花の四日市スワマエ商店街

表参道スワマエ商店街会長のひとり愚痴

“賀状” 長田 弘

2015年11月30日 | わたくしごと、つまり個人的なこと

高校時代の同級生からお線香の配達を頼まれた。友人の奥さんが亡くなり、賀状ご遠慮のハガキが届いたからだ。お線香を持ってお宅へ伺うと建築後数年も経たないりっぱな邸宅に驚かされた。

後日譚によると、友人は、一時会社経営が成り立たなくなり、落ちるところまで落ちた。奥さんは内職をして家計を助けた。堅実な性格が功を奏して、大手から下請けの仕事が舞い込み、会社は盛り返した。我が家を建て直し、これからゆっくりという矢先に奥さんが癌で逝った。

「どうして知らせてくれなかったのか。水臭い」と同級生は話す。

このことと関係はないが、こんな詩を思い出した。

 賀 状    長田 弘

 古い鉄橋の架かったおおきな川のそばの中

学校で、二人の少年が机をならべて、三年を

一緒に過ごした。二人の少年は、英語とバス

ケットボールをおぼえ、兎の飼育、百葉箱の

開けかたを知り、素脚の少女たちをまぶしく

眺め、川の光りを額にうけて、全速力で自転

車を走らせ、藤棚の下で組み合って喧嘩して、

誰もいない体育館に、日の暮れまで立たされ

た。

二人の少年は、それから二どと会ったこと

がない。やがて古い鉄橋の架かった川のある

街を、きみは南へ、かれは北へと離れて、両

手の指を折ってひらいてまた折っても足りな

い年々が去り、きみたちがたがいに手にした

のは、光陰の矢の数と、おなじ枚数の年賀状

だけだ。

元旦の手紙の束に、今年もきみは、笑顔の

ほかはもうおぼえていない北の友人からの一

枚の端書を探す。いつもの乱暴な字で、いつ

もとおなじ短い言葉。元気か、賀春。


“第三の男”上映会

2015年11月28日 | 諏訪商店街振興組合のこと

11月27日(金)午後6時より、52名の方にお集まりいただき“第三の男”の鑑賞会を開かせていただきました。数日前からすっかり冬の気候となり、寒い中お集まりいただいた皆様には感謝でございました。

早速、感想をTさんから頂戴いたしました。毎回投稿いただき有難うございます。

映画評論家の淀川長治氏が絶賛して止まなかった「第三の男」。その感想文。私には荷が重すぎましたが・・・

全編にチターの演奏(アントン・カラス)が流れていたのが強烈なインパクトでした。曲の一部は今なお名曲として親しまれていますね。

さて、この映画のテーマは一体何でしょう?友情とは?正義とは?

9年振りに再会した親友同士の二人の男。観覧車の中で意見を戦わせ、更に別れ際に「一般民衆にとって、悪政に泣かされ続けたイタリアには大天才ミケランジェロが現れ、片や平和に統治されて来たオーストリアには平凡な人間しか存在しない。」といった意味のハリーの言葉が耳に残った。

最初は友情を重んじて、親友逮捕工作には加担しないと言い切っていたマーティンであったが、案内された病院で目にした現実・・・闇取引で使用された水増しペニシリンを投与された沢山の子供たちが重篤(障害者となったり、死亡したり)な被害を受けていた。そして、山積みにうち捨てられたぬいぐるみの人形達が、彼らの悲しみ苦しみ そして無念さを無言で強く訴えかけていた。

気位の高い猫に慕われているハリーは、本来は心優しい人間であった筈。その親友を撃たざるを得なかったマーティンの心中は?

そんな中で、ヒロインのアンナが始終冷静で(取り乱すことなく)自立している強い女性であったのが対照的で面白かった。

Tさんありがとうございました。

左がクルツ男爵

悪役で異様な感じの男優は誰?とのご質問がありました。

クルツ男爵に扮していたエルンスト・ドイッチュはプラハ出身の舞台俳優で、ナチス台頭後はイギリスに亡命、戦後オーストリアに戻りました。この時映画の出演要請があったのでしょう。立っているだけで悪役という役者いますよね。役作りに達者でないと悪役は出来ません。

※ ハリー・ライムの言葉「イタリアで30年間に渡るテロや虐殺や闘争の結果、ミケランジェロやダヴィンチ、ルネサンスが生まれた。スイスの500年に渡る民主主義の産物は?ハト時計だけさ」

それから、ハリー・ライムが下水道で追い詰められた時、追い駆けてきたホリー・マーチンと目が合いましたよね。「俺を撃ってもいいぞ」と言っているような目が印象的でした。カッコイイ悪役を演じたオーソン・ウェルズ、名優です。


原節子逝く

2015年11月26日 | わたくしごと、つまり個人的なこと

原節子さんが9月5日亡くなってみえました。いたずらに晩年を大衆にさらさない、大女優さんでした。

組合の映画会では、多くの作品を鑑賞できるご縁を頂きました。ありがとうございました

山中貞雄監督「河内山宗俊」より  十五歳の原節子 銀幕の本格デビュー作

ろくでなしどもが、娘を助けるためにやくざと渡り合い命を落とす。名作デス!


四日市映画祭☆準備会 開催!

2015年11月22日 | おいらの商店街

11月20日午後7時より、すわ公園交流館で“第1回 四日市映画祭☆準備委員会”が開かれました。

私もお誘いをいただき、“よっかいち お菓子フェスタ実行委員会”を終え、少し遅刻でお邪魔致しました。何と私がいちばん高齢(次が森さん)。これは、瀬木監督と渚君、そして久安氏の映画づくりが起爆剤になっている様子です。世代と立場を超えてたくさんの四日市映画大好き人間が集まったことに驚きと感動を覚えました。

各自、自己紹介の後、映画製作と映画イベントに分かれてフリートーキングをしました。俳優さん、大学の先生、生徒さん、何でもない方とジャンルは様々。皆さん熱のこもったご意見を持っていました。

数日前のニュース番組で、ご当地のフィルムコミッションの力で時代劇が製作され、まちおこしに役立っていることが紹介されていました。

まずは、小さな作品で良いので四日市を舞台にした映画をつくってはと思います。完成発表のイベントを行い、ロケ地(例 末広橋梁)の紹介などで掘り下げを行う。作品を軸に四日市の風景の広がりと、歴史探訪などの内容で深みを作り出す・・・と思いついてみました。

ミーティングばかりで実行が遅れると、熱が冷めます。“鉄は熱いうちに打て”デス。

ナマイキナコトを申しました。陳謝!


われに七難八苦を与えたまえ!

2015年11月17日 | 映画の名言、映画の迷言

11月10日の四日市商工会議所小売商業部会視察旅行でのこと。帰りのバスでガイドさんがかけたDVDは何とお坊さんのお説教。その中で、ドラえもんのお話が出てまいりました。しずかちゃんがお嫁さんに行く前夜のお父さんのことばです。

「のび太君を選んだ君の判断は正しかったと思うよ。あの青年は人の幸せを願い、人の不幸を悲しむ事の出来る人だ。それが人間にとって大事なことだからね。彼ならまちがいなく君を幸せにしてくれると、僕は信じているよ」

人の幸せを願い、人の不幸を悲しむ事の出来る人・・・良い言葉です。

そして、こんな名言も発見いたしました。

(注)このシーンでの言葉ではありません

のび太のお父さんのことばです。

「いつもそうだが、

きみのやっていることをみていると・・・

嫌なこと、めんどくさいこと、

苦しいことから逃げようとばかりしている。

楽な道ばかり選びたがっている。

ちょうど、水が低いとこ低いとこと

流れていくように。

 

それじゃいけないんだ。

気がついてみたら、

どん底まで落ちてた、なんてことになる。

 

人生とは、重い荷物をもって

坂道をのぼるようなもの・・・

といった人がいる。

人生にはいつも向かい風が吹いている・・・

といった人もいる。

「かん難汝を玉にす」

ということばを知ってるか。

苦しみ悩んでこそ、

りっぱな人間になれるということだ。

 

「われに七難八苦をあたえたまえ」と、

月に祈った人を知っているか。

山中鹿之助というサムライだ。

自分をうんと辛いめに

あわせてくださいと祈ったのだ。

「憂きことのなおこの上に

つもれかし限りある身の力ためさん」

という歌知ってるか。

悩みごとよやってこい。

自分の力には限りがあるが、

精一杯がんばるぞ!という意味だ。

昔の人たちは、

こうして強くたくましい自分を育てあげた。

 

きみも男ならやってみろ!

逃げたりしないで。

辛いこと苦しいことに、

ドンとぶつかっていけ!」


越前かに三昧!

2015年11月13日 | 四日市商店連合会です

11月12日、四日市商店連合会労務部の慰安バス旅行で越前方面へ出かけました。

今回解禁になったばかりのカニを食できるということで、大変な人気。バスはほぼ満杯でゴザイマシタ。

関ヶ原ICから名神高速道路に乗り、敦賀ICから北陸自動車道を通って“りぞうと旅館 宿かり”で食事をして“日本海さかな街”を覗いて、何度かのトイレ休憩をしていただいて、帰ってまいりました。

カニは意外とかわいらしく、それでも10歳ということで、小学4年生のカニ君をいただくのも多少気が重く感じられました。

さかな街をのぞいても可愛いカニが目に付き、依然(以前ノマチガイ)邪魔したときのような大きなカニは少なかったように思えました。越前ガニにこだわった品揃えが増えたからでしょうか。

私はヒラメの一夜干しにしようかと市場内をくまなく歩き、安くて大きいところで買い求めましたが、後から気がついたら、生のヒラメを買い込んでおりました。重いはずです。これに懲りて、二度と間違えないように、気をつけたいと思いました。

尚、写真提供は、事務の内田様です。

追伸

ヒラメ   やはり干物でした。生とちごたんか、とおっかあに聴きただしたところ、生売っとるはずないやろ!デシタ

とのことでした。


姫路紀行

2015年11月12日 | 諏訪商店街振興組合のこと

11月10日、四日市商工会議所様 小売商業部会研修会の姫路視察に参加させていただきました。風格ある建物の姫路商工会議所様に到着の一行は、早速、駅前開発等の説明をしていただきました。

JR姫路駅北側駅前広場の整備事業は終了し、駅から東側へのコアゾーン開発が進められていました。北駅前広場の開発に関しては、平成20年市議会からの計画案が提示された後、商工会議所や商店連合会からも計画案が出され、大きい比率で民間の意見が取り入れられているようでした。これは、頻繁に行われている非公式での市長と商工会議所会頭との懇談の成果で、市と商工会議所は親密であるというお答えでした。

又、商工会議所は、ものづくり支援とまちづくり支援の二つの事業に、同等の形で取り組んでみえるということでした。

その後、灘菊酒造さんの蔵で昼食、大改修後の姫路城を見学して帰路につきました。


映画“第三の男”

2015年11月09日 | 諏訪商店街振興組合のこと

1949年公開の「第三の男」。あまりにも有名なこの作品。ご覧になった方が多いと思います。まだの方は大変幸せな方です。この機会に是非ご覧ください。キャロル・リード監督が現地で見つけたアントン・カラスのツィター演奏で、この映画は始まります。

当時オーストリアのウィーンは、第二次世界大戦が終わり英米仏ソの四つの国が統治していました。混乱収まらぬ不穏な空気に包まれた古き都。この雰囲気がとてもよく出ています。

アメリカの売れない西部劇作家のホリー・マーチンス(ジョゼフ・コットン)は、ウィーンに住む友人ハリー・ライム(オーソン・ウェルズ)から「良い仕事があるから来いよ」とウィーンへ呼ばれます。ところがハリーは交通事故で死んだばかり。埋葬の場に立ち会ったホリーは、ハリーと恋仲であった魅力的な女アンナ・シュミット(アリダ・ヴァリ)をそこで知ります。

彼女に惹かれていくホリー。二人に付きまとう刑事。犯罪の匂いが深まる中、第三の謎の男ハリー・ライムの裏の顔が現れてきます。

ウィーンの夜に光る街路、そこに立つ広告塔、広大な地下の下水道、大観覧車、そして枯葉の長い道を歩いてくるアンナ。モノクロだから出来た光と影の芸術です。

“第三の男”。11月27日(金)午後6時より、スワセントラルパーキング2階会議室で上映させていただきます。入場無料。今、もう一度“第三の男”をお楽しみください。

今回も三重視聴覚ライブラリーさんのご協力で開催させていただきます。ありがとうございます


まちなか文化祭終わる

2015年11月08日 | おいらの商店街

「まちなか文化祭」が終わりました。

土曜日に、久安典之実行委員長の監督した、こにゅうどう君主演の短編“道―Do-”の上映会があったので出かけました。

こにゅうどう君が、朝起きて寝るまでの一日を描いたものですが、楠海岸の掃除や万古会館、四日市祭りなどの様子を紹介しながら、ゆるキャラグランプリ2015の1位当選を目指すというストーリーでした。審査会の会場が、なんとなくいかがわしい雰囲気でしたが・・・。

こにゅうどう君が空を飛ぶところや、しゃべれないところは字幕でカバーするなど、工夫のあとが見受けられて、大変楽しめる作品になっていました。

挨拶をされたCHIKAKOさんのおっしゃるとおり、こにゅうどう君は、過去のこにゅうどう君ではなく、お尻を振りながら歩く可愛いキャラに生長しています。中に入る人を限定しているのが良い結果を生んでいるようです。

字幕が読み難く、一部ことばの聞き取りにくいところもありましたが、全体に優しさとユーモアがあり、見ている人を飽きさせない楽しい作品に仕上がっていました。