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真面目に演奏しているけれども、壮大な冗談であるかのようにも感じる

2012-09-19 08:33:16 | 音盤ノート
Marc Ribot "Y Los Cubanos Postizos" Atlantic, 1998.

  アフロ・キューバン・ジャズ。ただし、プレイヤーたち自身が“偽キューバ人たち(The Prosthetic Cubans)”と名乗っているように、米国人による演奏である。リーダーのマーク・リボーは、1980年代中期にThe Lounge Lizards(参考)に所属したギタリストで、ジョン・ゾーンとの関係も深く、正統派ジャズというよりはオルタナティヴ系の音楽家というイメージがある。

  収録曲10曲のうち、6曲は1940-50年代に活躍したキューバ音楽家Arsenio Rodriguez作、3曲は他のキューバ人作曲家(?)らしき人物作、1曲はオリジナルという構成。演奏は、能天気に打ち鳴らされる打楽器とチープ感漂うオルガンにのって、リボーが弾きまくるというもの。楽しげなバックバンドの演奏も、行き先不明でどんどん明後日の方向にずれてゆくリボーのギターソロが加わるとどこか珍妙なものに聴こえる。手抜きはないのだけれども、「これはギャグなんです」と言われているような感覚がある。

  時期的にはヴェンダースの映画"Buena Vista Social Club"(1997)のヒットに便乗した企画物のようである。第二作もあるらしい。
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