Microstar "Microstar Album" Vivid Sound, 2008.
Microstar "She Got The Blues" Vivid Sound, 2016.
J-Pop。Microstarは、ボーカルと作詞担当の飯泉裕子と作曲担当の佐藤清喜の二人組で、1990年代半ばからの活動歴がある。最初期はエレポップだったらしいが未聴。2008年になって発表された最初のフルアルバム"Microstar Album"では、オーケストラを配したかのようなバンド演奏(実際はシンセ音とサンプリング音のようだが)を使用していて、ドラムも打ち込みではなく人力となっている。渋谷系やcity popの文脈で語られることがあるけれども、「大瀧詠一のサウンドをバックに竹内まりやが歌っているかのように聴こえる」という紹介が一番わかりやすいかもしれない。オリジナリティ云々よりも、再現もここまでできれば凄いというレベルである。収録各曲のクオリティも高い。
二枚目のアルバムとなる"She Got The Blues"は、大瀧詠一風味が後退してcity popに近づいた。全体としてはビッグバンドジャズ的な編成で1980年前後のディスコ曲(またはソウル曲)を演ってみたという趣きになっている。流麗なストリングスに、威勢の良い管楽器、ギターはカッティング演奏かフュージョン風のソロ演奏をする。低音部分では1970年代のスティービー・ワンダーっぽいシンセベースが使われることがある。「当時のサウンドを今風に解釈した」というようなものではなく、当時の音そのままである。時代錯誤とも言えるが、あの時代の音のエッセンスをカタログにして見せたようなとこもあって面白い。しかもやはり収録曲のクオリティが高い。
非常に良いと思う。ただ、あくまでも大衆音楽であって気軽に聴ける内容ながら、忘れられていた音の鉱脈を発掘して研究成果として公表していますという佇まいもあるんだよな。編曲者・佐藤の分析力に対して襟を正さないといけないというような。とはいえ全体に漂う幸福感は素直に楽しめる。
Microstar "She Got The Blues" Vivid Sound, 2016.
J-Pop。Microstarは、ボーカルと作詞担当の飯泉裕子と作曲担当の佐藤清喜の二人組で、1990年代半ばからの活動歴がある。最初期はエレポップだったらしいが未聴。2008年になって発表された最初のフルアルバム"Microstar Album"では、オーケストラを配したかのようなバンド演奏(実際はシンセ音とサンプリング音のようだが)を使用していて、ドラムも打ち込みではなく人力となっている。渋谷系やcity popの文脈で語られることがあるけれども、「大瀧詠一のサウンドをバックに竹内まりやが歌っているかのように聴こえる」という紹介が一番わかりやすいかもしれない。オリジナリティ云々よりも、再現もここまでできれば凄いというレベルである。収録各曲のクオリティも高い。
二枚目のアルバムとなる"She Got The Blues"は、大瀧詠一風味が後退してcity popに近づいた。全体としてはビッグバンドジャズ的な編成で1980年前後のディスコ曲(またはソウル曲)を演ってみたという趣きになっている。流麗なストリングスに、威勢の良い管楽器、ギターはカッティング演奏かフュージョン風のソロ演奏をする。低音部分では1970年代のスティービー・ワンダーっぽいシンセベースが使われることがある。「当時のサウンドを今風に解釈した」というようなものではなく、当時の音そのままである。時代錯誤とも言えるが、あの時代の音のエッセンスをカタログにして見せたようなとこもあって面白い。しかもやはり収録曲のクオリティが高い。
非常に良いと思う。ただ、あくまでも大衆音楽であって気軽に聴ける内容ながら、忘れられていた音の鉱脈を発掘して研究成果として公表していますという佇まいもあるんだよな。編曲者・佐藤の分析力に対して襟を正さないといけないというような。とはいえ全体に漂う幸福感は素直に楽しめる。