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奨学金という名の学生ローンを返済した

2015-03-26 12:44:50 | チラシの裏
  今年はじめに、大学院生時代に借りていた日本育英会(現・学生支援機構)の奨学金を完済した。一応名称は「奨学金」であるが、返済義務があり、実質借金であることは周知のとおりである。その総額は、修士課程時代の200万円弱と博士課程時代の420万円強を合わせて計620万円ほどになる。毎月の3万円程度の返済を17年ほど続ければ完済になるのだが、お金が貯まってきたこともあって今年繰上げで全額返済することに決めた。返済開始から8年目にして晴れて重荷が無くなった。

  この話を他の教員にするとけっこう驚かれる。育英会の奨学金って大学の常勤の教員になれば返さなくていいんじゃないの?と。常勤教員として15年程度勤めれば借金がチャラになる、という条件については研究者を目指す大学院生ならばよく知っていることだろう。僕もそれを期待して、大学院を出た後しばらく非常勤講師稼業を続けていた。博士課程の満期退学後から常勤となるまでの間、支配猶予期間の制度というのがあって、手続きを踏めば返済開始を先送りできた。が、返済開始の延長にも上限もあって、当時の規定では確か7年間だった。僕もぎりぎり7年間それを利用したが、非常勤生活の8年目からは返済を始めなければならなかったのである。以降、毎月返済を続けて、今年初頭までに200万円は返していたと思う。

  返済開始の年は個人的にはいろいろあった時で、もう30代半ばになっていたけれど、大して業績もあげてないし、幼い子どもを抱えてることもあって、いつまでも年契約の仕事を続けられないだろうと、研究職をあきらめて別の仕事を探しはじめた時である。ありがたいことに、この話を聞いた恩師が静岡の短大の常勤の話を持ってきてくれて、翌年からそこに単身赴任することになり現在に至ったわけである。世の中には常勤を得るのが早くて奨学金を返さなくて済んでいるという大学教員がけっこうな数存在していて、彼らと比べると僕は失敗した部類に入る。だが、この職を続けられるという僥倖には感謝しなければならないと感じている。

  なお繰上げ返済すると、返済期間と額に合わせて、いくらか報奨金としてお金が戻ってくる。今回、420万円程度を繰上げ返済したところ、36万円の報奨金が返ってきた。当初報奨金は数万だろうと予想していたので、それを使って豪華なディナーでも家族で食べようと目論でいたところだった。しかし、思ったより高額だったので全額銀行に預けてしまった次第。

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