花の四日市スワマエ商店街

表参道スワマエ商店街会長のひとり愚痴

“ラ・ソージュ34”その2

2015年03月30日 | 諏訪商店街振興組合のこと

前回ご紹介した“ラ・ソージュ34号”。あらためて見直し、表紙のおもしろさに気付きました。垢ぬけした不思議なデザインです。手の中のレトロな懐中時計は、大入道がむこうを向いて、腰を折って四時を指している。四日市の四も意味しているのか?

表紙裏にコメントがあった。

表紙「もうすぐ四じ」絵:後藤美月

 大入道はきらい。

 お祭りではじめてみたときからきらい。

 わたしがないているのに

 おとうさんが笑っていたのもいや。

 ゆめの中にまででてきて、

 おふろの窓から首をだしたのもいや。

 紙でできた大入道のおもちゃもきらい。

 あの紙の大入道がしまってあるから、

 押し入れをあけるのもいや。

 四じまでに帰らないと、

 おとうさんがまたおもしろがって、

 あの紙の大入道を出してくるから、

 はやく帰る。

大入道は元来、脅しをかけるために出来たそうで、初めて目にしたこどもが恐怖を感じるのも当然でしょう。それだけにインパクトが強いわけです。


文化展望・四日市“ラ・ソージュ34号

2015年03月29日 | 諏訪商店街振興組合のこと

 34号の表紙

“文化展望 四日市 ラ・ソージュ”の34号が書店にて発売されました。実は、数か月前、編集委員の森さんから連絡をいただき “特集 暮らしっくな楽しみ”の映画のコーナーを担当させていただきました。不十分な記憶でしたので何度も編集し直していただき、四日市の映画館の変遷史と振興組合で取り組んでいる映画会のことを中心に4ページの記事ができました。

四日市の映画館変遷まっぷの一部

 四日市諏訪商店街振興組合では“小津安二郎再発見”“松竹キネマの集い”“松竹キネマへの誘い”“山田洋次の仕事”と4年間にわたり上映させていただきました。そして、たくさんの方にお越しいただいた訳です。

今やDVDでいつでも、どこでも、何度でも映画鑑賞が出来る時代です。それでも、会場まで足をお運びいただくのはどうしてか?森さんから集いの成功要因について尋ねられ、次の様にまとめていただきました。「ひとりでDVDを観るのではなく、大勢で同じ映画を観て周りの息遣いや笑いや涙を感じられることが要因となっている」

“てなもんや三度笠”と云うテレビ公開番組がありました。大ヒット番組です。ご多分に漏れず映画化されました。ところが大入りとはならなかった。これは、公開番組で観客の笑い声が聞こえたからこそ面白かったのです。落語も云えますよね。今回の映画会で、後ろから見ていると、ここぞというシーンで泣いてみえる方が居ると、「ヤッタ!」と思ってしまいます。共有できる楽しみがあるからでしょう。そういった意味では、最近のシネコンでは、昭和30年代のような楽しみ方は難しいのかもしれません。

文化展望・四日市“ラ・ソージュ”34号をご覧いただければ幸いです。


“学校Ⅳ十五才”感想3

2015年03月27日 | 諏訪商店街振興組合のこと

Kさんから感想をいただきました。ありがとうございました。

「おもしろかった」というより「良かった」です。感想はいかがでしたか?の問いに「感動した」とかも入れてください。

主人公の年齢の人が観たら、悩んでいる気持ちがなくなると思います。大人の人が観たら、その当時のことを思い出したり、今からでもこれからの人生で考えさせられる映画だと思いました。今回の映画会は「学校Ⅳ」だけしか参加できなかったので残念だった。

麻実れい(引き籠り児を持つ母)さんが泣くところ、涙が止まりませんでした。きれいでした。宝塚で男優だったとは信じられません。思わず「あっ!スカートをはいている」と思ってしまいました。ショックだったのは、あんな(引き籠りの)大きい子がいる役だったこと、家でビールを飲んでいたこと、トラックの運転手をしている役だったこと、そして一番ショックだったのは、人からも自分からも“おばさん”と呼んでいたことです。昔とちっとも変ってないのに・・・。

丹波哲郎さんの唄が聞けてうれしかった。体調がおかしくなった後、あのまま・・・と悪いことも考えてしまったけれど無事でよかった。丹波さんは“Gメン”のイメージなので、病人の役をされるのは意外だった。元気なままの方でいてほしかった。

また、丹波さんが息子役の前田吟さんに言われたセリフ「兄弟も迷惑するし、近所の人も迷惑だ」はひどいと思いました。「兄弟も心配だし、近所の人も心配するし」とか言った方が良かったと思う。“近所の人たちの迷惑”というより“近所にも迷惑をかける”と云った方がもっと良かったと思う。

主人公が出会った人たちが、それからどうなったかを知りたい。“男はつらいよ”の前田吟さんは何とも思わないが、今回は嫌な役だった。

最後、大介が登校したとき、教室のみんなは休んでいた訳を聞かなかったり、質問攻めにしなかった思いやりが良かった。黒井先生(中村梅雀)が「久しぶりに、出欠というものを取ってみるか」と云ったところが優しい感じでよかった。何回も名前を呼ばれ、先生、友達、隣の女の子の励ましの目線に、暖かさや友情がものすごく感じられた。

坂上二郎さんの唄で「学校」という歌がありましたが、映画の題名を見たとき“山の中の学校で、数人の生徒さん達の物語”かな?と思ってしまいました。麻実れいさんの出演で、今回だけの参加ですみませんでした。でも、観て、本当によかったです。今度は出来るだけ行きたいと思っています。その時を楽しみにしています。

 Kさん、感想をありがとうございました。ある日、私のところを訪ねて、麻実れいさんの名前が間違っていることを指摘いただきました。詳しさに驚きました。ファンなのですね。

今回上映の作品。特に学校ⅢとⅣは、私たち身近な社会問題を提起している作品でした。山田洋次監督の作品を観るたびに“底抜けの優しさ”。振りではなく根っからの優しさに触れることが出来ました。そんな人に、少しでも近づきたいと思っています。

今回の鑑賞会“山田洋次の仕事”にお付き合いいただき、ありがとうございました。


“裏窓”の深読み

2015年03月25日 | わたくしごと、つまり個人的なこと

加藤幹郎氏は著書の中で“妻殺しは本当に起きたの?ジェフの単なる考察にすぎないんじゃないの?”と問いかけていて、内田氏は“ジェフの住むアパートは全く人気がない。これは何を意味するのか?”を挙げています。

最初、三枚のブラインドが上がり向かいのアパートが現れます。本作の舞台である風景、ブラインドは劇場の幕です。ジェフと私たちは暗い場内(こちら側のアパート)から向こう側の物語を鑑賞しているのです。ジェフの住むアパートに人気のないのは当たり前。劇場内の我々の世界だからです、と思います。

スクリーンの向こう側、向かいのアパートを現実と混同し、起きてもいない(と思われる)殺人事件を実際にあったなどと言うものではありませんよ」監督は語っているようです。「それごらんなさい。最後は映像を飛び出して、こちらへやってきたではありませんか」

現代のネット社会への警告、と捉えるのは深読みのしすぎでしょうか?(多分 シスギ です)

ま、おもしろい映画です。はじめと反対に、3枚のブラインドは閉じられて、この映画は終わります。


“裏窓”の謎

2015年03月23日 | わたくしごと、つまり個人的なこと

アルフレッド・ヒッチコックの“裏窓”をDVDで観る。実は三度目でアリマス。図書館にて加藤幹郎著“ヒッチコック「裏窓」ミステリの映画学”を読んだところ“妻殺しの殺人は起きてなかったのでは?”との内容に驚愕。改めて観る気になった訳です。

冒頭の音楽は、野村芳太郎監督の“張込み”を彷彿とさせる。“張込み”は1958年、“裏窓”は1654年だから、野村監督、意識していたのではないか?どちらも“覗く”行為が中心になっている。

自動車事故で骨折したカメラマンのジェフ(ジェームス・スチュアート)はギブス生活を送っている。動く事の出来ない退屈な毎日。向かいのアパートの風景が自然に目に入る。様々な人々が様々な生活を送っている。そう、人生の縮図を見るようだ。下卑た好奇心をくすぐる覗き趣味スレスレでストップしているのがヒッチコックさまの腕の冴えでアリマス。

そんな中で、向かいの中年夫婦の部屋が気になる。妻は病気でベッド。貴金属のセールスマンである夫(レイモンド・バー この人テレビヒット番組のペリー・メイスンです)とは仲が悪く口論をしている。深夜、3度、雨の中トランクを運び出す夫を窓から目撃する。そして妻は居なくなる。肉切り包丁とのこぎりを新聞紙にくるむ夫。これはもう妻は夫に殺されてバラバラにされたに違いないと、思い込まされる。

この本の著者である加藤氏は「あなた、殺されるところを本当に見たの?」と疑問を投げる。「ジェフはたびたび訪れて結婚を迫る美女(グレース・ケリー)の話をはぐらかそうと、あらぬ事件をでっちあげたんじゃないの?」と・・・。

確かに、深夜、ジェフが居眠りをしている間に、二人が部屋から出ていくところが映されていた。あの女性は誰だったのか?

そしてすべてが解決した最後のシーン、「帽子入れの中を見るかい?」と問いかける刑事に、介護士のステラは「バラバラ死体見たくない」と言ったあと、ふと何かを思いついたような顔をする・・・。何を思いついたのか?

また、内田樹著“映画の構造分析”によると、ジェフの部屋の窓から目線のみで進行していた映像が、最後にジェフ側のアパートが映されるシーンがある。向かいの生活感あふれる建物に対して、ジェフのアパートの周りの部屋はスベテ真っ暗。人気が全く感じられないのです。これっていったい何を意味するのか?

謎の多い作品、また観たくなる映画です。


“時空街道”オープン!

2015年03月21日 | おいらの商店街

本日、四日市市立博物館が環境未来館を併設してリニューアルされた。公害資料館も注目だが、「時空街道」が出来ることははじめて知った。原寸大の宿場が再現されているということだ。

ところで中日新聞の記事に“日永の名物まんじゅう”とある。“餅街道”は周知だけれど、“まんじゅう”も名物だったのか。

十返舎一九の“東海道中膝栗毛”に日永の追分で饅頭喰い競争をする場面がある。

講中「なあまあだあ。なあまあだあ」

弥次郎北八は、行列を見送りながら、

十ねんをまうしながらのくつさめは あつたらくちに風をひかせし

 詠みすてにして、行くうちに追分に着いた。ここは、関東より大神宮参詣のための別れ道である。茶屋にまんじゅうの名物がある。

茶屋女「お休みなさりまあせ。名物まんじゅうの温いのをあがりまあせ。おぞうにもござります」

北八「右側の娘が美しいぜ」

弥次「鍵屋って店の子どもめらも、愛嬌がこぼれてるぜ」

茶屋に入り腰をかける。

女「粗茶をどうぞ」

弥次「まんじゅうも試食してみよう」

女「はいただいま」

 ここで金毘羅参りらしき男と、まんじゅうの大食い競争をすることになるのだが、弥次さんはすっかり騙されてしまうという物語になっている。

四日市宿にその様子がなかった“餅街道”。日永追分でも餅ではなく“まんじゅう”だったようだ。


“学校Ⅳ 十五才”感想2

2015年03月18日 | 諏訪商店街振興組合のこと

何時もいただくKさんから、感想が届いていました。ありがとうございました。

監督は「ミツオ」という名前に愛着(こだわり)があるのでしょうか?この作品では前田吟さんが「ミツオ」役で登場。ちょっとビックリ。そう言えば、主役の男の子も、どことなく吉岡秀隆さんに雰囲気が似ているような気がします。

この作品は、少年が大人へと成長していく物語。主人公はうまく大人の階段を登って行ったようです。(いつまでも子供のままの自分としては、うらやましい話です)

屋久島の自然スバラシイ、一度はこの目で見てみたいものです。

主人公の男の子は、今でも役者を続けているのですか?

 

金井勇太さんは、現在29歳、俳優として活躍中です。そして、2歳になる男の子のパパです。

映画では、「カムイ外伝」(2009年)「東京難民」(2014年)「君に届け」(2010年)「イキガミ」(2008年)「北の零年」(2004年)等に出演。

最近のテレビドラマでは、「永遠の0」「花子とアン」「科捜研の女」「京都地検の女」などで活躍中です。


“健康講座”のアンケートより

2015年03月15日 | 諏訪商店街振興組合のこと

3月6日実施の“健康講座 第11回 健康体操と食事療法”開催時にお願いしたアンケートのお応えが届いていました。Iさん、ありがとうございました。

前回の“健康体操”あれ以来、ちょっと空き時間があれば実行しております。特にこの寒い時期に、少しでも体を動かして体温を維持しております。

余裕のある昼中は、ウォーキングをやっておりますが、準備体操を込めて少しでも体を動かすように心掛けております。

まだ、月の半分程度仕事に出ておりますので、なかなか参加できませんでしたが、来年度もこの地域活性化事業が続きますように。

本当に有難うございました。また機会があれば宜しくお願いいたします。

最後の第11回講座“健康体操と食事療法は好評でした。続けてほしいというお手紙も2通来ていました。

もう一通の方からは、サンシ前罹災地への希望が書かれていました。私の希望と一致いたしました。ありがとうございました。

1階は、誰でもが自由に出入りができるようにして、高齢者だけではなく、子供も大人も楽しめるような事が良いと思います。たとえば、朝はラジオ体操、そして、昼からは料理や、夜は映画とかお笑いなどをしたら良いと思います。

健康講座は結構人気でした。市の“健康づくり課”さんに、是非講座を続けていただきたいものです。


“学校Ⅳ 十五才”上映!

2015年03月14日 | 諏訪商店街振興組合のこと

3月13日午後6時より“元気がいちばん(映画会)学校Ⅳ 十五才”を皆様と共に鑑賞させていただきました。今回もたくさんの方にお集まりいただき、感謝のひとことです。

第1回の“浪速の恋の寅次郎”そして“寅次郎夕焼け小焼け”“たそがれ清兵衛”吉村英夫先生の講演を挟んで“家族”“学校Ⅲ”“学校Ⅳ 十五才”と山田洋次監督の感動のラスト作品6点を上映いたしました。

上映後、少しお時間を頂戴して、1回目からお手伝いいただいている北勢地域若者サポートステーションの皆さんに並んでいただき、感謝の拍手を送らせていただきました。皆さんよくお手伝いいただきました。ありがとうございました。

早速、Tさんから感想が届いています。

 山田監督は実に心の優しいお方ですね。どんな時にも相手を見下すということがありません。人間は失敗や過ちを繰り返すのが常ですが、決して切り捨てず諦めない。どの作品でも、悩める人、弱い立場にいる人々の気持ちに寄り添っています。

この「学校Ⅳ 十五才」はそんな監督の真摯な心を感じ取って、率直に自分の気持ちを語ってくれた不登校の子供たちをはじめ、数多くの人々の協力によって出来上がった作品なのですね。

作品では主人公の大介がヒッチハイクを続けていく過程で出会い世話になる(最後はついに世話をしてあげることになるが)人物像が、大変面白く描かれていました。

① 常識的で少し上から目線の引越センターの小父さん・・・笹野高史

② 元、チョイ悪少年だった、話せる兄貴と云った感じのトラック運転手・・・赤井英和

③ 夫とは別れ、痴呆気味の老母、引きこもり続けている息子、明るく健気な中学生の娘との4人暮らしを支える心優しい頑張り屋の女性ドライバー・・・麻実れい

④ 目的地である屋久島で出会い、一緒に縄文杉を見るため同行し、生きる意味への良きアドバイスをしてくれたお姉さん・・・高田聖子

⑤ 老い行く姿を通して、大介に“大人になるとは、どういうことか”を教えてくれた元シベリア抑留兵の老人・・・丹波哲郎

①から⑤へと旅を続けていくうち、まるで昔話の「わらしべ長者」の様にどんどん得るものがずっしり大きく(心が成長)なっていきます。

映画(ドラマ)では完結(ハッピーエンド)しなければならないので、主人公は再び登校することになりますが、現実の不登校児たちには、このような短期間での、文字通り劇的な“立ち直り”はとても とても とても難しいのです。

それでも、イエ、それだからこそ監督は映画を通して、彼ら、彼女ら、そして家族らにエールを送り続けているのですね。