文化展望四日市第8号(平成3年) 椙山満 著 四日市今昔より
昭和6年西福寺境内に並んだ魚づくしの練り物たち
戦前の四日市祭禮(まつり)に、人魚を始め大小の魚たちが、とりどりの色を添えて楽しませてくれた北条町の魚づくしという練り物は、この町に魚の棚と呼ばれる魚の問屋街があったことに由来していた。
西福寺 平成3年
魚の棚の東隣にあった西福寺の境内に納屋に、多数の魚たちが格納されており、祭礼が近づくと、本堂の阿弥陀様の前でおカッパの人魚がメイキャップを始める姿は何ともご愛敬で、四日市に秋の訪れを告げる風物詩のひとつであった。
昭和13年の地図より 老松橋南 第六小学校の東に北條町 北条町は今も健在
福田武夫氏による浜往還 ここに魚の棚通りの文字がある(昭和天皇御大典当時)
豪華絢爛を競う邌物のなかで ユニークな存在だったと思える 残された写真はモノクロですが 当時は赤や青の色彩であふれていたのだろう 夢物語を見るようだったと当時の人が感想を書いていた