魚のぶろぐ

2006/5/28~。現在復旧作業中です。ご容赦願います。 ぶろぐの写真はオリジナルです。無断転載はお断りします。

魚図鑑サイト、最近ひどすぎィ問題

2022年08月21日 22時41分48秒 | 魚類とインターネット
 
魚類図鑑サイトは昔は良質なものばかりであった。今はどうなのか。今は情報があふれていて、図鑑やメディアサイトも沢山あるが、殆どがみれたようなサイトではない。魚類図鑑サイトや、関連のオウンドメディアのうち、特に新しくできたものは最近酷いものばかり。なお、今回は文章と写真については一切関係がない。
 
まあこの度某ぼうず氏から聞いたのだが、他者が権利を持つ画像を勝手に使用するサイトがあるのだが、これはいったいどうなっているのだろうか。
たとえば「暮らし〜の」というサイトには明らかにどこかのサイトから拾ってきて使用しているのが目につくが、これは明らかに問題なのに、最近まで誰も指摘していなかった。サムネイルだけ見ても、シマドジョウ、キタマクラ、ハチビキ、アラ、クエ、他にもいろいろ。なお、無断転載していないフリー?画像については誤記のオンパレードで、イラの紹介画像で使われているのはイチモンジブダイだったり、クジメをタケノコメバルとして紹介していたりする。このようなひどいサイトはなかなか見なかった。「かった」と過去形になっているのは、ほかにももっとひどいサイトが多数あるからだ。
 
 
中身も酷い。インスタグラムを通じての引用であり法的には問題ないかもしれないのだが、出典不明、得体の知れない情報を流布したりすることがあり、フェイクニュースの温床となる危険性がある。「暮らし~の」の運営会社もオウンドメディアをつくることに特化している、というが、その分野に精通している人がいないと、このように他者から叩かれるということになる。
 
画像の無断転載についてはもはや論外であろう。この会社サイバーノットというそうだが、会社概要では資本金1億円、東京と大阪に事務所(まあどうせレンタルオフィスだろうが)を構えているという。それ程カネがあるのなら、画像の使用料金くらいいくらでも払えるのではないだろうか。まあ、最後は野球チーム横浜ベイスターズ運営会社のメディアサイトみたいに、ライターのせいにして逃げだすのかもしれないが。
 
そもそも最近出現したこのような低品質図鑑サイトは、記事作成をクラウドワークスなどに委託して外部ライターに委託して行われていることがほとんどである。もちろん、そのようなライターの質もピンからキリまであるのだが、上手く文章を組み立てることができるひとでないと、図鑑の文章は書くことができない。それはたいていの場合、魚の同定ほどではないのだが、非常に難しいことである。このようなライターは「副業」としてやっていることが多いと聞くが、このようなことで会社がおカネをライターに支払っているとしたら、それはおかしい話だし、むしろ健全な営業を妨害された、とライターに損害賠償を請求するべきではないだろうか。逆に企業そのものがフェイクニュースの温床などとし、名誉棄損や著作権問題で訴えられる危険性もある。企業はライターを外部委託で頼むのならば、それなりの覚悟が必要だ。
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ニセタカサゴ

2022年08月20日 22時48分34秒 | 魚介類を食べる

昨日鹿児島の田中水産さんから、ニセタカサゴが届いたので、今日塩焼きでいただいた。ありがとうございます。ニセタカサゴの含まれるクマササハナムロ属は日本には少なくとも6種がいるが、標本に基く記録があるのは4種のみである。九州以北でも3種が見られるが、大きく育ち安定して漁獲されるのはこのニセタカサゴ程度で、あとは幼魚のみか、わずかにしか漁獲されない。標準和名タカサゴも高知にはある程度いるようだが、幼魚しか見たことはない。

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ヒノマルテンス

2022年08月19日 11時28分25秒 | 魚紹介

ネタが少ないので、今日も以前入手した魚のご紹介。スズキ目・ベラ科・テンス属のヒノマルテンス。ヒノマルテンスはテンス属としては最もわかりやすい模様を持っているため、ほかの種とは見分けやすい。

ヒノマルテンスの体側。体は白もしくは灰色っぽく、体側中央部には目立っている日の丸模様がある。ただし水中では暗色に見えることが多い。また小さいうちは模様が楕円形になったりするなどして、きれいな日の丸にはならないことがある。ホシテンスなどに見られる横帯などは見られない。ホウキボシテンスも体側前半に大きな赤黒い模様をもつが、体側後方にも縦帯の斑紋を有することで見分けられる。またIniistius umbrilatusという種もよく似た模様を有しているのだが、これはハワイ諸島の特産種である。

テンス属はベラ科としては特異的なグループ。体がうすっぺらで、かなり側扁している。睡眠はほかのベラの多くと同様、砂の中に潜って眠る。

和歌山県以南に見られ、分布域は広めなのだが生息水深が20mほどの砂地、ということでやや深場であるため、ダイバーに観察されることは少ないようである。海外では西太平洋とインドネシアに生息している。生息地では食用とされ、今回も煮て食べたが美味であった。観賞魚としてはごくまれに入荷されるものの、めったに見られない希少な魚である。数が少ない、というよりは現地漁師さんがあまり本種を採集しないのだと思われる。というか、テンス属自体観賞魚店ではほとんど見られず、市場行きとなることが多いように思われる。

この個体はHN「どぅ」さんよりいただいたもの。ありがとうございました。今日は鹿児島からまた「大物」が届く予定ではあるのだが、紹介はまた後日で。

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クロアナゴ

2022年08月18日 21時44分02秒 | 魚紹介

意外なことにこの「魚のぶろぐ」では、過去一度も紹介できていなかった、ウナギ目・アナゴ科・クロアナゴ属の魚。属標準和名にもなっている、クロアナゴをご紹介。

クロアナゴは日本においては青森県以南の太平洋岸、津軽海峡、日本海、琉球列島と広い範囲に生息している。海外では朝鮮半島、台湾、澎湖、中国に分布している。日本周辺の東アジア沿岸の特産種である。日本においてクロアナゴ属は4種が知られ、このクロアナゴ、ダイナンアナゴ、キリアナゴ、そしてマアナゴが知られているが、キリアナゴはおもに琉球列島以南に分布しており(和歌山県以南で見られる)、キリアナゴを除く3種は本州~琉球列島に広く分布している(マアナゴは琉球列島ではごくまれ)。この4種のうちマアナゴは体に白色点列があり、マアナゴの側線孔は白色斑の中にあるなどの特徴があるためほかの種との見分けは容易である。

しかし、クロアナゴ、キリアナゴ、ダイナンアナゴの3種はやや見分けにくいところがある。ダイナンアナゴは本種によく似ており、北海道、東京湾以南に見られるが、クロアナゴの背鰭は胸鰭よりもだいぶ後ろのほうにあるのに対し、ダイナンアナゴでは背鰭が胸鰭のすぐ上のほう、またはわずかに後方からはじまる。また胸鰭軟条数はクロアナゴ15~16軟条、ダイナンアナゴ19~21軟条という違いもある。ダイナンアナゴは魚類検索では初版、第二版ともに頭部のみの図版が掲載されていた(Jordan and snyderからの模写)が、第三版になりようやくしっかりと全体図が描かれるようになった。一方キリアナゴはさらに背鰭が前のほうからはじまり、胸鰭中央上付近からはじまることでほかのクロアナゴ属と見分けられるようだ。残念なことに、ダイナンアナゴとキリアナゴの写真は持っていない。いつかこれらの魚を入手出来たらご紹介したいと思っている。なお、クロアナゴの学名は長い間Conger japonicusとされたが、これはマアナゴの異名とされた。現在はConger jordaniとされている。この個体は2020年の秋にきさいや広場で購入した宇和海産の個体。

なお、クロアナゴに出会ったのは、これが最初ではない。2007年以降、何度も見ている。ただし状態があまりよくなかったりして、紹介できていないこともあった。2007年に松野の「おさかな館」から頂いた個体は7.4㎏、全長1140mmもあって驚いたものである。この写真は2010年に高知県の漁港で浮かんでいた個体。おそらくイセエビ網か何かで漁獲されたのだろう。しかし展鰭が今見たらあまりにも適当である。

クロアナゴは大型になり底曳網や釣りで漁獲されて市場にでる。市場価値はマアナゴほどではないようだが、白焼きなどにして食され、そこそこ美味である。

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モヨウキホウボウ

2022年08月17日 23時20分53秒 | 魚紹介

こんばんは。「坊主」の愛称でおなじみの元AKB48、峯岸みなみさん、ご結婚おめでとうございます。推しメンと結婚できるなんて、You Tuber、うらやま。

今日は以前入手した深海性魚類のご紹介。残念ながらこのぶろぐではご紹介できていなかったもの。スズキ目・キホウボウ科・キホウボウ属のモヨウキホウボウ。

キホウボウの頭部背面

キホウボウ属の代表的な魚はキホウボウである。吻の棘はやや長めである。吻棘はやや外側に開く、もしくはまっすぐに近い。従来ヘリキホウボウとはこの特徴で見分けられるとされていたが、この形質は同定には使えなくなったようだ。たしかに、キホウボウにもまっすぐに近い吻棘を有する個体がいたと思う。

モヨウキホウボウの頭部背面

こちらはモヨウキホウボウの頭部。吻棘はキホウボウと比べると明らかに短くへら状をしている。また吻棘には微小な棘が生えているのも特徴といえるかもしれない。最初この個体を見たときはトゲキホウボウかと思われたが、鰓蓋付近に明瞭な棘がなく、トゲキホウボウとは容易に区別できた。南日本太平洋岸から東シナ海にかけて見られ、底曳網で漁獲されるというが、個体数はキホウボウなどよりもずっと少ない。

今回のモヨウキホウボウは長崎県産。石田拓治さん、いつもありがとうございます。

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