花の四日市スワマエ商店街

表参道スワマエ商店街会長のひとり愚痴

市井からの眺め94関西鉄道 ㉔

2020年07月22日 | レモン色の町

明治40年10月1日午後2時25分、平井総裁、山之内副総裁らの一行は、湊町停車場に到着した。これを出迎えた片岡関西鉄道会社社長と重役各課長の案内で、同社の事務所に至り、会議室において片岡社長より、財産明細目録及び職員名簿を提出。続いて総裁らが携えてきた社員登用の任命書を交付して、記念撮影を行い、受け渡しを終了した。これで、湊町営業所は、湊町事務所となり国営鉄道としての営業を始める。殆どの社員もそのままで、給料も大きな変化はなかった。この日、平井総裁一行は中之島の花屋に投宿の予定だったが、夕刻から関西鉄道の案内で南地の富田屋に招待、慰労の宴会席を設けた

大正中期の湊町機関車庫

前日の、明治40年9月30日。当社最終日に際し、片岡社長は社員に告示を行っている。

我が関西鉄道株式会社は、創業以来十有八年。その間幾多の変遷に耐え 幾多の困難を凌ぎ 以てよく今日の盛況を見るに至れるは、これ職員として諸氏が日夜社業に邁進されるが故にあり、私が厚く感謝するところである。然るに、愈々明日、国有法により、挙げてこれを政府に引き継ぎ、諸氏また転じて官営鉄道に入らんとす。思うに諸氏の前途は益々多忙にして、政府の期待も大きいものがある。どうか勇往邁進の貢献を期待するところであります。決前に臨み、一言、もって諸氏、多年の勤労を謝し、併せて、将来の栄達を祈る。

 大正中期の湊町機関車庫 放出分庫