画は会場にいた当方が撮ったものです。ご参考まで。
『問う!高校生の政治活動禁止』(久保友仁+小川杏奈・清水花梨 社会批評社)を読みました。
69通達は時代遅れ
1969年に当時文部省が高校における政治活動について通達を出しています。俗に「69通達」といわれるものです。通達からうかがえることは、「未成年の政治活動には期待していないし、むしろ行わないよう要請する」といった意味合いが感じられます。
届出制は自由に反する
昨年10月文科省が、全国の教育委員会に通知を出しました。残念ながら中身は「69通達」とあまり変わらず「政治活動は禁止することが必要で、郊外でも制限または禁止を含め適切に指導する」というものです。放課後や休日に行われる政治活動は届出制にすることを容認しています。政治的活動に届出制を求めるということは、のびのびとした参加意欲に水を差さないでしょうか。届を提出して集会に参加する、となれば届出先(学校当局)の顔色を強く意識し、思想信条の自由が侵されないでしょうか。ニラまれたら嫌だから、いっそのこと参加はしない、という風潮になるように思います。届出制が自由を奪うのです。
米ティンカー事件の先進判決
1965年、アメリカで中高生(兄が高校生、妹が中学生)がベトナム戦争に抗議して黒い腕章をつけて登校し停学処分になった事件があります。兄妹の名前をとって「ティンカー事件」と呼ばれたもの。連邦最高裁は「教職員は生徒に絶対的な権限を有するものではない。表現の自由は校門の前で立ち止まることはない」として生徒の権利を認めました。
生徒への「届出制」や教師に対して「中立性」を厳しく問い過ぎると、政治への関心は萎縮してしまう恐れがあります。文科省は「69通達」を根本から見直し、生徒&教師たちに自由な参加と授業を保障するように願いたい。自由を校門の中に入れてください!
問う! 高校生の政治活動禁止: 18歳選挙権が認められた今 | |
久保友仁+小川杏奈・清水花梨 | |
社会批評社 |
『原発は中高生にも大きな問題』 小川杏奈