林外相の G20会合欠席で想起される 2題

前回　取り上げた、林外相の国会予算審議優先からの　主要国 G20外相会合欠席は、その後の与野党幹部協議などもあって、同時に持たれる「クァッド」4カ国外相会合には出席可能となった様だ。

国会質疑後、林大臣はインド国へ赴かれた様だが、やはり全体会合欠席は議長役を担うインド国首脳の面子を損ねたのは事実で、同国メディアも批判の論調が有力だとか。又もただでさえ弱体な我国の発信力が露呈した訳で、もう遅いかもだが　この辺りを強力にテコ入れしないと取り返しのつかない事態に陥りかねないとも思う者だが。

日付跨ぎは恐縮だが、この日中の国会質疑は一部拝見したも、岸田総理も林外相も余り歯切れの良い反応ではなかった様だ。以下　当日の日テレNEWS ネット記事を引用して、少しみて参ろうと思う。

「林外相 G20欠席　野党側が批判『外務大臣の無駄遣い』」

林外相がインドで行われている G20外相会合を欠席したことについて、野党側から批判の声が上がりました。(一部略)

今回の G20外相会合は　ロシアや中国(大陸) も参加し、ウクライナ侵攻などを議論する会議です。日本維新の会は、政府が国会審議を優先し　参加を見送ったと指摘し「国益を損ねている」と批判しました。

日本維新の会・音喜多政調会長「総理はなぜ　国益を損なうような判断を政府・与党内でされてしまったのか？」

岸田首相「国会を含む国内での公務の日程、内容等を総合的に勘案し、最終的に政府外務省として　山田賢司外務副大臣とすることが適切であると判断をいたしました」

音喜多政調会長は、3/1 の審議で林大臣が答弁したのは 1回だけで 53秒間だったと指摘し、「外務大臣の無駄遣いと言わざるをえない」と苦言を呈しました。

今回は　参議院の自民党、立憲民主党の幹部から「国会審議を優先すべきだ」との声が上がり、政府も参加を見送った形ですが、立憲民主党の安住国対委員長は　あくまでも「政府の調整不足だ」と批判しています。岸田首相は「国会の理解も得つつ、今後とも積極的な外交を展開していきたい」と釈明しました。(引用ここまで)

参院の国会審議と G20会合の日程重複は、事前に良く把握しておれば避けられた可能性があるとの指摘があり、拙者も同感だ。又　国会審議優先の見方に同調した立憲民主党の出方も、あくまでも慣例による所からの一意見に留まる所があろう。安住委員長の「あくまで調整不足」の主張も、今度ばかりは聞いておくかとの気にもなるものだ。

とに角、政府与党側の危機意識が足りず、又　それが共有されない縦割り組織の弊害が露呈してもいる。昨今の安保情勢緊迫化と本気で向き合うなら、年初には決まっていた G20会合との日程重複は避けられたはずだし、国会期間中の国際会合出席も　与野党間の調整で乗り切れたはずだろう。調整不足はその通りだが、同時に政府与党側の危機感も足りなかったという事ではないのか。

こうした問題は、以下の 2題にも通底している様な気がする所だ。いずれも詳細は末尾リンクの関連記事に譲るが、一つは未だ日程も固まらぬ　岸田総理のウクライナ国訪問話。もう一つは北日本で特に深刻化する酪農危機だ。前者は警護面、安全面のハードルを乗り越えられない事からの様だが、本気で訪問する気があるなら　超法規的措置に訴えてでも強い姿勢で実行を図るべきだろう。

後者の信じられない様な生乳廃棄や　ひいては乳牛殺処分要請などは、最早気狂い沙汰と揶揄されても仕方あるまい。海外の事例に良く学び、余剰産品は政府が公費で買い取って　食糧危機に直面する A.A圏メインの国々に送ったり融通したりという策を講じられないのかとも思う所だ。農産物余剰に　ただ「困ったから廃棄」では誠に能がなく、生モノの生乳などは脱脂粉乳に加工して　対象国に送っても良いはずだ。

とまれ、どちらも「縦割り組織の弊害」の所は大きいと思う。これまで何度も指摘され、改善や見直しへの声高な求めにも　政府与党は動いてこなかった。もう手遅れかもだが、岸田総理は心あるなら　こうした所にメスを振るう勇気を持つべきではないか。今回画像は、今年初　当地北郊・一宮市内にての JR東海道本線・上りセメント原料専用貨物便の様子を。少し見え難いかもですが、背後に伊吹山系がチラリと見られる日でした。以下に　関連記事を 2件リンク致します。➀「夕刊フジ 3/2付」ニュース裏表　平井文夫　岸田首相は本当にウクライナに行けるのか？　外務省高官が最も心配する首相の「身の安全」問題　「普通の国」がやるべきこと(夕刊フジ) - goo ニュース　➁「MONEY VOICE 2/28付」牛を殺せば助成金…政府に振り回される酪農家たち。過去最悪レベルの「牛乳ショック」で毎日生乳廃棄へ＝原彰宏 | ページ 2 / 2 | マネーボイス (mag2.com)