安倍政権の翁長知事との和解には失望した







新発売・沖縄内なる民主主義7 1620円(税込み)A4版
沖縄県民は翁長知事に騙されている
沖縄地方紙のプロパガンダに成り下がった佐藤優
事実を隠蔽する最低ジャーナリスト金平茂紀


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安倍政権の翁長知事との和解には失望した

 まいったね。政府は根本案の和解案を受け入れることを主張し続けてきたのだが、安倍首相は根本案ではなく暫定案を受け入れ、辺野古訴訟を和解することを発表した。
 暫定案は移設工事を中断することを条件にしている。安倍首相、菅官房長官は移設工事を中断することはしないと断言していた。だから、政府が暫定案を受け入れることは誰も予想していなかった。誰も予想していなかったことが起こったのである。
 安倍首相は午後1時すぎ、「国として、裁判所の和解勧告を受け入れ、沖縄県と和解する決断をしました」と述べて、和解案を受け入れた理由について、「国と沖縄双方が訴訟合戦を繰り広げる関係が続けば、結果として膠着状態になる」と説明した。安倍首相の弁明には苦笑してしまう。

 私の本当の気持ちを言うと、私はなにがなんでも辺野古移設をやるべきであるという気持ちではない。普天間飛行場が固定化するのならそれでもいいと思うし、県外移設するのならそれでもいいと思っている。ただ国外移設と閉鎖・撤去には反対である。アジアには共産党一党独裁の中国が存在するし、中国の侵略を抑止するには日本に米軍は必要であり海兵隊のヘリコプター基地も必要であるからだ。
 県外移設ができるならそれでもいいと思うが、県外移設の実現は無理である。自民党政権時代の小泉首相と民主党政権時代の鳩山首相の二人が県外移設をやろうとしたができなかった。だから、県外移設は現実的に不可能である。私は県外移設に反対しているのではなく県外移設は不可能であることを知っていてその説明をしているだけだ。県外移設が不可能であることは翁長知事、革新、沖縄二紙も認識している。翁長知事は県外移設は不可能であると分かっているが、知事選に勝利するためには辺野古移設に反対し県外移設を主張しなければならないと考えていたから県外移設を主張したのである。革新や沖縄二紙は根本的に安保廃棄主義であり、沖縄・本土の米軍基地撤去を目標にしているから辺野古飛行場建設に反対である。本当は県外移設にも反対であるが、辺野古移設反対運動を盛り上げるために県外移設に賛成しているように見せかけている。両者も県外移設が不可能であることは知っているし、もし、県外移設の候補地が上がれば反対運動の先頭に立つのが革新である。

私が問題にしているのは辺野古移設ができるかできないかではなく、沖縄政治が民主主義思想に根差していないことである。私は革新の政治すべてに反対しているのではない。革新の非民主主義的な違法行動に反対しているのだ。翁長知事や沖縄二紙に対してもそうである。民主主義的な行動で辺野古移設ができなければそれはそれでいい。それで普天間飛行場が固定化することになるが、固定化するなら固定化するでいい。私は県外移設が不可能であるから辺野古移設ができなかったら普天間飛行場が固定化するのが現実であると述べているだけである。

2010年の民主党政権の時に辺野古崎にV字形滑走路を造ることで辺野古移設が決まった。V字形滑走路で決まるまで、陸上案、海上案、L字型滑走路などの案が提案されたが地元の反対で決まらなかった。やっとのことで辺野古崎沿岸を埋め立ててV字形滑走路の飛行場をつくることで地元が賛成し移設が政治的に結着したのである。
埋め立て申請は移設が決まったから提出したのであり、決まっていなかったら提出はしなかった。
仲井真知事の埋立承認までの手続きは議会制民主主義国家の法律に則って行われたのである。これこそが民主主義である。
翁長知事の埋立承認の取り消しは違法行為である。だから、安倍政権は翁長知事の承認取り消しを取り消すように代執行訴訟を起こした。代理執行訴訟を起こした時に菅官房長は日本は法治国家であることを何度も強調した。
埋め立て承認を取り消した翁長雄志知事を相手取り、安倍政権が取り消しの撤回を求めた代執行訴訟は議会制民主主義の根幹である合法か違法かを問う裁判である。これは徹底して追及するべきものである。

ところが安倍政権は4月の判決を求めるのではなく暫定案による県との和解を選んだ。裁判の場から政治の場に移したのである。
和解の骨子は
(1)国は代執行訴訟と埋め立て承認取り消しに対する執行停止を取り下げる。
(2)工事を中断し、問題を再協議する。
(3)折り合いがつかなければ「最後の手段」とされる代執行手続きよりも強権的ではない地方自治法に基づく是正指示、国地方係争処理委員会での審査、是正指示の取り消し訴訟をやり直す。

 琉球新報は、県と国の協議は判決確定まで続けると述べ結論が出るまで1年程度か
かると予想している。
安倍政権は翁長知事が違法行為をしていると断言し、それを根拠に訴訟を起こしたのである。翁長知事の承認取り消しへの代執行訴訟を取り下げるということは安倍政権は翁長知事の違法行為に目を瞑るいうことになる。安倍首相は「国と沖縄双方が訴訟合戦を繰り広げる関係が続けば、結果として膠着状態になる」から、膠着状態を避けるために訴訟を取り下げると述べているが、それでは翁長知事の違法行為を問題にした代執行訴訟の意義は消えてしまう。安倍首相の法治主義を疑ってしまう。

安倍首相は暫定案を受け入れ、県と和解したのである。
法的手続きによって決まった辺野古移設であったのに翁長知事はあろうことか辺野古移設反対を選挙公約にして立候補したのである。翁長候補が当選すれば辺野古移設は阻止できると堂々といって選挙運動をやった。
仲井真知事が埋め立て承認をした時点で辺野古移設は工事段階に入ったのであり、辺野古移設を阻止することは県知事にはできない状態になっていた。ところが翁長知事は辺野古移設反対の自分が知事になれば辺野古移設を阻止できる公言した。翁長知事は県民を騙したのである。県民を騙した翁長知事が当選して一年が過ぎたが翁長知事は辺野古移設を阻止することはできなかった。翁長知事が県知事選の時に嘘をついたことが明らかになったのである。
翁長知事の埋立承認の取り消しは違法行為である。県民に嘘をついた翁長知事は嘘を隠し、県民の支持を維持するために埋立承認取り消しという違法行為をしたのである。県民を騙した翁長知事の違法行為を許さないのが安倍政権の代執行訴訟であった。
代執行訴訟は沖縄の政治を正す裁判でもあった。

私は3月3日のチャンネル桜で佐喜真市長が大勝した原因として、宜野湾市民が次のように考えが変わってきたことを上げた。

○翁長知事・衆議院小選挙区全員当選してもボーリング調査を止めることができなかった。
○辺野古移設を止めることはできない。
○金網の赤リボンや米兵への嫌がらせへの反発。
○ゲート封鎖への反発。
○普天間飛行場の騒音被害はない方がいい。墜落の危険がある。辺野古は普天間飛行場より安全。
○普天間飛行場がないほうが那覇新都心のように経済は発展する。
○辺野古移設しないと普天間飛行場は固定化する。
○反対運動している人が乱暴で威張っていることへの反発。

 翁長知事が当選して一年が過ぎた。宜野湾市民も県民も一年間で考えが変わってたたはずである。国が県を訴えたのを沖縄二紙は県民の反発を招いたと報道したが、国が県を訴えたということは県にも落ち度があるだろうと考える県民も多いはずである。
 裁判で国が勝てば翁長知事のやっていることに疑問を持つ県民も確実に増える。それが如実に表れたのが宜野湾市長選であった。過去の宜野湾市長選では図表で分かるように2000票以内の接戦である。


ところが今年の宜野湾市長選では、
佐喜真淳候補(51)2万7668票
志村恵一郎候補(63)2万1811票

なんと5857票の大差で佐喜真候補が勝ったのである。大差で勝ったから佐喜真候補の選挙運動が圧倒していたということではない。むしろ圧倒していたのは翁長知事が戸別訪問をするくらいに応援した志村候補のほうである。志村候補は翁長知事や保守に革新が加わった。だから、志村候補が勝つだろうという予想が強く、長年選挙に関わっている自民党系の人でも志村候補が有利と話していた。しかし、佐喜真候補が大勝したのである。

 3月3日のチャンネル桜では大勝したにも関わらず、佐喜真市長は「5年以内の運用停止」実現に向けた負担軽減推進会議の再開を翁長知事に求め、翁長知事と同じ政治姿勢であることを述べ、佐喜真市長を批判した。そして、「佐喜真宜野湾市長に失望」していることを話した。ところが、なんと驚いたことに翌日に安倍政権が県と暫定案で和解することを発表したのである。安倍政権にも失望してしまった。
 官邸には沖縄関係のブレーンが存在し、宜野湾市長選の分析をやったはずである。しかし、大勝した原因を分析することはできなかったのではないかと思う。だから、裁判の続行は国の強引さを県民に印象させ、県議会選、参院選を不利にさせると予想したのだろう。安倍首相は沖縄関係ブレーンの生命を信じてしまったとしか考えられない。
翁長知事の埋立承認取り消しは違法行為であると豪語して代執行訴訟を起こしたのに口の根も渇かないうちに和解協議に変更する。沖縄関係のブレーンのお粗末さを感じる。

 沖縄タイムス社説で、
「今回、国が和解を受け入れたのも、6月の県議選や夏の参院選をにらんでのことだといわれる。もし政府が再び県民をもてあそぶような対応を示せば、反発は倍となり、問題は泥沼にはまり込む」と述べているが、「県民をもてあそぶ」とタイムスに言わさせるほど今回の安倍政権の県との和解である。
 和解をし、協議をすると言いながらも安倍政権が、辺野古以外選択肢はないと繰り返すのは、「思考停止以外のなにものでもない」とタイムスに言わせてしまうのである。
 沖縄関係のブレーンはできるだけ県民の反発を押さえて穏やかに辺野古移設を進めようとしようと考えていると推測するが、それは翁長知事を延命させ、革新や沖縄二紙の主張が県民に浸透していくことを助けることになるのだ。

 今の沖縄に必要なのは議会制民主主義思想を持った政治家が政治をすることである。
 キャラウェイ高等弁務官は50年前に「政治とは実際的な問題を処理していくことであって空想的な計画を作ったり、圧力団体がスローガンを叫ぶことではないのである」と述べ、沖縄の政治は空想的であり、圧力団体に屈している政治だと批判した。50年経過しても沖縄の政治は変わっていない。これが沖縄政治の深刻な問題である。
 
 日本の経済復興に全精力を傾けたのが安倍政権のアベノミクスである。TPPと集団的自衛権の行使は日本・アジアの経済を発展させ、平和を構築していくだろう。政労使会議は経営者側と労働者側の立場を理解し合い、両者の関係を改善していく素晴らしいシステムである。安倍政権は経済を発展させると同時に労働者の生活も向上させる政策をやっている。正社員とパートの格差を無くすための同一労働同一賃金も政策に取り入れた。
 経済発展と国民生活の向上を目指している安倍政権は国民の支持率も維持している。私も安倍政権の政策を支持しているが、今回の暫定案の和解は法治主義をないがしろにしているから支持できない。残念である。

2016/03/04 に公開
平成28年3月3日木曜日に放送された『沖縄の声』。本日は、キャスターの又吉康隆が­「佐喜真宜野湾市長に失望」、コラムコーナー”又吉康隆のこれだけは言いたい”では前­回に引き続き「二大政党は共産党が参加する野党連合より大阪維新の会のほうが可能性あ­り」のテーマについて解説いただきます。
※ネット生放送配信:平成28年月3月3日、19:00~
出演:
  又吉 康隆(沖縄支局担当キャスター)

チャンネル桜


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