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『グーテンベルグの銀河系』邦訳の肖像写真について

2015-05-08 11:32:31 | 音盤ノート
Marshall McLuhan "The Medium Is The Massage: With Marshall McLuhan" Columbia, 1968.

  メディア論者マーシャル・マクルーハンによる1968年の録音作品。1967年刊行の著書The Medium Is the Massage(『メディアとはマッサージである』)を基にした内容で、サイケデリックロックとジャズを中心にさまざまな音楽を短くコラージュして、それを背景にしてマクルーハン他総勢11人がアフォリズムを読み上げるというもの。ビートルズの'Revolution 9'をバックにしたポエトリー・リーディングをイメージしてもらうといいかも。珍品ではあるが一回聞けば十分という、さして面白くもない作品である。僕も特に聴くことを勧めない。

  内容云々ではなく、このエントリをおこしたのは別に気になったことがあったため。本作は1999年にSMEからCD化された。その際気づいたことがある。その裏ジャケットを一部を切り取った画像を見てもらおう。



  四人並んでいて、クレジットは左からJerome Agel(編集者?)、書籍版『メディアとはマッサージである』のデザインを担当したクエンティン・フィオーレ、マクルーハン御大、プロデューサーのジョン・サイモンとなっている。みすず書房発行の『メディア論』(1987)を手にとったことのある読者ならば、あの邦訳のカバーにある肖像写真がここから採られたことがわかるだろう。(下記写真:左が『メディア論』から。右が『グーテンベルグの銀河系』から。)



  ところが、同じく『グーテンベルグの銀河系』(1986)カバーの肖像写真もここから採られており、しかも違う人物なのだ(!!)。よく見るとクエンティン・フィオーレである。『グーテンベルグの銀河系』邦訳で使用されているマクルーハンの肖像は別人であったのだ。この話はすでに知られていることかと思いきや、ネットを探してみたら出てこなかったので記しておいた。
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